クマ坊の日記

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【経営】SDGsとESG投資と日本企業

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今年に入ってからSDGs関連のニュースやテレビ番組が多くなりました。政府もカーボンニュートラルやグリーン成長戦略を表明していますね。今日はSDGsが経営に与える影響について考えてみたいと思います。

 

 

SDGsとは?

2015年に国連で採択された合意文書「私たちの世界を転換する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」その中で示された持続可能な開発目標がSDGsです。Sustainable Development Goalsの略ですね。世界に山積する社会課題を解決するために、17のゴールとそれに紐付けられた169のターゲットが設定されています。飢餓や貧困、環境問題東京は以前から国連が取り組んできたことです。しかし、国連や政府関係者、NGO等だけでの取り組みに関して限界がありました。産業界をいかに巻き込むかが課題でした。

 

ESG投資とは

産業界では、2006年に当たりからESG投資なるものが注目を浴びるようになります。ESGとは、Environment (環境)とSocial (社会)とGovernance (ガバナンス)の頭文字の略称です。国連のアナン事務総長が機関投資家にESGを投資プロセスに入れるように提唱したことから注目されるようになりました。投資する時には、環境や社会に配慮したビジネスをしている企業に投資してくださいねと言う事です。国連としては、前述したように社会課題の解決には産業界を巻き込む必要性を感じていました。そんな背景もあったように私は思います。

この考えにいち早く賛同したのが、ヨーロッパでした。社会課題に対して意識が高かったと言うのもありますし、新しいルールを作ることでビジネスでの優位性をつくると言う思惑も内在していたように思います。アメリカは最初は消極的でした。しかし、リーマンショックで潮目が変わります。財務指標だけ見ていては投資先企業の持続可能性は分からないと考えられるようになりました。リーマンショックでは自らの利益の事だけを考えた企業が、世界の金融市場を揺るがす大事件を引き起こしたわけですから。利益以外の環境や社会にも配慮したビジネスをするような企業であれば、暴走はしないだろう。リスク回避する意味でもESGの指標を大事にしようという流れになってきています。日本だと国内最大の機関投資家であるGrif(年金積立金管理運用独立法人)がESGを投資原則に組み込んでいます。そのため企業は環境や社会にも貢献してますをアピールするのが当たり前になっています。日本企業はESGを取り組もうと考えた時に、目標があった方が取り組みやすいです。世の中を見渡すとSDGsと言う分かりやすいゴールがある。環境や社会にも含まれている。国も積極的だ。と言うことで日本の産業界ではSDGsがブームとなっています。

 

SDGsが流行ってるのは日本だけ?

面白いのはSDGsで盛り上がっているのは日本だけという事実です。海外の友人と話していると、「SDGs???」なんて反応がありました。私もその反応見て「???」。話を聞くと海外の企業は、社会課題に当たり前のように取り組んでいるけど、それはあくまで自社の利益と両立させることを目指しているという話です。SDGsという決められたゴールを達成するのでは他社と差別化できないし、差別化できなければ儲からないという発想だというのです。

日本人は問題を与えられて、それを解決するのが得意です。一方、問い自体を自分で作ってしまえと言うのが海外勢です。問いを作ると言うことは新しいビジネスモデルを構築すると言うことに繋がりますから。

もちろん日本企業でも優れた経営者はその事を理解していて、自ら問いを作っている企業もあります。SDGsへの取り組み方に注目するだけでも、企業の経営方針が透けて見えます。