ビジネスパーソンの育成には3つの手段があります。研修、自己啓発、OJTの3つです。OJTはOn The Job Trainingの略で、職場で業務を通して行う教育訓練です。日本企業が昔から得意としていた教育手法でもあります。今日はそのOJtのお話です。
OJTが機能するために大切な4つのこと
OJTが機能するためには4つのポイントがあります。
- 教える内容
- 教しえる相手への関心
- 教える人の教え方
- 時間
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以下、一つひとつ解説していきます。
教える内容
「教える内容」なんて当たり前と思われるかもしれませんが、意外に統一されていないことがあります。A先輩とB先輩では教える内容がバラバラなんていう職場もあります。これは仕事の標準が決まっていないということです。解決方法はマニュアル等を整備することです。またマニュアル自体も1度作ったものを後生大事に使うのではなくて、絶えず改定、改善する仕組みが必要です。どんな仕事でも作業標準というものは最初にあります。しかし、その作業標準と実際の仕事にGAPが生まれ、「こうやったほうが早くできる」「こうやったほうが楽にできる」と現場で働く人が創意工夫した結果、標準が崩れ、仕事が属人的になり、前述したようなA先輩とB先輩で同じ仕事なのに、教える内容が違うという事が発生します。
教える相手への関心
次に大切なのは、教える相手つまり部下・後輩に対する関心です。人それぞれ強み弱みも違いますし、仕事の習熟度も違います。考えてみれば当たり前のことですが、当たり前のことが麻痺するのが職場です💦
教える人>>>>>教わる人、師匠と弟子、みたいな徒弟制度や体育会系に近い感覚が日本企業には多いようにも見えます。その感覚がいきすぎると パワハラにつながるように思います。
教える人の教え方
教え方ももちろん大切です。もちろん教えるプロではないので、素晴らしい教える技術を持ち必要はありません。教え方の種類を増やすことを意識するが重要です。野球のピッチャーであれば、ストレートを投げるだけでなくカーブやフォークも投げれるようにすることです。教える相手も自分と同じようにストレート好きならいいですが、ストレート投げ込んでも反応が鈍い人がいます。「俺がこんなに丁寧にど真ん中にストレート投げているのに、なぜお前は打ってこないだ!」と教える側は怒り悩みますが、教わる側が待っていたのはカーブだったなんてこともあります💦 具体的には、「ティーチング」「コーチング」「振り返り」の3つをまずは意識するといいでしょう。
時間
働き方改革の現代においては、もっとも悩ましいのは時間です。人が育つには時間がかかるんです。上司と部下が一緒に働く時間。長期雇用の安心感。世代を繰り返す時間。。。長時間労働がいいと思いませんが、上司と部下が働く時間が長かったからこそ学べることもありました。特に仕事への姿勢や仕事観。これらは、すぐに役立つことではありませんが長く役立つことでもあります。すぐ覚えられることはすぐ他の誰かにとってかわられますから。
長期雇用も育成と大きく関連します。仕事に習熟することが自分の収入増、生活の安定に繋がるとイメージできれば仕事を習熟しようとします。企業側でも長く働いてもらって、教えた分は投資回収できなければ仕事を教えさせようというマインドは働きません。
世代を繰り返すことで、教えることが文化になります。繋がっていくことが前提にOJTは成り立っていたりまします。
でも、もうこんなに時間を贅沢に使える時代ではなくなったようにも思えます。時間がない前提で人が成長する仕組みをデザインする時代に突入したのだと私は感じています。