クマ坊の日記

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【経営】企業の再建策

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以前、限界事業の戦略について解説しました。しかし、策を打っても悪循環にはまってしまう場合もあります。最近だと大塚家具がそんな状況のように見えます。悪循環に陥った企業の再建策について考えてみたいと思います。

 

 

再建策の王道は、縮小均衡

再建策の王道は縮小均衡策です。現在の売上を前提として、それで十分な利益が出るところまで支出を切ることです。具体的には投資的支出を真っ先にきります。ついで、資産売却、不採算事業の廃止、組織の簡素化、人員削減。。。 再建のために売上を伸ばそうと考える経営者がいますが多くは失敗します。再建を余儀なくされている企業の営業は通常弱いですから。短期間に稼げる力があれば、再建まで追い詰められません。NISSANが経営不振に陥り、カルロスローンが実施したのが縮小均衡でした。

 

大量教育も必要

縮小均衡と並行して進めなくてはいけないのは、社員全員の教育です。結局、事業を伸ばすも殺すも最後は人です。再建を余儀なくされた企業の人心は荒廃しています。徹底的に縮小均衡を講じることで、社員全員が苦痛に耐えてでも再建にあたる決意を固めることは想像以上に重要です。ここでもう一つ重要なのが経営トップの立ち振る舞いです。緊急時においては経営者自らが範を示し、誰よりもよく働くことが大事だと思います。さらに大切なのは時間です。モタモタしていると倒産します。教育に費やせる時間は短いことを認識せねばいけません。

 

再建策に2度目はない

再建は思い切って徹底して実施することです。縮小均衡時の経営者は、王様のような状態になります。なりふりかまっていられないので、しばしば社内で強権が発動されるからです。従業員に苦痛を与える存在であり、恐怖の大王です。部下からの信頼感は全くないといっていいでしょう。だからこそ、再建策を講じたときは結果を出さなくてはいけません。もし結果がでず赤字が継続した場合は、経営者に対する大きな失望が生まれ、社員はついてきません。むしろ優秀な社員から辞めていきます。再建策に2度目はありません。

 

反撃の種も蒔いておく

再建策は思い切ってやらなくてはいけませんが、反撃の種も蒔いておくことも大切です。ずーっと縮小均衡しているだけでは事業がシュリンクしつづけるだけですから。赤字を止めた後の反撃の種も蒔いておくべきです。新商品開発や有力新規顧客の開拓等が具体的なイメージです。縮小均衡するからといって画一的に将来の芽を根こそぎ奪ってしまっては浮上できません。