クマ坊の日記

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【book】才能をひらく編集工学 世界の見方を変える10の思考法

 

今日は本のご紹介です。若いビジネスパーソンにお勧めの一冊です。「才能をひらく編集工学 世界の見方を変える10の思考法」です。編集工学と書いてありますが、編集のテクニカルな話ではなくて思考法に関する内容です。

松岡正剛

編集工学という分野を作ったのが松岡さんです。私はこの本を読むまで存じあげませんでした。70年代にオブジェマガジン「遊」を創刊し、先鋭的な編集技法と情報量で、当時の文化人に影響を与えたそうです。この編集工学という耳慣れない言葉は、電電公社がNTTに民営化される際の記念プロジェクトとして誕生しました。そのプロジェクトの目的は、「情報と呼ばれるものの一切の歴史を編集するもの」というものでした。象形文字から人工知能まで、あらゆる情報を網羅した内容だったそうです。時代はバブル真っ盛り、この頃はお金もゆとりもあった時代です。企業の文化活動も面白いものが沢山生まれたように思います。この本は、松岡さんに師事した安藤さんによって書かれた本です。

お勧めポイント

ビジネスでよく使うロジカルシンキング、本の中では分けて考えると表現していますが、それ以外にアナロジーアブダクションアフォーダンス、ナラティブ、アンラーニングなど様々な思考法が平易に書かれている点です。ちょっと書きっぷりは口説い感じもしますが。また、この本が最も良いと感じたのは、それらをトレーニングするメソッドについても記載されている点です。

思考の柔軟性も重要

私は職業柄多くの企業に伺います。そこで会う人々はみなさん優秀です。ただ優秀が故に、その会社や業界、職種に最適化された思考パターンに陥っている人もたくさんいました。生産性もあがりますし、個人の評価も高まるので脳を現在の仕事に最適化するのは当然です。しかし、変化が激しい時代なのでその強みが、見えない限界を形成している時があります。個人も組織も。思考法で得意技がある事は大事です。それと同じぐらい思考の柔軟性を身につけておくのが重要だと私は考えます。この本は、そんな思考の間口の広さを分かりやすく伝えてくれる一冊です。