クマ坊の日記

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【マネジメント】モチベーションと職務範囲の関係性

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前回の記事で職務範囲の曖昧さは日本企業の強みに転じるかもしれないと書きました。経営の視点から考えるとその通りなのですが、現場で働く側からすれば「勘弁してくれ」ですよね。今日はモチベーションと職務範囲について考えてみたいと思います。

 

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モチベーションがあがる仕事

心理学者であるリチャード・ハックマン先生とクレッグ・オルダム先生がモチベーションがあがる職務の特性について研究しています。これを職務特性モデルといいます。モチベーションがあがる職務の特性として5つをあげています。

  1. 技能の多様性
  2. 職務の完結性
  3. 職務の重要性
  4. 自律性
  5. フィードバック

技能の多様性とは、単純な仕事ではないということです。単純な仕事をずーっと続けるのはカッタルイものです。職務の完結性とは「仕事の始まりから終わりまで」を担当するということです。仕事の一部分を任せられるより、全体を任せてもらったほうがやり甲斐はあります。職務の重要性はそのままです。重要な仕事を任せられていると感じたほうがやる気もわきます。自律性は仕事に対する裁量性があるということです。決められた仕事より、創意工夫の余地があったほうが楽しいですから。フィードバックは仕事の出来栄えに対する上司の評価や、数値結果など、手応えを感じる仕事の方が達成感を感じられますから。

 

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個人の成長意欲が大きく影響する

前述した5つの職務特性のうち、技能の多様性、職務の完結性、職務の重要性が高いと仕事にやり甲斐を感じるとされます。その上で、自律性が高いと責任感は増し、フィードバックは達成感を高めます。ここで面白いのは、例え5つの職務特性が揃った仕事だったとしても、そこで働く個人の成長意欲によってその効果は異なるという点です。つまり成長意欲がない人だと、5つの職務特性が揃ったとしてもやり甲斐は感じないのです。

 

職務をデザインする

この職務特性モデルを知っていると、実際の組織設計の際に参考になります。例えば簡単な事例でいえば、メーカーの製造ラインをイメージしてください。単純な1つの工程から、前後の工程とくっつけて新たな工程につくりかえる。従来、上司が担当していた仕事を部下に任せることで、責任感が高まる。お客様からの声が直接フィードバックされるような仕組みを作る。職務を再編成することで、働く人々の意欲が変わったりします。