クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【マネジメント】リソースは足し算と掛け算の両方で考える

f:id:kumabou2016:20221016212821j:image

管理職の研修を担当していると、ほとんどの受講者から「リソースが足りない」という悩みをお聞きします。実際リソースは不足しているのでしょうが、リソース足りないことに意識が行き過ぎるのも良くないとお伝えしています。今日はリソースの考え方について考えます。

目標と権限とリソースはセットで要求する

経営からは毎年、無理難題系の目標やタスクが現場に降ってきます。経営側からは、インプット少なく、高いアウトプットを出してくれることを期待されます。ただ、ストレッチした目標に取り組む際は、目標達成に必要なリソースと権限移譲の両方を要求していくのが王道です。目標達成の為には事前の準備が重要になります。計画段階で目標の9割ぐらいは見通しが立っているのが理想です。最後の10%を埋めるのがどんな計画でも難儀します。

 

リソースの足し算だけで考えない

前述したように、目標とセットで権限とリソースも要求することは大切です。しかし、多くの場合には満額回答をもらえることはありませんよね。リソースの足し算。つまり大きな目標達成するためには、もっと頭数が必要だー!ばかりに捉われると、リソースが獲得出来なかった時点で思考が停止してしまいます。ここからが管理職の腕が試される局面となります。

 

リソースは掛け算で考える

既存のリソースは十分活用されていないと考えるのが出発点です。できるメンバーはできるし、できないメンバーは出来ないと固定的に捉えるのか、メンバーは成長できると考えるかです。管理職は限られた期日までに成果をあげることが期待されます。それ故、人をある程度見極めるのも大切だと言う人もいます。確かに、ストレッチした目標でなければ、そのような考えも一理あると思いますが、ストレッチした目標の前では通用しません。リソースの中の最大変数である人の価値をどれだけ増幅できるに集中すべきです。

 

リソースの掛け算で必要なこと

  1. 管理職としての魅力
  2. 心理的安全性
  3. 挑戦させる
  4. 決断する

周囲のメンバーに一緒に仕事したいと思わせる魅力が必要です。魅力の源泉はそれぞれです。これまでの経験や実績、高い専門性、はたまた人徳。周囲のメンバーが直接でも間接でも、その管理職と一緒に仕事したいと思わせることが必要です。2番目は心理的安全性です。会議中に、メンバーが「ちょっと何言っているか分からないんですけど!」とサンドイッチマンのギャグが言えるくらいが理想です。また、ただ安心できる一方で、チームのメンバー同士で緊張感持ちながら意見が言える雰囲気も求められます。3番目はメンバーが挑戦を通じて、限界を越えていけるような支援をしていくことです。そのためには、メンバーが迷わず全力で走れるような、希望が持てる計画が描けなくてはいけません。また、結果が出なくてもメンバーのプロセスを賞賛するブレない姿勢も大事です。挑戦のキーワードを使う人は多いですが、結果がでないと旗を下ろしてしまう人も多いです。挑戦と密接に関係するのは意思決定する力です。メンバーと議論しながら、最終的には意思決定することです。ミソはメンバーを議論に巻き込みながら、最終的な意思決定から逃げないことです。意思決定していても、議論の過程でメンバーを巻き込んでいない場合は意味がありません。

既存のリソースを増幅するには、事前の準備が必要ですが、一度掛け算が機能すると、そのアウトプットは凄まじいものがあります。動き出すまでに時間と労力もかかりますが。