日曜日の夜、サザエさんの音楽が流れる時間から、翌日に会社へ行くのが憂鬱になるビジネスパーソンはいらっしゃるかと思います。逆に、職場へ行くのが楽しみだなんていうレアなビジネスパーソンもいるでしょう。経営者はできれば後者のような社員、後者のようなコミットメントを社員から引き出すことで頭を悩まします。今日はコミットメントについて考えてみたいと思います。
コミットメントを引き出すのは何故難しいのか?
これは至極当たり前の話です。企業に勤めるビジネスパーソンには2つの側面があります。一つは企業人、組織人としての姿。そしてもう一つはプライベートを含めた個人の姿。組織人として立場と、個人としての立場で目指す目的は異なります。個人の立場で言えば「幸せに暮らすため」の手段でしかありません。会社=人生という人も一昔前まではいたでしょうが、現在はレアな存在でしょう。つまり、大前提として個人の目的があり、その中で可能な限り組織のため
に働いてくれるように企業側は働きかけなきゃいけないので難しいわけです。
コミットメントは3種類
では、企業は社員のコミットメントを引き出すためにどんな働きかけができるでしょううか?そもそもコミットメントには3つの類型があります。
- 情緒的コミットメント
- 規範的コミットメント
- 功利的コミットメント
情緒的コミットメントとは、ここで働くのが好き、この仲間と仕事をしていきたいというやつです。この情緒的コミットメントは強力で、その結果、長くその会社に勤める。与えられた仕事にしっかり取り組む。役割以外の仕事も進んで担当するなんて効果が見込めます。規範的コミットメントとは会社は好きじゃないけど、社会通念上、「良い」と認識されることに基づいています。昭和の時代は、「1度入社したら会社は簡単に辞めるべきではない」「社命であればどこにでも転勤する」という考えが一般的でした。価値観が多様化する現代では、ちょっと効果は期待できないですね。最後が功利的コミットメントです。転職先を見つけるのが大変だから、今以上の報酬を見込めないから、などの打算的理由で現在の職場に居続けるというやつです。多くのビジネスパーソンがこの功利的コミットメントなように感じます。もともと消極的選択で、その企業で勤め続けているわけですから、組織でフリーライダーにもなりますよね。
管理職の役割が重要
コミットメントには3つの類型がありますが、企業が一番狙うべきは情緒的コミットメントです。そのためには、魅力的な経営を行う、様々な人事施策を展開するのはもちろんですが、キーになるのは管理職です。管理職がどのような職場風土を醸成していくかが最も重要なんですね。裏を返せば、経営は管理職が働きやすい環境を支援していかなくてはいけません。コミットメントを引き出すのは、それだけ複雑ということです。