クマ坊の日記

人材育成と本とサッカーが中心のブログです

【マネジメント】人と機械が同列に考えられていた時代に生まれたマネジメント

f:id:kumabou2016:20190615142015p:image

私の生業は企業の人材育成です。マネジメントやリーダーシップ、商品開発を専門テーマとしています。今回から数回に分けてマネジメントの歴史を紐解きながら現代のマネジメントについて考えてみたいと思います。

 

 

科学的管理法から始まった

アメリカの経営学の源流は、フレデリック・テイラー先生が唱えた科学的管理法からスタートしました。工場が機械化され、人の作業も組織化されるようになりました。人はロボットじゃないから、サボる人や作業が雑な人もでてきます。そこで、生産性をいかに高めるかという問題意識から経営学が誕生しました。

テイラー先生は、工場の監督者として生産性がどうやったら高まるかを実験します。そこで生まれた知見が、1日の作業量(目標)を設定する、目標をクリアしたら割増賃金(インセンティブ)を払う、作業を標準化するなどです。感覚的に行われていた仕事の指示をもう少し科学的な根拠に基づいて管理しようと考えました。この考え方を導入したのが自動車会社のフォードです。

 

自動車王ヘンリーフォード

ヘンリーフォードは科学的管理法に応用を加えます。それは標準化と移動式組立法です。標準化とは具体的には作る車を一車種に統一して、用いる部品や作業手順を規格化することです。移動式組立法は、移動式の組立ラインで作業者が作業していくものです。現在の自動車製造ラインも同じ構造ですね。

 

人間はロボットじゃない

テイラー先生もフォードも人を機械と同じとみなして、作業時間や作業工程を科学的根拠に基づいて管理してきました。しかし、その逆の立場からの主張も生まれきます。それが人間関係論です。ジョージ・エルトン・メイヨー先生が行なったホーソン工場から誕生しました。メイヨー先生は、賃金、作業時間、作業環境など生産性に関わると考えられる条件を洗い出しました。これらの条件が整うと生産性も向上しました。しかし、不思議な事象も現れました。一度整えた作業条件を元に戻しても、つまり作業条件が悪くなっても生産性が低下しない職場が現れたのです。メイヨー先生は悩みます。科学的管理法の原則に照らし合せるとあり得ない事象だからです。

そこで低い条件でも生産性が向上した作業者に対してインタビューを行いました。インタビューで明らかになったのは作業者自体がホーソン実験の被験者に選ばれたことに誇りを持っておりモチベーションがそもそも高かった。作業者間の仲間意識が強かったことが判明してきました。さらにインタビューには研究者に加えて現場の監督者も加わりました。インタビューは雑談形式で進められましたが、インタビューの過程で監督者と作業者の相互理解が進むと共に、仕事の問題点を気づく機会にもなりました。その結果として実験終了後に生産性が高まるメカニズムが見えてきました。

そこでメイヨー先生は、「人は連帯的で感情的に行動する社会人である。つまり職場の人間関係が生産性に大きく関係する」と主張しました。これが人間関係論の誕生です。

科学的管理法と人間関係論の二つが、産業革命の時代とともに発明されました。その後のマネジメントの経緯に関してはまた次回ふれてみたいと思います。