クマ坊の日記

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【リーダーシップ】白熱のリーダーシップ

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以前、NHKでリーダーシップ白熱教室という番組を放映していたのをご覧になった方はいるでしょうか。ハーバード大学のリーダーシップ講義の模様を放送したものです。リーダーシップ理論は研究者の数だけ存在すると言っても過言ではありませんが、私は好きな考え方の一つです。今日は白熱のリーダーシップについて考えてみたいと思います。

 

 

ロナルド・ハイフェッツ教授

ハーバード白熱教室で教鞭をふるっていたのは、ロナルド・ハイフェッツ教授です。リーダーシップ研究の第一人者です。それこそ、世界各国の指導者や国際機関のリーダーを育てたきた大先生です。ハイフェッツ教授はハーバードのビジネススクールではなくて、ケネディスクールに所属しています。ケネディスクールはビジネスではなく、国連や世界銀行、各国政府、行政機関のプロフェッショナルを養成するのが目的です。そのためか、意外に国内のビジネス界では知られなかったりします。ハイフェッツ教授自体、元々はハーバードのメディカルスクールを出た精神科医でした。刑務所で受刑者のメンタルケアに従事する過程で、貧困やコミュニティの崩壊が犯罪者を生み出す元凶ではないか?それらを解決できるリーダーを輩出することが重要ではないか?そんな想いでリーダーシップを研究していくことになります。このキャリアのピボット自体に私は驚いてしまいます💦

 

アダプティブ・リーダーシップ理論

この理論の最大の特徴は、「公的な地位を持たない人の方がリーダーシップを発揮しやすくない?」という点です。読者の皆様からすれば、地位がなくてもリーダーシップは発揮できるかもしれないけど、地位がない人の方がリーダーシップを発揮しやすいって何⁈という印象を持たれると思います。何故、地位のない人のリーダーシップを発揮しやすいかと言うと。。。

  1. バランスを考えなくていい!
  2. 一つの問題に集中できる!
  3. 第一線の情報が手に入る!

公的な地位にあるリーダーは、様々な利害関係者のバランスを取らなくてはいけません。どちらかに肩入れすれば、また新たな摩擦を生み出します。そのため玉虫色の意思決定になったりします。バランスを考えなくていいから問題に集中できます。フットワーク軽く現場の第一線にも出ていきやすい。考えようによっちゃ、公的なリーダーよりもリーダーシップを発揮できそうですよね。

だから、ハイフェッツ教授は「リーダーとリーダーシップ」は別物だよ。リーダーシップは発揮してナンボだよと力説します。

 

実践的な所好き

リーダーシップは実践すること、行動することだと唱えます。そして、問題が解決、進捗することがリーダーシップを発揮したかどうかを評価する物差しだよと考えます。また、ハイフェッツ教授は全ての問題解決に共通して通用するやり方なんてものも存在しないといいきります。ただいくつかのヒントを提示してくれます。リーダーシップを発揮しなくてはいけない場面では、不安定な状況や混乱がつきものです。だから、そのような状況に耐える忍耐力が求められます。

 

次に事実や問題を冷静に捉えなさいと説きます。失敗するのはすぐに対策に飛びついてしまうこと。実際の問題は利害関係も人間関係も複雑ですからね。バルコニーに登るという比喩でこのことを説明します。現場の最前線で事実、問題を把握することも、バルコニーに上がって問題を大局的に捉えることもどちらも大切だと言う事です。だからバルコニーに登ったり降りたりを繰り返しなさいと説明します。

 

また問題を捉える時は、自分自身のバイアスに気をつけなさいとも主張します。例えばコロナの問題を医学的な問題として捉えるのか、経済的な問題として捉えるかで対策は全く違ってきます。初期の段階から多様な視点で問題を認識することが重要になります。さらに技術的な問題か適応の問題かでアプローチもかなり違ってくる点もしてきします。前述したコロナを例にあげれば、検査体制という技術的な問題と捉えるのと、行動様式の改善と言う適応の問題と捉えるのでは、対策が全く異なりますから。

 

より詳細を知りたい方は、「最難関のリーダーシップ」を読んでみてください。少し和訳が難解な文章ですが💦

最後に余談ですが、ハイフェッツ教授は野生のゴリラの活動を観察することで、今回の理論を着想したそうです。

 

 

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