クマ坊の日記

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【マネジメント】理念共鳴のマネジメント

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企業理念やパーパスをこの2、3年で再構築して企業は多くなりました。企業の持続可能性が問われ、既存のビジネスモデルの限界を感じているのがその背景にあります。今日は企業理念とかパーパスに関わるお話です。

未来思考なのに、昭和的な運用

事業ドメインを変更するにあたって、企業理念やパーパスの変更は不可避です。自分たちの存在意義を再設定するわけですから。そして新しい錦の御旗を掲げたら、それを社員に浸透していく必要があります。しかし、ここで疑問が一つ残ります。企業理念やパーパスは未来思考的なのに、それを実装しようとする手段は昭和的な発想にも見えます。お客様からは「新しい企業理念やパーパスを社員に浸透させたい」とのご相談を受けます。とても真っ当なご相談です。しかし、浸透という語感に違和感を感じもします。理念浸透でこれまで職場で見られてきた光景は、朝会での企業理念の昌和だったり、職場に貼られたポスターだったりします。情報の伝達がどちらかと言えば、一方的でした。企業の目標が明確で生産性が何よりも求められていた時代は、それで良かったと思います。

しかし、これからの時代は企業も明確な目標やビジネスモデルを社員に提示できない。働く社員の勤務形態や価値観もバラつきがあります。そのような現状で、上位下達で理念を浸透しようとしてもピンときません。多様な価値観、社員の多様性で新しいイノベーションを起こしたいと考えたら、理念やパーパスに共感してもらえる。もっと理想的な形だと共鳴してもらえるようなマネジメントの仕方が期待されるのだと思います。

理念共鳴のマネジメント

では理念共鳴のマネジメントはどのように進めれば良いのでしょうか?まずは、企業理念やパーパスを理解するのが最初のステップになります。何故、このような理念やパーパスが出来上がったのかを読み解きながら理解していきます。出来れば文章と合わせて、ビジュアルで理解できる映像とかもあると理想的です。大切なのはこの後の日々のマネジメントになります。理念やパーパスに沿ったメンバーの行動を見つけたら、職場内で賞賛し、スポットライトが当たるような活動を行うことです。それらを繰り返すことで、賞賛された本人も、それを見ていた周囲のメンバーも、企業理念やパーパスを理解するだけでなく納得するようになります。さらに続けるとメンバーは共感し、企業理念やパーパスを自分の言葉で語るように変化していきます。言語化した事を実践することで、さらなる自信がつき、こんな事もできるのでは?あんな事もやってみたい!と社員一人ひとりから創意工夫が始まります。ここまでの状態になると、企業理念やパーパスは絵空事ではなく企業文化として根づいていきます。管理職が根気よくメンバーの好事例を引き上げ、賞賛し、意味づける。そんな繰り返しが求められます。面倒なことを継続できる人が、管理職としての価値を高めるのだと思います。