クマ坊の日記

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【ビジネススキル】初めから精緻なビジネスプランは必要ない

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今日は新事業・新商品開発の話。私の生業は人材育成です。企業のビジネスリーダー教育を担当させて頂くこともあります。ビジネスリーダー教育とは、企業の優秀な人材を選抜して半年間もしくは一年間の時間を使ってビジネスプランを考え、経営に発表するという内容です。そんな研修を通して感じたことを書いてみたいと思います。

 

 

精緻なビジネスプランは必要無い

最初から自分の仕事を否定するような事を書きますが、精緻なビジネスプランは実際に新事業立ち上げる際は不要です。私が仕事を頂いている顧客は大企業です。ビジネスリーダーの最終ゴールは経営トップへのプレゼンテーションです。そのため研修を企画する人事部は、社長から物申されないようなアウトプットを私に期待します。具体的には「視点がユニークで、実現可能性があって、正確な資金計画もある」といった内容です。最初の2点は同意できるのですが、最後のワードが出てくるとダメですね。もちろんビジネスプランの中に金の匂いがすることは大切なのですが。。。あまり目先の売上、利益を意識しすぎると既存の延長線上のアイデアしか生まれてきません💦 そもそもアイデアの段階で売上見通しなど立てられません。アイデアの段階を抜け、製品化が見えてきた段階では資金計画は大切になるのですが。研修でビジネスプランを考える際もこんな有様ですから、実際に新規事業や新商品開発を考える際の社内のプレッシャーたるや相当のものです。企業自体も株主やステークホルダーのプレッシャーに常にさらされているのでしょうがない側面はあるんですけどね。

 

認知の枠組みをぶち壊す

私が指導するときは、何よりも顧客の立場に立って考える、顧客の課題を深く掘り下げることにフォーカスします。しかし、大企業で研修をする際は顧客の課題を考える前にしなくてはいけないことがあります。それは、受講者の認知の枠組みをぶち壊すことです。なぜなら、ビジネスリーダーの教育に選抜される受講者は、その企業内で優秀だと評価されているからです。ミソは"その企業内で”です。大企業で評価されるのは市場価値が高いビジネスパーソンだけではありません。「上司への報告がうまい人」「会社の方針に対して模範解答が出せる人」もいますから。そのために様々な仕掛けをしていきます。ポイントは心理的な安全な空間を作ることと、危機感を煽ることです。

 

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顧客の課題に対する仮説をどれだけ構築できるか

顧客の立場に立って考えることが、最も重要ですが、だからと言ってすぐに顧客の声を聞きに行ってはいけません。それが顧客に聞く価値があるのか、課題に対して仮説検証を行わなくてはいけません。仮説が立てたらまずは現場を観察することです。そして仮説をまた修正する。何度も何度もそれを繰り返すことです。脳みそがちぎれるほど。裏を返せば、自分がそれほどまでのパワーを費やしても解決したい課題にフォーカスしなくてはいけません。

 

また顧客の声をすぐに聞きにいってはいけない理由は、日本語にあります。日本語ってすごく曖昧じゃないですか。また日本人って考えていることを言語化するのが苦手ですしね。だから顧客の声を聞くだけでは、課題も分からないし、クレイジーなアイデアも生まれません。だから手順としては、仮説構築→観察→仮説の再構築のサイクルを何度か回した後に、顧客と対話することを勧めています。顧客の対話にもコツはあるのですが、今日はここまでということで。