クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】あなたは教える相手について理解していますか?

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相変わらず忙しい日が続いています。休日出勤も続いていて、いわゆるブラックな働き方してます💦 そんな訳でブログの更新もゆっくりですがご容赦ください。さて、今日は人材育成のお話です。社内で勉強会の講師役を務める人や、部下指導や後輩指導を務める人には参考になると思います。

 

教えることは相手を知ることがスタート

「教える」ってどんなイメージを持たれていますか?身近な経験だと学校の先生ですかね。その分野について知識、情報、経験が豊富な人が、少ない人に対して教えるというのが想起しやすいかと思います。しかし、前述した教え方は最もイケていない教え方だとされます。相手の事をよく知りもしないで、良かれと考えて教えるのは、暗闇に向かって一人でボールを投げているようなものです💦 まずは相手をよく知ることが教しえることの第一歩です。

 

「に」「が」分析

教育対象者について理解することを教育設計技術の専門用語で対象者分析といいます。対象者分析で1つ知っておくと便利なのが、「に」「が」分析です。例えば、あなたが後輩指導をしなければならない立場だったとします。当然、指導しなければならないことは沢山あります。業務手順だったり、職場ルール、ビジネススキル等々。その際に利用できるのが「に」「が」分析です。教えたいことは、新入社員教えたいことなのか?新入社員教わりたいことなのか?一文字違うだけですが、景色は180度変わります。「に」のテーマについては、相手が望んでいないものですから、教え方には工夫が必要です。ほうれん草が嫌いな子供に、身体にいいから食べなさい!と言ってることと同じです。食べてもらうためには、細かく刻んでハンバーグの具に混ぜるとかしませんか?それと同じです。

 

コミュニケーションと観察が大事

教える対象者が何で困っているのか。何が学びたいかは、本人に聞くのが一番です。その為には、普段からコミュニケーションを取れているかが問われます。また、聞いても相手が言語化できないケースもあります。何が分からないかが分からない。何故出来ないかが分からない。そんな時は観察するしかありません。スキルを教える場合は、映像で記録しておくのも効果的です。後で振り返るのが容易ですから。

 

と言うことで、人に教える時は、相手を知ることが極めて重要というお話でした。

 

 

 

 

 

【人材育成】 「サルまね」とマネジメント

ちょっと前ですが、年末年始に「脳」科学に関する書籍をいくつか読んでいました。今日は脳科学から人の学びについて考えてみたいと思います。

霊長類から人類を読み解く なぜ「まね」をするのか

霊長類から人類を読み解く なぜ「まね」をするのか

 

 

 

猿は「サルまね」ができない?!

「サルまね」の意味は国語辞典で調べると「猿が人の動作をまねるように、考えもなく、他人のまねをすること」とあります。しかし、年末読んでいた本で衝撃的な事実が!「サルまねができるのは、実は霊長類の中では人だけ!」という一節です。

 

 人は1歳前後になると目の前にいる人の行為を真似るようになります。その一方でチンパンジーは他者の身体の動きはほとんど見れないそうです。そのため、他者の行為を真似る「サルまね」ができないそうです。そのため、木の実を石で叩き割る道具使用も効率的に学べないそうです。道具の使用に6〜7年かかるそうです。

 

環境と人の脳

私は脳科学の専門家ではないので、本からの受け売りの情報ですが。人の脳が他の霊長類と大きく変化したのは複雑な社会環境も影響していると考えられているそうです。多くの人と共同生活をすることで、他者への配慮や見えない未来を考えるなどが鍛えられたそうです。今も昔も、人と人のコミュニケーションは便利でもあり、ストレスフルでもあったということでしょう。多くの人とうまくやっていくには、多くの情報を効率的に処理する脳が必要だったということです。

 

脳を取り巻く環境の変化

前述したように、脳は社会環境に応じてその機能が発達してきた歴史があります。そして今、脳科学者が注目しているテーマの一つに、スマホが脳に与える影響があります。幼少期の経験は脳と心の発達に影響があります。

例えば、従来は顔をつきあわせていた人間関係が、SNSでのコミュニケーション機会が増えています。脳は当然、環境に適応した効率がいい脳の使い方を志向します。人の感情とか気持ちとか配慮できない人が増えるかもしれません。

 

マネジメントも変わる

そんなデジタルネイティブが社会人の中核になる頃には、マネジメントの仕方も変わるんだろうなと感じました。マネジメントでは「承認」という行為が、部下育成やモチベーションに重要な意味を持ちます。簡単にいえば「褒めたり」「賞賛したり」「勇気づけ」したりすることです。でも、もしかしたら今後はこのような行為をしても、全然動機付けされない人も出てくるのかもしれません。だって脳が表情を読んだり、面と向かってのコミュニケーション、いわゆる社会的報酬に魅力を感じなくなるかもしれないからです。ちょっと私の想像が飛躍しすぎかもしれませんけどね。

 

【人材育成】新人のトランジションを考える

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各企業の新入社員研修の詳細プランを作成しています。新入社員研修は同じようで実は各社各様です。ただ近年、狙いとして要望を頂くのは「トランジション」というキーワードです。学生から社会人にスムーズに移行させたい意図を感じます。

 

 

どう身を守るかに必死

私が新人だった頃は、「組織の歯車の一つにならずに、どうすれば自分らしく働けるか」みたいな事を考えていたように思います。尾崎豊を聴きながら、少年ジャンプを読み、ガンダムエヴァンゲリオンを見て育って育ってきたからですかね。今から振り返ると、社会に出ることに不安はありつつも希望も内包していたように思います。翻って最近の新入社員研修であう若者は、もっと切実に「働くことから、自分をいかに守るか」に心を割いているように思います。ブラック企業という言葉が市民権を持ち、過労死自殺なんてニュースもたくさん見聞きしているわけです。「どうしたら自分の身を守るか」に意識が向くのも仕方ないようにも感じます。

 

働く意義とは

ベタですが働くことの意義を会社や上司や先輩はしっかりと伝えることです。働くことで収入を得て自分の生活を向上させることはもちろんですが、働くことは自分が生きるこの社会をより良くする事に貢献できるということです。学生と面接をすると、私の時代と違ってボランティア経験がある若者が多いような気がします。そんな若者が多いからこそ、働くことと社会貢献の繋がりを説明することは重要です。

 

質問を奨励する

学生と社会人の違いの1つに「学び方の違い」があります。学生時代は先生が教えてくれますが、社会人は自らフィードバックをもらいにいかなくては成長できません。上司や先輩も忙しいですから。フィードバックをもらうことは難しいことではありません。要は「質問しろ」ということです。1つ話を聞いたら2つ質問するぐらいがちょうどいいと私は説明します。質問できるのは新人の特権です。新人が入ってきたら、質問の重要性と質問の仕方を指導することをお勧めします。

 

新人育成は職場の鏡

新人育成はその企業の風土を如実に映し出します。まるで鏡のように。テクニック的なことは前述しましたが、あくまでテクニックに過ぎないんです。人の成長の7割が仕事体験、2割が上司からの薫陶だと言われています。だから、どんな職場かは重要です。

例えば新人に主体性を求めるなら、上司や先輩が主体的でなくては話になりません。その為には、企業風土や職場文化が失敗やチャレンジを共有できるかどうかが求められます。上司や先輩が梯子外されたり、評価されなかったり、不利益を被っている姿をみたら、新人は主体性なんて発揮できませんよね。空気読むのも得意ですから💦

 

 

 

 

 

 

 

【人材育成】ホウレンソウからザッソウへ

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年明けからブログが更新できてなくてすいません。とにかく仕事が忙しくて💦まあ商売繁盛だからありがたいことです。各社の人材育への投資意欲が高いです。景気がいいんですかね。個人的にはあまり実感はないのですが。

さて、久しぶりの記事はビジネスネタです。ビジネスの世界でコミュニケーションという言葉は実に曖昧です。「職場のコミュニケーション」に問題があるという時のコミュニケーションが何を指すかは人それぞれだったりします。今日はそんな曖昧な職場のコミュニケーションの変化について書いてみたいと思います。

 

 

職場のコミュニケーションとは何か?

冒頭に記載した通り、「職場のコミュニケーション」ほど悩ましい表現はありません。「会話」「説得」「説明」「調整」「風通し」など様々な意味合いを持ちます。ただ職場で求められるコミュニケーションとは何かと問われたら、報告・連絡・相談のビジネスコミュニケーションを指します。仕事のために必要なコミュニケーションですから。だから新入社員研修で最初に教えられるのは「報告・連絡・相談」、略してホウレンソウです。

 

ザッソウが求められる時代背景

しかし、ビジネスコミュニケーション=ホウレンソウの方程式が変化してきています。ビジネスコミュニケーション=ホウレンソウ+ザッソウです。ザッソウは私の造語です💦 ザッソウの話の前に、One on Oneについて解説する必要があります。

最近、書店に行くと「One on One」と書かれた書籍が並んでいるかと思います。このOne on Oneとは「上司と部下が人としてコミュニケーションを取るための継続的な取り組み」です。わかりづらい定義ですよね。なんでこんな仕組みを企業が採用し始めた背景を説明します。昔は、残業しながら雑談したり、仕事帰りに飲みニケーションが当たり前でした。一見無駄に見えたこのような時間で、上司も部下もお互いの信頼関係を築いていました。でも昨今は、働き方改革で残業はできませんし、パワハラやセクハラの問題があるため上司と部下がプライベートなことを話づらくもなりました。タバコ吸う人も少なくなったので、喫煙所での情報交換も少なくなりましたよね。

上司と部下が話すことは、業務に関するホウレンソウが中心となってしまいました。それでビジネスが上手くいけば問題ないのですが、様々な面で弊害もでてきました。まず第一に人材のリテンションです。人手不足の時代に、優秀な人材に辞められるのは経営としても痛いところです。「部下が何を考え、何を感じ、将来どいうことをしていきたいのか」を上司が理解することがリテンションにはかかせません。第二にイノベーションです。従来通りのビジネスだけでは持続的成長は難しいと多くの経営者が考えています。そのため現場の第一線にいる社員の知恵や情報からイノベーションを生み出す重要性を感じています。情報があがってくるためには、忖度ではなく、真の現場の声を聞きたがっています。そのために、継続的に社員の考えを吸い上げる仕組みをつくろうってことです。

シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング―

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ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法

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 ザッソウとは知的な雑談

さて、ではザッソウとは何かということですが、ずばり「知的な雑談です」個室で2人で話すのは管理職は苦手です。管理職はまず何を話したらいいかわかりません。部下の話を聞くのが目的なのに、ついつい上司の話が長くなってしまいます。特にベテラン男性管理職は、責任感が強いからのか、父親的、親分的なスタンスからなのか雑談するのが下手です。One on Oneの仕組みを作っても、業務報告を個室でやっているケースもみられます。では、「知的な雑談」をするにはどうしたらいいのでしょうか?私がオススメしているのは、経験を振り返ることです。1ヶ月の仕事での経験を振り返り、お互いが語りあうだけでも良いと思います。何か雑談の共通のネタがあるといいです。経験から感じたことや考えたことを共有するだけでも、上司と部下の距離は縮まるように思います。

 

 

 

【人材育成】 働く姿勢を指導する方法

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今日は部下指導で一番上司が頭を悩ます、部下の働く姿勢を指導する方法について考えてみたいと思います。私自身も過去、年上部下の指導やゆとり世代の部下を持ったときにものすごく悩んだ経験があります。

www.kumabou.com

 

 

期待しないけど、あきらめない

働く姿勢に関して指導が必要なビジネスパーソンの多くは社内でローパーフォーマーの人が多いのではないのでしょうか。本人のモチベーションの問題なので、指導は難しいですよね。でもだからといって放置するのはよくありません。周囲の人間のやる気もそぎますから。こういう部下を持ったときは上司自身のマインドセットが大切になります。一言で申し上げれば「期待しないけど、あきらめない」です。期待しすぎても人は急には変わりません。相手が変わらないと指導する側もストレスフルな状況に陥りがちです。部下に潰される管理職も多いですよね。だから、過度に変わることを期待しすぎないことです。その一方で矛盾することを言いますが、あきらめてもいけません。あきらめたら、そこで変わることはNo チャンスですから。

 

いったんは周囲の評価を無視してみる

社内で評価の低いビジネスパーソンは、実際に酷いケースがほとんどです。しかし、私は意識的に周囲の評価をいったん無視するようにしています。なぜなら周囲の人間の評価でいかようにも変わるのが、人の評価や評判だったりするからです。逆も真なりで、いくら周囲の評価が高くても鵜呑みにはしないよう心がけています。

誰もがバカじゃないから、相手が自分のことをどのように見ているかはすぐわかりますよね。丁寧な口調でも自分のことを見下しているとか、甘い言葉をかけるけど信頼されていないとか。

 

相手の言い分をグッとこらえて聴く

王道ですが、相手の言い分をまずは聴くことです。聴いているうちに、「何甘いことを言っているだ!」「自分のことしか考えない奴だ」と腹が立つ話もあると思いますがグッとこらえて聴くことです。相手にオープンな人物だと認識されないと、どんなにいいことを話しても心に響きません。グッとこらえて聴くとは、うなづいたり、相づちをうったりしながら聴くことです。

 

期待を伝える

相手にもあなたの期待をしっかり伝えてください。日本人はここでついオブラートに包んで、曖昧な言葉を選びがちです。でも曖昧な言葉では伝わりません。具体的な行動を数値等を交えてながらストレートに伝えましょう。期待はあなと部下とが結ぶ共通の物差しになります。物差しがないとフィードバックしようもありませんから。

 

定期的にフィードバックする

部下と握った期待行動については、定期的にフィードバックを行ってください。良かったことは感謝し、ダメだったことはスパイシーなフィードバックを行う。フィードバックのコツは事実を集めながら、「私からはこのように見えますよ」と伝えることです。スパイシーなフィードバックをすると反発したり、回避しようとするのがノーマルな反応です。でも、そのような反応が現れても怯んではいけません。年上部下だったりするとそんな反応を取られたら、がくブルですが勇気を持って踏ん張りましょう。それを続けていけば、相手が根負けして態度を変えてくれる確率も高まります。