クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】読書の力

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皆さんは月に何冊ぐらいの本を読まれますか?私は月3冊から5冊といったところです。学生時代から読書は好きだったのですが、大人になってから意識的に読書習慣をつけるようにしました。今日は読書と人材育成の関係について考えてみます。

本を読む人は、2人に1人

少し古いデータですが、文化庁が平成30年度に行なった調査「国語に関する世論調査」によると、1か月に一冊も本を読まない人は、47.3%。ほぼ半数の人は本を読んでないことになります💦また、同調査で「人が最も読書すべき時期はいつ頃だと思いますか?」の質問では4割の方が10代だと答えています。大人になればなるほど読書する大人は少なくなっているのが実態です。電車に乗っていても、読書よりもYouTubeや動画、ゲームしている人が多いですよね。私自身もYouTubeポッドキャストを通勤中は聞く機会が増えました。面白いし、聴きやすいですしね。でも、NO活字はビジネスパーソンにとっては成長の側面においてお勧めできません。

 

読書のメリット

ブロガーの皆さんはもうお気づきですが、読書には2つのメリットがあります。

  1. 見聞が広がる
  2. 理経験から学べる

読書によって見聞を広げることは、人類が過去から行ってきた行為です。見聞を広げることは、頭の中の地図を広げていくことに似ています。地図は迷子になった時に便利ですよね。また、遠くの場所に移動する際も重宝します。これは、人の成長でも同じことが言えます。自分の現在地はどこか?どちらに向かって歩いていきたいのか?歩いていく方向にはどんな危険があるのか?自分の成長を考えるときに、頭の中の地図が広いに越したことはありません。

次に代理経験から学べる点でも、読書は有効です。このブログでも何度もお伝えしているように、人の成長の7割は経験です。しかし、この経験というのは時間とコストがかかります。人生は有限。全ての経験を積むことはできません。そこで有効なのが読書です。他者の経験や思考を代理経験することで効率よく学べることができるのです。

 

20年で読書量は800キロの差がつく

令和元年の首都圏のビジネスパーソンの通勤時間は平均往復100分です。就業日数を200日で計算すると、通勤だけで20000分。時間だと333時間。一冊読むのに3時間かかったとすると年間111冊。単行本の重さを400gで換算すると一年間44.4キロの本を読めることになります。22歳から読み始めて40歳になる頃には800キロの差が出ることになります。読書習慣があるなしで、これだけの差がつくわけです。

 

一分野多読

コンサルタントの先輩から、若い頃に「同じテーマに関して、関連する書籍を10冊読めば分かるようになる」と教えられました。10冊ぐらい読むと、どの本にも書かれている共通の内容が見えてきます。そうすると、その領域で普遍性の高い情報を獲得することができます。

 

月に一度は図書館、月に一度は大型書店

本はほとんどAmazonで購入しますが、購入する前のルーティンにしているのが、図書館や大型書店を月に一度はブラブラすることです。本との偶然の出会いは重要です。ネットだけだと自分のアンテナに入ってくる本ばかりに注目しがちです。自分の仕事とは異なる分野もぶらぶらしてると、思わね本に出会えることがあります。それが、また私の頭の中の地図を広げてくれます。

 

 

【人材育成】68000時間の使い方

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ビジネスパーソンの成長の7割は仕事経験です。ビジネスの力を伸ばそうと思ったら社外の時間ではなく働いている間にいかに成長するかが大切になります。

68000時間

60歳まで勤めあげるとすると、私たちは68000時間を職場で過ごすことになります。小学校から高校までが14000時間と言われていますから、職場で過ごす時間がいかに長いかが分かります。ビジネスパーソンの成長の7割は仕事経験ですから、働いている時間にいかに学ぶかは成長において重要です。

 

背伸びの経験

以前の記事にも書きましたが、今日の背伸びが明日の日常になります。新人の頃は全てが初めてですから、やること全て背伸びの経験です。経験の分岐点になるのは、仕事に慣れた三年目から七年目にどんな仕事経験をするかです。この頃になると新しい経験が少なくなります。管理職としても、生産性を高めるには習熟した仕事をアサインしがちです。ますますマンネリ化します。望ましくは、成長分野の事業経験、部門横断型プロジェクトの経験、新規事業開発の経験など、ストレッチかつ不確定要素の高い仕事経験できると急成長に繋がりやすいです。

 

チャンスを掴むは大変な時代

ただなかなか、そのようなチャンスは巡ってきません。かつて日本が好景気だった時代はどの職業にも、どんな業界でも、そのような機会は溢れていました。勤勉さがあればそれらのチャンスを掴むのはそれほど難しくはありませんでした。今は成長している企業も限られるので、チャンスを掴むのは大変です。

 

いい仕事をしないと、チャンスは巡ってこない

成長に繋がるようなタフな仕事経験はチャンスが限られます。そのようなチャンスを手にするには、眼前の仕事で成果を上げ続ける他ありません。しかもできるだけ早く。ルーティンの仕事を効率化するなどして、空き時間をつくり、さらに難易度の高い仕事に挑戦していく。運の要素も多分にありますが、本人のハードワークも必要です。私は幸運にも27歳から35歳まではハードワークしてました。今、振り返るともうあんなには仕事できません💦 それもイヤイヤ仕事していたわけではなく、仕事するのが面白くてたまらない状態でした。胃が痛くなるような場面もありましたが、それすらも楽しんでいました。人の出会いに恵まれていただけなんですが。68000時間をどのように過ごすのか?35歳までの初期キャリアをどのように過ごすかはビジネスパーソンにとって考えどころです。

 

【人材育成】吉野家「生娘をシャブ漬け」発言に唖然とした

news.yahoo.co.jp

企業風土が透けて見える

ネットニュースを見ていたら耳を疑うようなニュースが飛び込んできました。吉野家の取締役が早稲田大学の社会人向けマーケティング講座で、自社の若年女性向けマーケティングを「気娘をシャブ漬け戦力」と発言したという内容でした。文字を見ただけで嫌悪感を感じる内容を嬉々として話すところに異様さを感じます。

P&G出身でそれなりに成果を上げてきたようですが、この発言を聞くととても優秀な人材には見えません。吉野家もこんな人物を取締役に据えるとはいい加減な会社だなと思いました。こういう人物を許容する企業風土なのでしょう。この時たまたまの発言ではなく、普段からこの種の発言はしてただろうし、誰も鈴をつけれなかったように感じます。

ディレメンタルリサーチ

アメリカの調査・教育機関であるCCLはリーダーシップに関する研究で有名です。そのCCLで興味深い調査が実施されています。入社後、順調に業績を上げ、部長、事業部長クラスまで昇進しながらも、更なる業績を上げられず降格してしまった人にインタビューを実施しました。失敗した理由の第一位は変化に適応出来なかったです。P&Gでマーケティングを極め成果を出していた自分への過信、驕りがあったのではないでしょうか。P&Gから吉野家への変化、社員から取締役への変化に対応出来なかったのでしょう。

現場の社員が可哀想

現場の社員はたまったものではありません。一杯一杯、目の前のお客様に全力で尽くしきたからこそ、今の吉野家があります。現場もお客様も見ずに、数字データだけ捏ねくりまわしている自称マーケッターに築きあけた信頼を数秒で破壊されたわけですから。

この事象を取締役だけの不適切発言で終わらせるのか、企業風土やガバナンスの問題として真摯に向き合うえるかで吉野家の未来は大きく異なるように思います。

【人材育成】新入社員研修で伝えてる事

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先週でやっと新入社員研修ラッシュから解放されました。この時期は講師不足なので、ラインマネジメントは中断して研修講師業に集中しました。現場はやはりいいなーと感じた2週間でした。ほとんどがリアルな対面研修でした。最近は、オンラインがほとんどなので、久しぶりの対面研修の連続で足腰が筋肉痛です💦この仕事が頭脳より、身体を使う仕事だという事を思い出しました。さて、今日は新入社員研修のお話です。

トランジションを支援する

新入社員研修の目的は、ビジネスマナーや仕事の基本を身につけることではありません。大切なのは、学生から社会人への移行、すなわちトランジションの第一歩を支援することです。昨日まで学生だった人間が、1日や2日の研修を受けただけで社会人にトランジションできることはありません。そもそもトランジションには時間が必要ですから。大事なのは、そのトランジションにかかる時間が少しでも短くなるように支援してあげることです。ビジネスパーソンの成長の7割は経験に起因します。経験から成長できるように、良い経験を呼び込めるように、勇気を持って主体性を発揮できるように。それらの事を私は伝えるようにしています。

 

振り返る習慣

このブログでも何度も書いていますが、成長の鍵となるのは経験を振り返る力です。同じ経験をしても、成長に差が出るのはこの振り返る習慣のあるなしが大きく影響しています。新入社員には理論的背景を伝えた上で、研修中何度も振り返りを経験させるようします。1日だと厳しいですが、2日あれば振り返りの習慣の入口まで誘うことは可能です。

 

他者と繋がる

新入社員はここが一番難しいかもしれません。新入社員からすると、これまでは同年代、同質の価値観の人間と多く接してきました。SNSを使いこなすことで、昔より多くの人間と繋がることができるようになった反面、SNSは同じような価値観をより強固にしているように見えます。一方、多くの職場もリモートワークが進みリアルな接点が減りつつあります。他者と繋がるのが得意でない新入社員と、他者と繋がりずらくなった職場環境。結構、これは大変なことです。他者と繋がるためにも、日々の小さな行動の積み重ねが問われる時代であることを説くようにしています。

 

1日1%の成長

今日の背伸びが明日の日常になります。成長には適度な背伸び、すなわちストレッチ経験が必要です。ただ、どれだけストレッチするかは人によって異なります。新入社員には自分ができる範囲で、1%で良いので努力することを伝えています。1日24時間なので、1%は時間換算だと15分です。15分でいいので自分の成長に費やし、それが1年、3年経つと大きな差に繋がることも強調するようにしています。

 

やりたい事、感謝される事にチャレンジする

いくら「振り返り」「他者との繋がり」「1日1%」が大事なことだと分かっても、やる人やらない人に分かれます。いくら為になることでも、本人の動機とリンクしなければ1ミリも動きません。一番いいのは仕事=自分が好きなことの場合です。こういう環境下の人はラッキーです。しかし、そんな新入社員は少数派でしょう。だから、仕事にモチベーションを見出せない人は、他者に感謝されることを目指して最初は頑張ってみることを提案しています。他者から感謝されると嬉しいです。十分な成長のモチベーションの源泉となります。

 

社会人は上手くいかないこと、理不尽な出来事に溢れています。しかし、それでも自分が思ったようには生きられるものです。新社会人、頑張れ!

【人材育成】どこまでストレッチするか問題

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ビジネスパーソンの成長に必要なのは、背伸びです。背伸びなくして成長はありませんし、学びある所に背伸び有りです。しかし、どこまでストレッチするかで、部下と上司でコンフリクトが起きがちです。今日は学びのストレッチについて考えてみたいと思います。

どこまでストレッチするか問題

上司と部下の間でギャップが起きるのは、「どこまでストレッチするか問題」です。上司としては、適切なストレッチだと思い込んでいるのですが、部下からするとストレッチを越えてもはやパニックを引き起こす程になっている場合があります。何故そのような事が起こるかというと。。。

  1. 経験への過信
  2. 観察不足
  3. 対話不全

 

経験への過信

一番悩ましいのは、管理職自身の経験への過信にあります。管理職が部下の育成を考える時に大きな影響を与えるのはご自身の経験です。自分自身の成長経験や部下育成の経験です。それらを基準として、現在の部下と比べてしまいます。過去の成功体験を基準にして、「○年目であれば、○○ぐらいは出来るはず」と背伸びを設定します。過去の経験に基づいて、どこまでストレッチさせるかを決めるのは決して悪いことではありません。問題は想定していたような成長が見られない時の対応です。

 

観察不足

管理職が想定してのと、違う結果が出てくることがあります。管理職自身からすれば、「決して難しいことを私はお願いしていない」「なんで言われことをやらないのだ?!」「真剣に取り組んでいないのではないか?!」と部下を責めがちです。実際、上司が指摘するように部下側のやりきる力や真剣さが不十分なことが多いです。しかし、さらにもう一段突っ込んで「何故、やりきれないのか?」「なぜモチベーションが上がらないのか?」「自分が設定したストレッチ自体に無理がなかったか?」など観察することが求められます。人は見たいものしか見えないので、難しいことではありますが。。。

 

対話不全

近年はOne on Oneなど上司と部下が話し合う機会は増えている職場が多いように見えます。しかし、対話の質はどうでしょう?部下からすれば、上司から出来ない奴の烙印は押されたくないですから本音は漏らしません。どれだけ上司と部下の間で信頼関係が築けているかが重要ですし、対話の際にどんな問いかけができるかも大切になります。最終的には学びの主導権は部下本人の手にありますから、いかに部下が主導権を握りやすくしてあげるかです。その為の観察と対話のスキルです。