最近、若いビジネスパーソンから「管理職は魅力がない」「できれば自分はなりたくない」とう声を聞くことが多くなったような気がします。確かに、年々、管理職への期待と役割は増える一方です。今日は現代の日本企業の管理職について考えてみたいと思います。
管理職は孤立する
管理職の仕事は職場のマネジメントです。そのことは今も昔も変わりません。しかし、マネジメントの領域はひと昔前とは大きく様変わりしています。「業績を出せ!」「部下のメンタルをケアしろ!」「パワハラに気をつけろ!」「部下と対話しろ!」「プレイヤーとしても働け!」「オペレーションも管理しろ!」「残業は減らせ!」経営から管理職に降ってくるオーダーは増える一方です。期待役割は増えているのですが、管理職教育の投資は良くて横ばいです。期待役割が増えれば、当然、必要になる能力やスキルは増えます。それに伴い、トレーニングする時間や予算が増えてしかるべきなのですが。。。外資系企業では管理職を一般社員の延長上とは捉えていません。だから管理職となるべき人をしっかり選別し、専門的なトレーニングやジョブアサインメントを通じて、マネジメントスキルを高めようと努力します。
その一方で、日本の管理職は新任管理職研修をよくて2日間程度実施するのみです。研修内容も、労務管理や評価者研修などにとどまります。かくして多くの管理職は自分の上司をモデルに学ぶしかありません。しかし、上司が管理職をやっていた時代は、もちろん現在のような複雑性、広範囲な役割は期待されていませんでした。極論すると「義理と人情と根性」という前近代的なマネジメントでした。
チームでマネジメントする
管理職にしっかりトレーニングをすることは重要ですが、それ以上に大切なのはマネジメントをチームで行うことです。私が愛する横浜F・マリノスは今年のキャプテンを三人制にしました。キャプテンが三人?ということで違和感を持ったファンもいたかと思います。しかし、私はとてもいい試みだと感じました。誰か1人が引っ張るというのは、負担が大きいからです。リーダーシップ研究でも、リーダーシップは誰か1人が発揮するのではなく、全員が発揮する方が成果を発揮すると最近は考えられています。職場も同じです。期待役割を全てを1人で担える管理職はスーパーな人材です。仮にそんなスーパーな人材がいたとしても、長期間そんなストレスフルな状態が続けば心身を壊してしまうでしょう。だから、チームでマネジメントする体制に移行することが望ましいと私は考えています。