クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【経営】イノベーションの誤解

f:id:kumabou2016:20191216214312p:image

日本のGDPが世界に占める割合は6%程度でしょうか。ちなみにアメリカは24%、中国は15%です。1996年は18%はあったので、経済的な存在感はどんどん下がっている事を改めて感じます。デジタルの分野で日本企業が出遅れてしまいましたが、振り返ってみるとそこにはイノベーションに関する偏った認識があったように思います。今日はイノベーションについて考えてみたいと思います。

 

 

イノベーションの誤解

新商品や新サービスの開発には大きく3つのルートがあります。

  1. ニーズルート
  2. シーズルート
  3. イデアルート

日本企業のメーカーで従来、圧倒的に多かったのがシーズ起点です。こんな新技術ができました!海外企業に負けられない。新しいイノベーションを、新しい技術を開発するんた!コア技術を知財戦略でしっかり守らねば!・・・。全て正しいのですが、盲点もありました。シーズルートで商品開発を進めるには、「ニーズ」と「アイデア」が必要だと言う点です。

 

イノベーションはユーザーから生まれる

1980年代にマサチューセッツ工科大学のエリック・フォン・ヒッペル教授がユーザーイノベーションを主張します。それまでは、イノベーションは「卓越したイノベーターが生み出す」と考えられていました。しかし、ヒッペル教授がよくよく売れている商品やサービスを観察すると、既存の製品やサービスをユーザーが勝手に改良したり、組み合わせたりすることがイノベーションの源泉になってきていることが分かりました。例えば最近のヒット商品だと、ワークマンを思い浮かべてみてください。元々、ワークマンは大工さんとかのプロ仕様の衣料品を安価でうるお店でした。リーマンショックの際に建築需要が落ち込み、当然ワークマンの売り上げも落ちました。しかし、そんな厳しい外部環境のなかでも、いくつかの商品は売れ続けていました。その利用者を調べてみると、釣り人だったり、ライダーだったりするわけです。ワークマンの商品はプロ仕様だから機能性が素晴らしいのすが、値段も安価なわけです。これに着目した商品開発者はアウトドア向けにデザインを一新しました。それが、昨今のアウトドアブームの追い風を受けて大ヒットしているというわけでです。さて、ここで気をつけなくてはいけないのはイノベーションを起こすのは、最先端の新しい物好きであるイノベーターではないという点です。本当のイノベーションを起こすのは、アーリーアダプターと呼ばれる、普通の人たちとイノベーターをつなげる不思議なポジションの人たちです。あまり振り切れると、周囲がついていけないんでしょうね。半歩先を歩くぐらいの人たちが、イノベーションにおいては最も影響力がありそうです。