米倉涼子さん主演のドクター✖️を私はずっと知りませんでした。妻が録画して見始めたので、私もつい最近になって見るようになりました。「私、失敗しないので」のセリフはカッコイイですね。今日は「私、失敗しないので」のセリフから、ビジネスパーソンの出世について考えてみたいと思います。
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部長までは実力主義
どんな会社でも課長までは実力が反映されます。いわゆる現場での実績ですね。もっともプレイヤーとしての実績ですから管理職として適正があるかは別の話です。まともな会社であれば、マネジメントを通して成果をあげた人が部長に上がってきます。
成果を上げていなくても担当役員と仲がいいとか、昔、上司と部下の間柄ということで部長へ出世する人も一定数います。人間関係で引っ張りあげられるとしても大義名分は必要です。飛び抜けた成果は必要ありませんが、減点は出世にマイナスなので無難な仕事ぶりをこのよう人たちは選択します。
優秀な人は引き倒される
前述した通り、部長には2種類存在します。仕事が出来る実力部長と、抜きん出た力は持たないが社内政治に長けているなんちゃって部長です。前者と後者の割合は、1対10といったところでしょうか。実力部長は仕事ができますから、社内で華々しい業績を打ち立てます。勢いに乗っている時は敵なしですね。しかし、どんなに優秀でも全勝というわけにはいきません。成功にはタイミング、ライバルとの力関係など様々な要素が絡みあうからです。また、毎回フルスイングの仕事をするので、当然空振りした時のリスクも大きくなります。
なんちゃって部長は、リスクのある仕事はしません。10戦10分を狙いにいきます。そして、仕事のできる実力部長が空振りした時にこう言います。「だから私はリスクが高い!」と言ったんだ。ここぞとばかりに失敗を責めたてます。そして、多数のなんちゃって部長が実力部長を引きずり下ろします。かくして、安全圏で仕事していた部長が生き残り出世していくというのが、大企業で見られる光景です。
「私、失敗しませんから」はつらい
実力部長の影響力の源泉は、仕事での華々しい業績です。だから、全勝が求められます。「私、失敗しませんから」の世界ですね。しかし、9勝しても1敗すれば命取りになります。もしくは、9勝する間にライバルとの差を圧倒的につけるしかありません。ライバル達が引き倒すのも躊躇するような成果があげられれば1敗は致命傷にはならないでしょう。
社内で敵をつくらない
実力部長にも2種類います。部下からの信頼が厚いタイプと、上司からの信頼が厚いタイプ。生き残っていくのは後者です。上司は優秀であっても自分に刃向かう部下は引き上げづらいものです。部下からの信頼が厚く、仕事もでき、上司にもづけづけ物が言える人が出世していくなら、経営者が優秀で懐が深いということです。
仕事ができる人は、仕事に熱心であるが故に強引な仕事の進め方をしたりします。その結果、自分が知らないところで敵をつくったりしてしまします。若くして課長や部長になると周囲からの妬みを買ったりしますから。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という諺もありますしね。出世すればするほど、謙虚な姿勢で敵をつくらないことが、自分の仕事をスムーズに進める上でも大切になります。
出世っていいの?
ビジネスパーソンが企業で出世して、企業の中枢で仕事をするとスケールな大きな仕事を経験できます。自分が使えるリソースが多ければ多いほどダイナミックに仕事ができますしね。そのような経験はなかなかできないので体験できるチャンスがあるなら、トライしてみることをお勧めします。
でも、地位や給料を目当てに出世したいと考えるならお勧めしません。上の立場に立つということは、「部下と部下の家族の人生に影響を与える立場に立つ」という責任を背負うからです。そんな覚悟がない人が出世すると本人も周囲も不幸です。
失敗に寛容な組織がいい
これまで述べてきたような失敗したら足を引っ張る組織、減点主義な組織は20世紀型の古い考え方の組織です。そんな組織では人は成長しないし、組織も大きくなりません。失敗しても再びチャレンジできる組織や社会が未来を切り開いていくのだと思います。