クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】人材育成支援のプロが教える、効果的な研修設計法

f:id:kumabou2016:20231213132854j:image

私の生業は企業の人材育成を支援することです。イメージしやすいのは、管理職研修や新入社員研修の企画・実施になります。今日は研修設計のお話です。

喜んで研修を受講する社員は、ほぼいない

大抵の会社では、人事部が研修を企画し、受講者は指名されて研修を受講することがほとんどです。学生から社会人、プレイヤーから管理職など節目節目で企画される場合が多いです。受講者の立場からすると、人事部に呼ばれて渋々受講するケースが多いです。これは登壇する立場からすると、非常に厄介です。「研修」に対する動機づけがゼロ、もしくはマイナスからスタートするわけですから。そのような状況を理解して、教える側は研修を設計しなくてはいけません。

しかし、多くの講師はそのような状況を理解しつつも、学校スタイルの研修を展開してしまいます。学校スタイルとは、教える内容をよく知っている先生から、内容について知識を持たない生徒へ伝える形の教え方を指します。

大人の学びは、子供と違う

小学生や中学生であれば、知識・情報について真っさらなので、従来の授業スタイルでも通用した面もあります。もっとも、最近は子供でも色々な特性があるので、それぞれの子供にあった教え方が必要ではあるのですが。

話を大人の学びに戻しましょう。大人と子供の学びの最大の違いは、大人には「経験」があるという点です。「経験」に基づいた判断尺度や価値観がある点です。そのため、自ら「この知識や情報は有益だ」「学ばなくてはいけない」と気づいてもらわなければ、学習はスタートしません。それにもかかわらず、学校スタイルで講義をスタートさせても、右から左へ聞き流される一方です。

まずは体験させる

そのような状況を回避するのに、最も簡単な方法は、いきなりケーススタディや個人で考える課題等をやらせてみることです。受身で講義を聞くより、まずは能動的に自分で考えてみる、仲間と討議する方が楽しいですから。考えることで、個々人で疑問点が生まれます。体験を通して、受講者は勝手に個々で聞きたい情報を取捨選択できているわけです。このように、受講者の聞く体勢を整えてから、講義した方が理解度が進みます。もっとも、何でも体験させればいいというわけではありません。お題が簡単過ぎても、難しすぎてもいけません。能力よりもちょっとストレッチした体験をさせるのが、プロの技になります。