ビジネスパーソンは一人だけで完結する仕事は僅かです。大なり小なり周囲の人々の力を借りて仕事をすることになります。今日は人に仕事を任せる、お願いするときに気をつけることについて考えてみたいと思います。
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仕事を依頼することに躊躇しない
私は管理職になった今でも部下に仕事を依頼するときに心理的には遠慮があります。特に私が苦手な単調な仕事や細かい仕事をお願いするときです。この悪癖はまだ残っていて、部下から「クマ坊さんそれ私しましょうか?」と気を遣わせてしまう始末です。さすがに仕事を依頼せず自分で抱え込むことはしなくなりましたが。
依頼を躊躇することはよくありません。人には得意・不得意があります。私は私が得意な分野で職場やメンバーに貢献しようと決めてから精神的に楽になりました。私が不得意で部下が得意な領域はどんどん任せたほうがいいんですよね。
これは管理職でない人にも当てはまります。真面目な人ほど、責任感が強い人ほど、優しい人ほど他のメンバーに仕事を依頼することを躊躇されると思いますが、仕事を任せることも頭の片隅に止めておいたほうがいいです。そうしなければ、仕事を抱えすぎて本人がパンクしてしまいます。仕事で心身を害するのは悲しいことです。
大切なのは仕事の依頼の仕方をマスターしておくことです。相手も忙しいときに余計な仕事を増やされたら気分悪いでしょうが、依頼の仕方一つで受け取られ方もだいぶかわってきます。
相手の立場に立って情報を提供する
他者に仕事を依頼するときにポイントはたった一つです。「相手の立場にたって考えること」です。仮にお願いする仕事が相手の得意なことだとしても、時間的に余裕がないときにお願いされても無理ゲーです。だからまずは相手の状況を観察して、相手の無理のない範囲でお願いすることが基本です。そのためには普段からコミュニケーションをとっておくことが大切なのは言わずもがなです。その前提を踏まえた上で私が気をつけている事は「仕事の目的と求める成果と仕事内容を説明する」ことです。
仕事を依頼する時は心理的な遠慮もありますし、そもそも作業の一部をお願いすることが多いので作業内容だけを伝えて終わりということもあるのではないでしょうか。しかし、仕事の目的や成果のゴールイメージを伝えておかないと、やってもらった仕事の方向性にズレが生じます。例えばコピー一つとってみても、メンバーの打ち合わせ用の資料なのか、経営会議で使う資料なのか、お客さまとの打ち合わせ資料なのかによって作業の仕方は変わります。白黒コピー、カラーコピー、製本の仕方、紙質・・・
目的やゴールイメージを伝えることで、仕事を任せた人からアイデアを貰うこともできます。「その目的であれば、もっとこうやってみたら」「違った作業方法のほうが効率がいい」とか。依頼したこと以上の品質の仕事をしてくれることもあります。だからこそ、仕事を依頼する際は丁寧な説明が必要です。
感謝の気持ちをしっかり伝える
相手が仕事の依頼を受けてくれた時、仕事を遂行してくれた時にお礼をいうのは当然ですが、依頼した作業の仕事をいつ受け取るのかとか、依頼した仕事で不明な箇所が出たらどう対応するのかといったことを決めておくことも大切です。その際、自分がどんなアクションができるかも伝えておくべきです。さらに仕事が完了した際には、相手に依頼した作業がどんな風に役立ったかもフィードバックしておくと良いです。フィードバックといっても、ちょっとした一言でいいと思います。相手も自分の仕事や作業が最終的にどんな風に役立ったのかが分かると嬉しいと思います。
今回の仕事の依頼の仕方は丁寧すぎるかもしれません。仕事なんだから任せて当たり前、それで給料もらっているんだからという人もいるかもしれません。私も若い時は問答無用で仕事振られたことありましたから。でも、私はそんな乱暴な仕事の仕方は御免ですね。チームで仕事をするからこそ、相手への敬意や配慮は大切だと思います。