クマ坊の日記

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IoTまるわかり を読んで「情報」について考えてみた

 

IoTまるわかり (日経文庫)

IoTまるわかり (日経文庫)

2015年に書かれた本です。もう書かれてから2年経っているので内容は少し古いかもしれません。IoTという言葉が世の中に溢れて久しいですが、内容についてイマイチ理解していなかったので手に取りました。IT音痴の私ですが、ITの世界で何が起こっているかの概要は理解できました。
 
IoTは、「モノがインターネットでつながる」ということ。インターネットに繋がるモノの数は2014年時点で90億個。2020年には500億個まで広がると考えられています。インターネットに繋がることで全く新しい価値が生まれます。モノがどのように使われているかという「使い方」を把握して、使う人にとってより良い使い方をモノ自身から発信できることになるとのこと。なんか凄い時代になりました。
 
IoTが当たり前の時代になったら、企業はどんな人材を求めるようになるんだろう?と本を読みながら考えてしまいました。
 
データから何か価値を見つけられる人は求められるでしょう。価値を見つけられる人材は、ある分野のプロフェッショナルでありつつ、一方で自己のプロフェッショナルを否定できる人。文化人類学者のように観察が得意な人、情報から新しいビジネスモデルを構築できる人。それに感性が豊かな人。でてくる情報は同じでも、そこから何を読み解くことができるかでビジネスにおいては大きな差が生まれると思います。もっとも何を読み解くかも、AIがやってくれる時代になるかもしれませんが。
 
本の内容とは全く関係ありませんが、「情報」という言葉は、明治の文豪の森鴎外によって作られたと言われています。森鴎外は軍に所属していました。その時にクラウゼウィッツの戦争論を翻訳したそうです。その時に、informationという言葉をどのように訳すか迷ったそうです。informationにあたる漢字がなかったんですね。日本にも忍者がいたし、informationに近い漢字があっても良さそうですが。
 
informationを情報という新しい言葉を作った森鴎外。私はここで一つ不思議に思いました。何故、「情」の字を当てたのだろう?状況の「状」でも良かったのでは?「状」はあり様という意味があります。戦争の中における情報とは、地形や兵力、どこから攻めてくるか、何処が攻めやすいかなどの状況の方を示すことが多いような気もします。
 
「情」は気持ちのありようの意味があります。森鴎外はinformationを訳す時に、目に見える状況だけがinformationではないと考えたのではないでしょうか?敵の気持ちや感情や意図等も含めたものも含めたモノがinformation。だから、あえて「情」という漢字を使って情報という字を新たに生み出したように私は思います。もっとも私は国語学者じゃないので、本当の所は分かりません。完全な妄想ですが。
 
森鴎外も自分が作った言葉が、こんなにもメジャーな言葉ななるとは考えていなかったのではないでしょうか?
 
IoTの話からだいぶ脱線しました。私のようなIT音痴な人が、IoTの概要についてサクッと理解するには最適な本だと思います。