昔から感じていたんですが、管理職の管理って響きが悪いと思いませんか?部下の立場からすると、管理されたい人なんていないと思います。
管理を英語ではコントロールといいますね。このcontrolの語源はラテン語の「rotulus」(巻物)に接頭語「contra」がくっついて出来た言葉です。「contra」は「〜と対照して」の意味です。つまり、controlの本来の意味は「巻物を照らしあわせる」でした。これは中世の商人が帳簿のコピーを巻物にして、手元のお金と照らしあわせて会計管理していたことに由来しています。
しかし、管理職を英語でcontrolerとは言いません。manager(マネジャー)と呼びます。management(マネジメント)の意味は「うまくやる」その語源はイタリア語の「manus」。「手で扱う」「馬を慣らす」という意味です。馬は貴重な財産でした。馬を鞭でしばき倒して走らせるのではなく、手で慣らしながら馬と信頼関係を作り、自分が行きたい場所へ連れて行ってもらうというのが由来だそうです。
翻って日本語の管理は「管轄辨理」という言葉が略されたものだそうです。「管」とは門を開閉する鍵のこと。「轄」とは車輪が外れないようにする楔のことでした。つまり、きっちりと基準を守る、イレギュラーを起こさせないようにするというのが由来でした。
マネジャーという英語を初めて見た日本人はマネジメントという概念を掴みきれなかったんだと私は思います。そもそもマネジャーという仕事がなかったのではないでしょうか。
そのため、マネジャーがする仕事の一面、つまり従業員が「ある仕事のやり方や水準から逸脱しない」ように監視する人、指導する人と捉えたのだと想像します。だから「統制」や「制御」を意味する「管理職」をマネジャーの日本語訳としたのではないでしょうか。私の想像ですが。。
でも、「管理職」というネーミングはセンス悪かったと思います。管理 統制 制御のイメージが先行しました。管理職になると「態度がデカくなったり」「コントロールする人」いますよね。「管理職」という言葉のイメージがヘンテコ管理職を生み出す原因の一つではないかと妄想したりします。
言葉って難しいですね。