クマ坊の日記

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【マネジメント】転勤を受けてくれる人がいない

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先日、人事部部門の責任者と転勤の話題で盛り上がりました。その会社では、正社員は全国転勤があるのですが、最近の20代、30代の社員で転勤拒否する若手が増えてきている。転勤を強行すると、会社を辞めてしまう。そのため、転勤を受けてくれる社員を見つけるのに一苦労するとのことでした。今日は転勤について考えてみたいと思います。

転勤するなら転職

最近、同様な悩みを聞く機会が増えました。ネットで調べてみると、2019年のエン・ジャパンが自社の転職支援サービスを利用するユーザーにアンケートを取っていました。結果は6割以上が転勤が転職のきっかけになると回答しており、若い世代程、その傾向が強いとのことでした。やはり、局所的な話ではなく、全体傾向としてもそのようですね。

6割以上が「転勤は退職のキッカケになる」。承諾する人の条件、拒否する人の理由とは?|人事のプロを支援するHRプロ

企業と個人の関係性の変容

多くの会社で就業規則に「業務の都合により、配置転換や、転勤を命じる場合がある」と明記され、入社前にも説明は受けていますが、転職拒否は絶えません。良い悪いではなく、働く人の価値観が多様化しているのだなと思います。私は就職氷河期世代です。仕事とプライベートを分けて考えるようになった走りです。しかし、子供時代に昭和や平成の価値観にどっぷり浸かってきましたから、自分の居場所を確保するためにも、転勤が嫌でも、会社の命令には従うのが当然と考えもありました。そんな自分からすると、転勤拒否が普通になっている現在の状況は驚くばかりです。ただ、企業と働く個人の関係が、従来の主従関係から対等に近く変容してきているだなと思います。

転勤理由を丁寧に伝えられるか

個人の価値観に関わる事柄だと、いくら説明しても無駄でしょうが、それでも会社側は転勤する理由を本人に説明できなければいけません。何故転勤なのか。転勤先でどんか働きを期待しているのか?転勤が本人のキャリアにとってどんな意義があるのか? 転勤は本人にとっても、本人を取り巻く家族にとっても大きな影響を与える一大イベントです。だから本来は、そこまで考えて理由をしっかり伝えられるのが、理想の人事の在り方です。今では、そんな人事責任者も少なくなりました。昔はかなりの大企業でも、そのような事が語れる人事責任者がいたものです。現代は、タレントマネジメントシステムを活用して対応するのでしょうが、人への関心を持つことは今も昔も変わりません。

リテンションからアトラク

働く個人の価値観がこれだけ変容してくると、人事の方針自体を見直す時期に入ってきたのでしょう。小難しいことは言わずに、乱暴に一言で言うならリテンションからアトラクトです。社員が辞めないように施策を打つのではなく、社員を惹きつけて止まないような魅力的な人事施策に方針転換するぐらいしないと、人は獲得できない時代に入ったと考えます。