新年度に向けて、多くの会社では新たな方針が発表され、管理職はその準備で忙しいのでないかと思います。私も準備の真っ只中です。新たな方針は様々でしょうが、変革とかイノベーションのキーワードが踊っている職場もあるかと思います。言うは易し行うは難しです。今日はこの話題について考えてみます。
変革の響きの良さ
企業は存続し続けることが求められます。厳しい環境下、変革し続けられなければ市場からの退場してしまうことになります。だから、変革やイノベーションというキーワードが新年度になると、飛び交うのは当然です。教科書的には。。。うがった見方をすると、今年も来年と同じことやりますと言ったら社員をリードできないという側面もあるかもしれません。毎年、季節の風物詩のように「変革」が踊っている職場は要注意ですね。
変革の語源
変革とは「物事を根本から変えて新しくすること」を指します。「変」の語源を調べてみると、元々、中国の殷の時代に誕生したようです。当時は政を占いで決めていました。その占いで使っていた祭具が「変」の由来になります。その祭具は糸で繋がっている構造になっており、それを壊すというのが漢字の原型になっています。そこから「連続するものを断ち切る、かえる」の意味となったそうです。古代中国、全ての政が占いで決められていた世界。その世界観で神の化身ともいうべき祭具をぶっ壊すというのは、相当な勇気が必要であったと推察します。
一方「革」の語源は古代の鞣し方法であった動物の皮を横に両手でピンと張った時の姿が由来となっており、そこから「たるんで駄目になったものを立て直す」と言う意味を持つようになります。そんなロックな由来を持つのが「変革」な訳ですから、簡単に起こせる訳でもありません。
根本問題に対処する
古代の人々のように、全てをぶっ壊して新しいことを始めるだけであれば、まだやりようはありますが企業ではそうはいきません。これまで継続していたやり方があります。ビジネスモデル的に限界があるのを誰もが理解していますが、まだ完全に機能しないわけではない。むしろまだ、キャッシュを生み出してくれる。顧客や人のしがらみもある。。。これらの根本問題メスを入れていくことなしに、変革やイノベーションに現場は集中できません。そして、この根本問題は大抵は重要度は高くても緊急度は低い場合がほとんどなため、着手されずらい性格もあります。生産性を求められる課長にそこを委ねるのは酷です。部長以上が長期視点でリード出来ないと、変革やイノベーションはスローガンで終わってしまいます。