クマ坊の日記

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【マネジメント】昨日を終わらせる仕事は、撤退時が難しい

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「明日を創る仕事」「今日を生き抜く仕事」について書いてきましたが、今回は「昨日を終わらせる仕事」です。私の時間でこの仕事に費やしているのは1割です。しかし、悩みの深さは脳の半分を占めています。正直、ここに関しては私も初めての経験なので、まだ考えが整理されていません。皆様に参考にならないかもしれませんが、書き進めてみたいと思います。

 

 

存続か撤退かそれが問題だ

以前、記事に書きましたが昨年からある新規事業も兼務しています。客観的に眺めると、筋の悪い新規事業でなんで立ち上げた?という事業です。会長の鶴の一声で立ち上がりました。これまでは、達成率が数%でした。利益は大赤字です。新規事業ですから数字が悪いのは、さして驚かないのですが将来性が見えないのが問題です。このような事業なので撤退するのが最善の策ですが、そうもいかない理由があります。トップが発案した事業なので、誰も撤退を進言できません💦また、この事業で働いているメンバーもいます。彼ら彼女らのキャリアの問題もあります。

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ウルトラCのアイデア

会長の面子を潰さず、メンバーにとってもハッピーで、事業自体もソフトランディングできる手はないものかと考えました。考えて、考えて、考え抜いたらウルトラCのアイデアを思いつきました。今の事業の進め方では未来はありませんが、他事業部で進めているプロジェクトとは相乗効果が見込めるように思いました。早速、その担当部門の責任者にアイデアを話しました。総論は賛成してくれましたが、各論は反対です。今のような赤字状態であれば重荷を背負うことになるだけなので合流はできない。それゃもっともな判断です。誰も喜んで事業の足枷を引き受ける管理職はいません。なんとか条件付きで、合流の可能性を残してもらうのが精一杯でした。その条件とは今季の目標達成でした。

 

死ぬか生きるか

目標は昨年より下がっているとはいえ、対前年で150%は上げなくては達成できません。さらに環境はこのコロナ禍。でも、前に進むしかこの事業は生き残る道はありません。そこで考えたのはリソースを集中すること。規模の大きい案件以外は狙うなでした。だいたい規模の大きい案件が存在するのかも分かりませんし、規模の大きい案件は競争も激しいので受注できるかも定かではありませんでした。しかし、積み上げ式のやり方では一年での目標達成は厳しく見えました。一か八かで狙おうというだけです。こんなのは戦略でもなんでもありません。駄目だったら事業撤退を決めようとだけ腹を括りました。

 

神風が吹く

なかばヤケ糞で大型案件を狙いに行きました。しかし、なんと神風が吹いてしまいました💦 20社近くのコンペを勝ち抜き超大型案件を受注することができました。事業の売上目標の7割を埋めるほどの規模でした。勝因は明らかで、価格をギリギリまで落としただけです。赤字にならない程度に。ライバル社からは、そんな価格提示されたら商売にならないと感じるほどだったように思います。もっとも、コストを大幅に圧縮する必要があったので納品までが死ぬほど大変でした。メンバーはよく頑張ってくれました。この受注を中心になんとか年間目標は達成できました。対前年166%増です。

 

話が違う

目標達成の目処も立ち、来季以降は約束していた通り他事業部のプロジェクトへ合流が出来ると安堵していました。ところが雲行きがここにら来て怪しくなっています。合流先のプロジェクトが技術的な問題で進んでいないというのです。風の噂で上手くいってないようだとは聞いていたのですが、予想以上の停滞でした。その為、合流しても新技術が使えるのはさらに一年後になります。困りました。。。目標達成したとは言え、それは神風のおかげです。次年度はもうその仕事はありません。社内的にも数字を達成してしまったが故に、撤退の判断が余計しにくくなりました。前にも進めず、後退もできず袋小路に嵌りこんでしまいました。

 

撤退のタイミング

今振り返れば、事業を引き受けずに速やかに撤退すべきでした。様々なしがらみを断ち切れなかった自分がいます。組む相手を見誤った事もあるでしょう。撤退基準をもっと精査しておくべきでした。それでも、仕事は今日も続きます。