クマ坊の日記

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正統的周辺参加論な私

 

昨日から東京勤務です。以前も東京本社で仕事していたのですが、新しいポジション、初めての領域、新たなメンバーということで戸惑っています。そんな自分を振り返ってみると、正統的周辺参加論を思い出しました。

 

目次

 

正統的周辺参加論とは

漢字多いですよね。たいそうな名前ですが、誰もが経験したことがあります。正統的周辺参加論とは、新参者があるコミュニティに受け入れられ、アイデンティティを確立し、やがてそのコミュニティの中心人物に育っていく過程の1番最初のことを示します。

 

状況的認知論

上記の正統的周辺参加論は、人工知能研究者であるジーン・レイブ先生と文化人類学者のエチエンヌ・ウェンガー先生が1991年に発表した「状況に埋め込まれた学習」で発表されました。この論文は産業界、教育界の「学習」に関して大きな影響を与えます。

状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加

状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加

 

 

 内容をすごくざっくりと解説すると、「学習は学校で教科書に書いてあることを覚えることだけではない、むしろ社会に出たら、周囲の人と知恵を出し合ったり、道具を駆使しながら、使えるものは全て使って、実践的な知識とか技術とかを習得しているんだ

 

つまりビジネスパーソンの文脈で考えると、「 他者との関わりなしに、何がその職場で使える知識や技術であるかなんて分からないし」「その職場で受け入れられて、徐々に知識や技術を習得することで、その職場で中心的なポジションを獲得し」「その事が自分の自信に繋がりアイデンティティを獲得することにも繋がる」と言うことです。

 

境界線にいる私

私は新しい職場では責任者ですが、それは組織図上の話に過ぎません。九州から東京本社の別部門にやってきた私は、その職場からすれば新参者の一人です。前述した正統的周辺参加論に従えば、まだ新しい職場の境界線に立っているようなものです。同じ会社なのに、意味が分からない言葉(略語)に遭遇しますし、社内便の出し方も分からないし、職場に置いてあるコーヒーサーバーの使い方も分かりません。💦

 

これはかなり新鮮な事です。若い時に仙台に転勤し戻ってきた時は同じ部門でしたし、ポジションも一番下っ端なのでほとんど変化は感じませんでした。今回はまるで会社に入社した時のような気分です。

 

境界線にいることで見えてくることがあります。その組織が当たり前としている慣習や文化などです。一言で言うと「違和感」です。この「違和感」はとても貴重な感覚です。改善や改革に関するヒントが詰まっているからです。

 

とは言え、早くコーヒーサーバーの使い方は覚えたいと思います。毎回、周囲に聞くのは迷惑ですからね💦