クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】いかに多くの選択肢に気づかせることが出来るか

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今日もメンバー育成の話です。私自身も現在、2回りも歳が離れているメンバーを育成中です。もっとも、彼女は優秀なので育成は楽です。気をつけているのは、自分の経験や価値観に引っ張られないようにすることです。今日は育成の巧拙が出やすい、振り返りのお話です。

仕事をアサインする

方針翻訳して自部門のありたい姿と戦略を打ち出し、メンバー個々の期待役割を伝え、メンバーを理解に務め、自己開示交えながら信頼関係を構築できるようになってくると、やっと本格的な育成に入っていけます。私自身はこのような下地が出来上がるまで1ヶ月ぐらいかかります。その間、メンバーは上司をずっと観察しているわけです。メンバーからすれば3日で上司を見定めるのでしょうが、上司としてはどんなアプローチしたらいいか探り探り進めます。メンバーの成長の原資は、仕事経験です。メンバーの能力より、少し背伸びした経験を与えられるかが鍵になります。仕事をアサインするのが難しいのは、メンバーの能力も、アサインする仕事の難易度も目に見えないからです。特に仕事の難易度は見誤りがちです。熟達者は自分の物差しで難易度を考えるので、メンバー側からすると、背伸びどころか無理ゲーに近い仕事アサインだったりすることもあります。こればっかりはメンバーに聞くほかありません。もっとも評価者である上司に、弱みを見せたくないメンバーがほとんどなので、言葉以上に反応を観察することです。もう一つ悩ましいのは、職場は人を成長させる場所ではなく、成果を求められる場所だということです。生産性を考えたら、メンバーにやらすより、自分でやった方が早いというケースがでてきます。そこで、どこまで辛抱して、メンバーを見守ることが出来るか。どのラインを超えたら、自ら介入するのか。その判断が悩ましいです。短期、中期で職場をどのようにしたいか方針を立てて置くと、判断がしやすいように思います。

振り返る

ストレッチした仕事経験をメンバーに積ますことが出来たら、次はいかに経験から教訓を抽出させられるかです。成長速度が早い人は、この振り返りのスキルが高い人です。でま、普通の人は振り返りを行うのが難しいです。自分の経験や価値観に基づいてしか振り返れないからです。そこで登場するのが上司です。メンバーが気づいていない視点を提供できるかが問われます。その手順てしては5つのステップを踏みます。

  1. 出来事を振り返る
  2. 自分を振り返る
  3. 本質への気づき
  4. 選択肢の拡大
  5. 背中を押す

出来事を振り返るは、まずは事実を振り返ると言うことです。どうしても弱みや課題に目が行きがちですが、上手くいったことも一緒に振り返るのが大切です。次にその出来事が起こった時に、メンバーはどんな考えだったのか?どんな感情だったのかを聞いてあげることです。言語化するのは難しいので、メンバーが言葉に詰まった時は合いの手を差し伸べたり、逆にメンバーが話しだすまで沈黙を耐える必要があります。良い行動を再現する上でも、失敗体験を回避するためにも、自分の行動の解像度をあげることが大事になります。

選択肢を拡大する

このような振り返りは、1on1のような個人面談で行われます。その時、管理職はメンバーの話を聴くことに集中する傾向があります。ただ、選択肢を拡大する際には、上司からメンバーに具体的なアドバイスを与えた方が効果的です。選択肢が浮かばないから苦労しているわけで、そんな状況で上司から「どう思う?」と質問されても困惑するだけです。選択肢は出しつつ、何に取り組むかの意思決定は本人に任せることです。そして最後にメンバーの背中を押すことです。背中を押すとは、次までに何するかを決めて、追いかけ続けることです。