短い夏休みも終わってしまいました。今日から通常運行ということで。再開1発目はビジネスで使用するフレームワークの使い方と見方について考えてみたいと思います。
フレームワークは整理と対話に役立つ
3C分析やSWOT分析、PDCAなどビジネスには様々なフレームワークが存在します。多くの人々に使われてきだけあって分かりやすいのが特徴です。フレームワークが優れているのが、この理解しやすい点です。ビジネスは複雑だし、抽象的になりがちです。そんな時にフレームワークを使って、同じ絵を見ながら議論をすると話が早いですし、お互いの考えの違いも理解しやすくなります。縦軸に市場の成長率、横軸に市場の占有率をとって事業を4象限で分類します。
フレームワークの盲点
そんな便利なフレームワークですが盲点もあります。それは、フレームワークで整理する事で思考が停止してしまうことがあります。より正確に表現すると、「フレームワーク内だけで考えてしまう。フレームワーク外の視点で考えなくなる」分かりやすいツールであるメリットの裏返しですね。例えばProduct Portfolio Management 分析、通称PPM分析と呼ばれるものがあります。これは自社の事業分析に使われるフレームワークです。
- 市場成長率高い 占有率も高い 花形
- 市場成長率低い 占有率高い 金のなる木
- 市場成長率高い 占有率は低い 問題児
- 市場成長率低い 占有率も低い 負け犬
教科書的には、金のなる木で稼いだキャッシュを花形や問題児に投資して、花形をさらに伸ばし、問題児は花形に成長させ、負け犬からは即時撤退になります。
でも、財務的な余力かなければ即時撤退もできません。市場が衰退すると分かっていても自社の歴史や仕組みやリソースを考えると、事業転換したくてもできなかったりもします。また、市場は縮小しても完全に消滅するまで時間がかかります。教科書的には即時撤退が正解ですが、ライバルが市場から撤退するのを待って縮小した市場を占有する事で生き残るなんていう選択肢も現実にはあります。
問題児に投資して花形を目指しても、成長市場への参入を目指すライバルは多いですから、あっという間に血みどろの競争に巻き込まれるのは容易に想像できます。結局、相手あっての競争なわけですから、そんなに簡単にビジネスは進まないという話です。
自分たちは何者か
フレームワークで状況を整理する事が出来ても、最後の意思決定に関しては答えがでるわけではありません。結局、最後は経営者が選択する他ありません。意思決定に正確も不正解があるわけではありませんが、成長している企業を見ていると、自分たちの使命やビジョンや大義を大切にしているように見えます。正解がないが故に、自分達が大切にしていることを基軸に考えるのが重要です。もっとも分かっちゃいるけど、損得が絡むと迷ってしまうのが人なのかもしれませんが。