クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【book】ミュージシャンが知っておくべきマネジメント実務

 

 今日は本の紹介です。「ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務」です。

 

ミュージシャンのマネジメントに学ぶ

私の生業は企業の人材育成を支援するコンサルタントです。また、コンサルタントをマネジメントするライン管理職でもあります。コンサルタントをどのようにプロモーションしていくか、ある程度キャリアがあるコンサルタントをどのようにマネジメントするかについて悩んでいました。そんな時、以前、お笑い芸人を抱える吉本の木村さんと仕事をしたことを思いだしました。昭和の大芸人、ヤスキヨのマネジャーを務めた方です。当時、コンサルタントと芸人もかなり共通点があるなと言う印象を持ちました。そんな印象があったのでタレントやミュージシャンのマネジメントが、今の仕事を進める際に役立つのではないかと考えていました。特にミュージシャンはデジタル化の波に影響をいち早く受けました。コロナ禍の中、研修事業もDXへの変化を余儀なくされています。そんな問題意識から手に取った一冊です。

 

さて前置きが長くなりました。この本はタイトル通り、ミュージシャンが知っておくべきマネジメントの実務について書かれています。目次は下記になります。

 

  1. 音楽ビジネスのエコシステム
  2. マネジメントの実務
  3. ネット時代の音楽ビジネス

 

実際はもっと細かい実務があり、ミュージシャン個々や状況によっても変わるのでしょう。しかし、素人の私が音楽業界の潮流や実務を理解するには十分な内容でした。

 

ミュージシャンのマネジャーに求められる力

音楽ビジネスにおいてマネジャーとはスケジュール管理する人ではありません。アーティストと共にヒット曲を生み出し、アーティストをブレイクさせる人です。著者はそんなマネジャーに必要な能力として4つをあげています。

  1. 音楽力
  2. コミュニケーション能力
  3. ビジネス力
  4. 実務能力

音楽力は、音楽に対する愛情はもちろん、音楽に関する知識や情報やセンスを指します。コミュニケーションは言葉の通りですね。1人ではヒットは生まれません。多くの人々の力が必要です。ビジネス力はマネタイズする力。構想力や戦略を描く力です。実務はそのまんまですね。著者はこの4つの能力のうち2つは欲しいと述べています。

 

これは他の業界でも同じだなと思います。その業界で求められる専門知識が一つ以上は必要です。周囲を巻き込むヒューマンスキルと問題解決、課題解決に必要なコンセプチュアルスキル。そしてビジネスを前進させる実行力と置き換えれるように感じました。

 

変化に対応するのは難しい

音楽業界はかつては、レコードやCDが稼ぎ頭でした。だからレコード会社は儲かっていたし、儲けた資金で将来の若手にも投資する役割を果たしていました。レコード会社を中心に音楽業界は上手い具合に循環してたわけです。しかし、ネットの台頭で状況は大きく変容します。もはやCDは稼ぎ頭ではなく、ライブやファンクラブやグッズをどう立体的にマネタイズしていくかが問われる時代になりました。2000年代前後に急成長したエイベックスがリストラを検討しているニュースを見ました。かつては小室哲哉を筆頭にヒットを連発させていましたが、強かったが故に変化への対応が遅れたのかなとも考えます。ビジネスは難しいですね。