クマ坊の日記

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【マネジメント】マネジメント観の変化

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今日はマネジメントに関するお話です。管理職の役割は複雑化、多様化しています。仕事自体が増えているのもありますが、それ以上に価値観が変容している影響が大きいようにも見えます。今日はマネジメントの変容についても考えます。

事業観と組織観の変容

これまでは事業の目的は、競合に競争で打ち勝ち、市場シェアを奪うというものでした。そういう事業観の下で求められのは、一言で言えば強い組織です。強いリーダーがいて、その下に同じような屈強な部下を配置するというものです。私の好きなマンガに例えると、キングダムのような世界観です。強力な将軍がいて、同じように武に長けた部下を率いて、他国に攻め入り、領地を奪うというイメージです。

しかし、この事業観自体が少し変容しています。時には敵とも手を組み、新しい価値を創造する。そんな事業観を体現するために必要な組織は多様性に溢れたしなやかな組織です。こちらも私の好きなマンガに例えると、ワンピースのような世界観です。船長や航海士や医者やコック、考古学者や音楽家などそれぞれの分野で秀でたメンバーが、共通の理念の元に集まって冒険の旅に出る。

実際の企業はこの強い組織と多様性に富む組織がグラデーションを帯びて点在しています。

DX化の影

何故そんな水と油のような組織が、同じ企業内で存在するかというと、上司とメンバーの年齢ギャップもありますが、それ以上にDX化の影響が大きいようにも感じています。日本のモノづくり企業は、元々、上記でいう、強い組織を運営してきました。しかし、今やどんなメーカーでもDX抜きには新しい事業は考えられません。多くのDX人材を大量に採用しています。デザイナーやプログラマーなど様々な職種のメンバーが、アジャイルに仕事をするのが当たり前のDX人材からすれば、多様性を富む組織運営を志向しています。そのため、旧来の組織観を持つ上司と対立やすれ違いが発生するようになります。

マネジメントは適応課題

表層的には上司と部下がコミュニケーションが取れていない、うちのマネジャーは対話スキルが低いというように、人事は捉えがちです。でも、それらスキルは問題の一部分に過ぎません。最大の問題は、事業観や組織観、マネジメント観が変容していることを理解し、新しい観にマネジャー自身がアジャストしていくことが求められているわけです。マネジメントは技術的な課題より、自分達が大切にしていた価値観を手放してみるなどの、適応課題の方が根深いのが実際です。