クマ坊の日記

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【経営】1500記事達成!日本企業のエンゲージメントの低さの理由について考える

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日本企業で現在HOTなキーワードに人的資本開示があります。名前の通り、経営にインパクトを与える人的資本を開示することを目的としています。当然、次に来る疑問は何がインパクトを与える人的資本なのか?ということです。そこで注目を浴びているのが、従業員のエンゲージメントになります。今日は日本企業のエンゲージメントについて考えてみたいと思います。

エンゲージメントとは何か

Engagementとは、「婚約」「誓約」「約束」などの意味を持つ英単語です。私も10年以上前に、結婚式で誓いました。「新郎あなたさ〇〇を妻とし、健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しい時も、妻を愛し、敬い、慰めあい、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」と問われるやつです。ここで誓うのは、過去でも現在でもなく未来に対する約束だという事です。では、従業員のエンゲージメントとはいったいなんなのでしょうか?これも、会社と従業員の約束になります。契約書のように明文化されてはいません。あくまで、心理的契約です。この会社に勤めていれば将来、成長できる、キャリアアップできる、ちゃんと処遇される等々です。

日本企業のワークエンゲージメントは低いのは仕方ない

国際比較で日本のワークエンゲージメントの低さはたびたび指摘されます。2021年の経済産業省の資料を見てもダントツに低いです。会社に勤めている身としては納得できる部分もあるし、何でアメリカはそんなに高いの?ポジティブ思考な人ばかり?国民性?など不思議に思う点もあります。
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でもよく考えてみると、構造的に日本よりアメリカの方が、ワークエンゲージメントが高いのは当たり前だったりします。それは人事制度を見れば明らかです。ジョブ型なアメリカと、メンバーシップ型の日本の違いです。ジョブ型ですから、個人も自分のジョブを突き詰めていきます。マーケティングの専門家であれば、職種は変えずにジョブホッピングしていきます。私の好きなサッカーに例えれば、JFLJ3→J2→J1→海外とジョブホッピングしながらキャリアを高めていきます。そして、平均勤続年数は4年です。結婚に例えるなら、4年に一度は結婚と離婚を繰り返しているようなものです。しかも、業績上げれない社員は解雇もされます。基本的にキラキラ、ギラギラした社員が多くなるように思います。

一方、日本企業はメンバーシップ型の人事制度がまだまだ多いです。職種はあらゆることをやらされます。昨日までサッカーだったのに、明日から野球、次は相撲。転勤もあるので勤務地も会社都合で変わります。変わることが良いキャリアに繋がることもあれば、不本意なキャリアチェンジを強いられこともあります。また、長期雇用が大前提です。平均勤続年数は12年。雇用が安定している一方で、自分の意にそぐわない仕事もしなくてはいけません。結婚と同じで新婚の頃はトキメキがありますが、長い年月を経て味わい深さの方が際立つのは自然だと思います。とは言えOECD諸国で最もエンゲージメントが最下位であるのは問題ではあるのですが。

記事の内容とは関係ありませんが、今回の記事で1500記事達成しました。読者の皆さまのおかげです。いつもありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。