今日は書籍の紹介です。全てのサッカー好きな人々に、プロフェッショナルに憧れる全てのビジネスパーソンにオススメの本です。訳は少し難解な部分もあるのが残念ですが、それでも良い本です。
目次
グアルディオラとは何者か
サッカーに詳しくない人は、グアルディオラと言われても誰?って感じですよね。グアルディオラはサッカー監督です。現在はイングランドにあるマンチェスターシティを率いています。只今、負け知らずでチームは首位を快走中です。
監督になる前は、スペインのFCバルセロナでプレーしていました。現役時代からスーパースターでした。ポジションはボランチ。中盤の底から美しいパスを供給してました。
どんな本なのか
監督グアルディオラはバルセロナで美しいサッカーでタイトルを総なめにしました。彼が次の戦いの場として選んだのはブンデスリーガーのバイエルンミュンヘン。2013年からの3シーズンでグアルディオラがバイエルンミュンヘンにどんな影響を与えたのか、またグアルディオラがドイツサッカーからどんな影響を受けて変化したのかを、ただ一人密着取材を許されたジャーナリストが克明に記録した書籍です。グアルディオラ自身のコメントもありますが、記述の多くが彼を取り巻く人々の証言で構成されているのに特徴があります。
勝つために最善の努力を惜しまないプロフェッショナル
偉大なプロスポーツ選手は負けず嫌いですが、グアルディオラも相当なものです。美しく勝つことがグアルディオラの信念だと私は勘違いしていました。彼の中では、まず勝つことに。次に美しいサッカー。そしてできればサッカーで人々を感動させること。という優先順位でサッカーを捉えていることを知りました。
サッカーで勝つために貪欲にあらゆることから学ぼうとします。ある時はプロバスケットの戦術から。ある時はチェスの名人から。サッカーはもちろん他の分野にも関心が高いところが素晴らしいですね。
チームのコンセプトや戦術、練習方法だけでなく、選手の栄養管理や医療技術など勝つために必要な全ての要素について厳密に管理しようとします。その姿はフットボールの監督というより、求道者に近い感じです。徹底的にディテールにこだわるの姿が凄いです。
「ブラボ!」「アイラブユー!」ロンドでインテンシティを伝えるグアルディオラ
多くの偉人のコメントもためになる
この本には、多くのプロフェッショナルの言葉が記載されています。サッカー選手、サッカー監督はもちろん、チェスの世界チャンピオン、映画監督、芸術家、料理人、医師、哲学者、バスケットボールの監督、宗教家などなど。どんな分野でも、本質は共通なんだと教えられます。
指揮することの秘訣は、オーケストラを不快にしないよう、いつタクトを置くのかを知ることだ ヘルベルト・フォン・カラヤン/指揮者
良い監督と悪い監督がいるというのは事実ではない。勇気のある監督とそうでない監督がいるだけだ ファンマ・リージョ/サッカー監督
考えることはダンサーが犯す最大の誤りだ。考えるべきではなく感じるべきだ マイケル・ジャクソン/歌手
強みはしばしば弱みである ダビド・ジャダ/写真家
栄光とは幸せであること。栄光とはあちこちで勝つことではない。栄光とはより良い選手になろうとして、プレーを楽しみハードな練習を楽しむこと ラファエル・ナダル/テニス選手
グアルディオラの弱さを持った1人の人間だった
栄光に彩られたグアルディオラのキャリアですが、そんな彼もドイツへの適応するのに苦労します。また、コミュニケーションもそんなに上手でなさそうです。内向的なのかな。信頼関係が出来た人とは深く繋がりますが、そうでない人からは誤解されやすいみたいです。こんな素晴らしい監督でも弱みもあるんだなと感じました。
まとめ
他の分野から学ぶ事を、専門用語で「越境学習」といいます。この本はサッカー好きはもちろん、プロフェッショナルの仕事術に関心がある人にもお勧めです。