クマ坊の日記

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【マネジメント】本能型か知略型か

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私はマンガもよく読みます。好きなマンガの一つにキングダムがあります。キングダムは中国の春秋戦国時代が舞台です。当然、作中には多くのキャラクターが登場します。その中でも、個性豊かな将軍が持ち味を発揮して合戦を繰り広げる場面は、作品中の見せ場でもあります。今日はキングダムで描かれる将軍を見ながら、現代のマネージャーについて考えてみたいと思います。

 

知略型と本能型

キングダムの中では、将軍を知略型と本能型に分類しています。知略型とは文字通り知略を駆使して敵を倒していきます。その特徴は冷静に論理的に戦略を組み立て実行していきます。現代のマネージャーで言えばコンサルタント思考に長けた切れ者マネジャーでしょうか。一方、本能型の特徴は経験と勘で突き進みます。現代で言えば現場で叩き上げのマネージャーでしょうか。

作品の中では、両方を使いこなすキャラクターもいますが、稀な存在です。現代のビジネスにおいても両方をバランスよく持っている人は、ごく僅かです。いつの時代も両方を併せ持つ人は貴重です。

平時に強い知略型

通常、社内で評価が高いのは知略型のマネージャーです。冷静に理論立って戦略が描けるということは、周囲も理解しやすいということです。周囲が理解して動いてくれれば成果が出せる可能性も高まります。一方、本能型は経験と勘ですから周囲からすると理解しづらいです。最も近しい距離感にいる人は、その経験と勘の凄さを身をもって理解しているので、熱烈な支持者にもなります。

有事に強い本能型

しかし、状況が変わると人への評価も変わります。有事においては、知略型より本能型のマネージャーの方が重宝されるかもしれません。不透明な時代においては、綺麗な絵を描くことは難しいです。スティーブ・ジョブズイーロン・マスクような天才が未来を予測して、戦略を考え、イノベーションを起こしていくような幻想がありますが、実際には当事者が思いもしない方向に変化し、それに対応できた人や企業が生き残っていくようにも思います。コンテナ物語という、物流革命の変遷を書いた本があります。その本を読むとそんな風に考えてしまいます。

不確実な時代においては、理論的な分析が役に立たず、本能の赴くままに、突っ込んでいける本能型のマネージャーの方が成果をあげるかもしれません。

チーム型

キングダムに登場する将軍の中で実は最強ではないかと私が考えるのは、蒙鷲将軍です。本人は武力が強いわけでも、知略に優れている訳でもありません。遣えた国々で結果が出せず、秦国に拾われて将軍まで登りつめます。この将軍は自身のスペックは低いですが、一つだけ優れている点があります。自分より優秀な人材を発掘し登用する才能です。もちろん本人にも、人としての魅力がないと部下も慕ってくれません。自分の足りない部分を、優秀な他者に頼る、頼れるというのが不確実な時代の最強なマネージャーだと私は考えます。