新任の管理職が初めてマネジメントを行うとき、職場の問題の多さと複雑さに頭を抱えます。どこから手をつけていくべきか躊躇します。今日は職場の問題の着手の仕方について考えます。
問題発掘は順番が大事
まずはファクトデータを眺めつつ、メンバーの話も聴きつつ、しっかり職場を観察することです。大事なのは順番。ファクトデータを把握してから、メンバーの話を聴いたり、現地現物を観察することです。人は観たいもの聴きたいことしか入ってきません。いきなり現場を観察したり、メンバーから話を聴くと、無意識に自分の価値観で情報を取捨選択してしまいます。すると、的外れな問題認識と問題設定をしてしまう危険性があります。それを防ぐためにも、まずはファクトデータの異常値に着目しながら、自分なりの仮説を持って現場を観察したり、ヒアリングを進めていきます。すると、自分が考えていた仮説とズレが生じる箇所が出てくるので、さらにそこを掘っていく形になります。ズレどころか初期仮説と全くかすらない場合は、初期仮説自体に問題がなかったのか?ファクトデータで不足している情報はなかったのか?振り出しに戻って考える手間を惜しんではいけません。最初のボタンのかけ違いで、後から発生する手間はかなり変わってきます。
問題を4象限で整理する
職場の問題を洗い出す事が出来たら、次にやることは問題の整理です。お勧めは縦軸を人と仕事、横軸を短期と長期に4象限で区切ったフレームワークで問題を整理してみることです。
時間もリソースも有限なので、優先順位を決めていきます。大抵は左上の短期の人に関する問題から着手します。前任の上司との関係性から、仕事へのモチベーションが落ちているメンバーとか、家庭でトラブルを抱えていて仕事のパフォーマンスに影響を与えているメンバーとか。これらは厳密には、管理職が働きかけたからと言ってすぐに問題解決するものではありません。でも、声をかけるだけでも、私はあなたのことを大事に思っていますよというメッセージを発信することが大切です。人の心は複雑です。時間が経てば経つほど頑なにになるし、閉じてしまいがちです。あまり管理職側からグイグイ迫られても困りますが、寄り添う姿勢を示せるかどうかは、今後の職場運営を行う上でも外せません。
次に優先度が高いのは、左下の短期で仕事に関する問題です。こちらは着手しやすく管理職が意思決定すれば解決しやすいためです。また、この象限の問題を解決することでメンバーからの信頼も勝ち得ることに繋がります。この領域の問題を3ヶ月ぐらいで解決することが理想です。
とにかく新任の管理職は、問題を落ち着いて設定し、やりやすい問題から着実に一歩一歩解決していくことです。