ここ数年、働き方改革に関わる相談が増えています。新たにフレックス勤務制度を導入するので支援して欲しいとか、残業を削減したいのでコンサルをして欲しいなどです。多くの企業をご支援していると、働き方改革がうまく進む会社と、そうでない会社が出てきます。今日はその違いについて考えてみたいと思います。
トップのコミットメント
当たり前ですが、トップが「働き方改革」に対して積極的にコミットメントしているかどうかは極めて大切です。法律で決められた事だからと言われたら身も蓋もありません。💦もっとも、経営者を対象にした経営課題に関するアンケート結果を見ると「働き方改革への対応」は上位にランクされているので、コミットメントしない経営者は少数でしょうが。しかし、コミットメントの度合は経営者ごとに温度差があるように見えます。
社員に対して「我が社が働き方改革に取組む目的」を自らの言葉で語れる経営者、語れない経営者。働き方改革を自から経営にどのように活かしていくかのビジョンを描ける経営者、描けない経営者。
真摯に対応する姿勢
新しい取り組みは、どんなに良いものであっても現場からは拒否反応が出ます。習慣だったり、従来のやり方を変えるのは苦痛を強いるからです。個人であれ組織であれ長年の経験が蓄積されて現在の仕事のやり方に落ち着いているわけですから。ここで大切なのは、人事の姿勢だったりします。現場からの反対意見やコンフリクトを極端に怖れる人事部も存在します。そんな人事部が私達を頼ってきます。「スムーズに新しい制度に移行する研修を企画して欲しい」「制度変更に伴い管理職の意識を変える研修を企画したい」そんな無理ゲーな研修はありません💦 そんな依頼を頂いた時は、人事部が主体で実施する事の重要性を説くようにしています。ちょっとしたことですが、分かりやすい説明資料をつくる。社員からの質問には丁寧に答える。説明会には十分な時間を設ける。。。全て当たり前の事ですが、当たり前の事が出来なかったりします。社員はみなさん大人なので、働き方が変化することは理解しています。しかし、人事の社員への姿勢を見ながら、新しい取り組みにどれだけ本気で取り組むべきかを判断するものです。
管理職を支援する仕組みが整っているか
働き方改革のフロントラインに立つのは管理職になります。その管理職に対して物理的なサポートが必要不可欠です。勤怠システム一つを取ってみても、部下の残業時間が先行管理できりような仕組みが必要です。部下から残業申請が出てきて、業務上必要であれば承認する他ありません。成果をあげることを第一儀に管理職は求められます。「納期までに成果をあげるには残業が必要です」と部下から申請されれば断わるのは難しいでしょう。部下に残業させたくなかったら、管理職がその仕事を代わりに引き受ける他ないのが実態でしょう。このような状態になったら管理職は部下に残業しないようにお願いするぐらいしかできなくなります。事前に部下の残業状況が掴めれば、まだ事前に管理職と部下の間で建設的な対話が可能かもしれません。管理職をサポートする仕組みがあって、初めて働き方改革は実現するようにも感じます。