クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】部下の審査の日がやってきた!

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以前ご紹介していた部下の審査の日が来ました。本人もドキドキだったと思いますが、私もドキドキ。今日はその時のお話です。

 

励ましの言葉選びに悩む

前日、部下にメッセージを送りました。いざメッセージを送ろうと思うと悩みます。部下の性格を考えたら、どんなワードが刺さるのだろう。。。何度も何度も推敲しました。正解はないのですが、30字ぐらいなシンプルなものにしました。国語力って大切だなと痛感。

 

厳しく審査

私は送り側でもあり、今回の審査員でもありました。忖度はしないし、むしろ基準は他の参加者よりも厳しくしました。直属の部下だから甘くつければ、周囲はすぐに分かります。甘く採点して合格しても、部下の今後のキャリアにはマイナスになるだけです。私以外の審査員が疑問の余地なく合格するレベルでなければ意味がありません。

審査は実際に受講者役を入れての、実技審査になります。今回は受講者役がだいぶ自由気ままに演じる人が多かったので、難易度は相当高かったです。正直、受講者役には何故そんな難しいシチュエーションを作りだすのだ?と内心憤慨していました💦 しかし、その心配も杞憂に終わりました。

レーニングで指摘したことを改善し、さらにその上のレベルまで到達していました。その姿を見て、思わず目頭が熱くなりました。他の審査員もその成長ぶりに何よりも驚いていました。

 

部下が号泣

審査終わった後に、廊下で部下にあったら号泣していました。審査の出来に本人的には満足いかなかったようです。私としては合格点以上の素晴らしい出来だったのですが。全員の審査が終わるまでは、結果発表することは出来ません。そのため、その時は「よく頑張った」の一言しか伝えられませんでした。今日は合格発表なので、たくさん褒めて上げたいと思います。

しかし、大人になって仕事で純粋に泣けると言うのは彼女にとって良い経験だったと思います。彼女がどのようなキャリアを選択するか分かりませんが、確実に彼女の成長に繋がったと感じます。人が成長する姿を見れることが、マネジメントの醍醐味の一つでもあると感じました。おめでとう!

【マネジメント】方針を制する者は、マネジメントを制する

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管理職は、来年度に向けて新たな戦略や方針をボチボチ検討し始める頃かもしれません。方針はスローガン程度にしか考えていない管理職もいるかもしれません。しかし、方針を使いこなせるとマネジメントは格段と楽になります。今日は方針について考えます。

 

方針が必要な理由

管理職は成果をあげるために、ありとあらゆるアクションを展開します。それらの施策が全て当たればいいですが、そんなことはありません。ならべく無駄な工数は減らしたいところです。方針を決めておけば、部下がのべつまくなし施策を展開することを防げます。方針を明確にすることで、何をやるのか。逆に何をやらないのかが明確になります。

 

最小の工数で、最大のインパク

「方針を明確に」と書きましたが、これが曲者です。経営から降りてきた方針を、そのまま下に伝えようとする管理職も結構います。経営方針は、多くの従業員に伝える必要があるため抽象的な表現でしか示せません。管理職は成果をあげるために、何をすべきかを課題化する必要があります。その際、最小の工数で最大のインパクトを与えられるのは何か?という視点で方針を考える必要があります。リソースは限られるので、やりくりを工夫するしかないわけですから。

 

方針の粒度

方針を表現する時、言葉の粒度も問われます。抽象度が高すぎると部下は何をしたらいいか途方に暮れます。逆に具体的過ぎても、やらされ感で一杯になります。部下が創意工夫できる余地があるぐらいの、ちょうどいい塩梅で設定することが求められます。

 

駄目だと思った時点で修正する勇気

会社の方針や、職場やマーケットの現状を考えながら、部門方針を策定していきます。しかし、変化の激しい時代です。考え抜いた方針も、いざ活動を始めたら、「いけてない!」「このままでは、駄目だ!」と思う状況に追い込まれることもあります。そんな時に、一度決めた方針に固執しないという勇気も求められます。部下はその姿をよく観察しています。部下が迷いなく仕事に取り組めるような方針を策定したいものです。

 

【マネジメント】部長の期待役割の変化と弱音を吐ける勇気の必要性

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主人公の役職が変化するビジネス漫画と言えば「島耕作」シリーズ。若い時はよく読んでいました。しかし、今振り返ると「運」と「女性」で出世していく、イケメンラッキーおじさんの話だったようにも思います。さて、今日は島耕作の話ではなく、部長の役割について考えます。

長期思考とリーダーシップ

2000年代までは、部長に求められる役割のNo1は長期思考でした。短期の業績はもちろんですが、それ以上に長期の視点で考える人材が求められました。10年後事業をどのように成長させていくのか?そのための組織風土をどのように変えていくのか?課長までがより短期の成果を期待されたので、それと対比して長期が強調されました。そしてもう一つが、事業と組織をリードする強力なリーダーシップです。私と同じバス(事業)に乗れますか?乗るのであれば、私の指示・命令に従ってください。のようなイメージです。

リソースの確保と新しいビジネスモデル

20年経って部長の役割も変化してきています。企業の人事責任者にアンケートを取ると、部長の期待役割の上位は次のようにになります。

最初に上がるのは、リソースの確保です。人を中心に、これまでの社内リソースだけでは事業の見通しが厳しいという認識です。社内外のリソースを発掘して、引っ張っていく役割が期待されています。20年前、30年前には期待役割として上位には決して上がってこなかった項目です。

2点目がイノベーションです。従来のビジネスモデルではサステナブルな視点で難しいということです。ただ、これは多くの部長からするとハードルが高い期待役割でしょう。従来のやり方、従来のビジネスモデルに最適化してきたからこそ、成果を上げ続けることができたのですから。そのため、自己否定を突きつけられる場合もあるわけです。最後のリーダーシップは言葉こそ同じですが、中身はだいぶ変わります。俺についてこい!強いリーダーシップではなく、多様なメンバーの力を引き出すサーバント型なリーダーシップが期待されています。

これらの新しい役割を期待されつつ、今まで以上の短期業績へのコミットメントも期待される。長期と短期、既存事業と新規事業、強いリーダーシップとサーバントリーダーシップ。右手も左手も両方から引っ張られているようです。

弱音を吐ける勇気

期待役割からして矛盾しているので、実行するのは難易度高すぎです。「出来ません」と弱音を吐ければ楽なのですが、部長まであがると弱音は吐けない人がほとんどです。これまでの努力を考えたら旗は下せません。でも、そういう頑張ってしまう人がいるから、企業不祥事に繋がったりもします。部長で大切なのは弱音を吐ける勇気なようにも私は考えます。

 

 

【マネジメント】年末の振り返り方法をご紹介!区切りは大事

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今年も残り僅かとなりました。私の部門も先日、今年最後の会議を行いました。今日は私が実践している年末最後の進め方についてご紹介します。

区切りは大事

企業勤めだと年内というより、上期/下期とかクォーター毎に振り返りを行うかと思います。タイミングはそれぞれの事情にあわせて実施すれば良いのですが、大事なのは振り返りの内容です。

定量と定性の両面で振り返る

私が会議で振り返るのは下記項目です。

  1. 会社全体の業績
  2. 部門業績
  3. 部門計画の進捗
  4. 個人別

まずは、全社の状況を数字で振り返ります。全社の業績を把握している意識高い系のメンバーは少ないかと思います。しかし、全社の業績は自身の仕事にも大きな影響を与えます。同じように本部や部門業績についても、メンバーに伝えておくことは大切です。この時に大事なのは、比較を示すことです。対予算だけではなく、前年同月と比べたらどうなのか?競合と比べたらどうなのか?という視点です。数字を示すのは、健全な危機感を共有するためです。特に業績が良い場合の危機感は大切です。業績が伸びていても、競合がさらに伸長しているのであれば、活動スピードを上げる必要があるかもしれません。取り巻く環境を客観的に振り返るためにも、ファクトを正しく伝えることと、管理職としての見立てを伝えることが大切です。

計画を振り返る

業績面の振り返りの次は、部内の業務進捗の振り返りです。私はまずは◯計画を上回る、△及第点、✖️進捗遅れで一覧できるように示します。このような見せ方をする事で、部内の全体感を示します。進捗の評価は少し厳し目に出すようにしています。計画を立てる時にKPIも作くるので、基準としては使いますが、KPIに達していれば◯とはしていません。状況も変化しているので、期初より目標水準を上げなくてはいけないもの、逆に下げなくてはいけないものもあります。それらを加味して上司の立場からは、◯✖️△をつけます。そしてもっと大事なのは、その見立ての根拠を述べることです。それも出来るだけ端的に。メンバーからすれば、自分の担当業務へのコメントは気になりますが、それ以外の関心は薄くなります。一つひとつにあまり長くコメントしても忘れてしまいます。会議での振り返りの目的は、メンバーのベクトル合わせなので、長々と説明するのは避けるようにしています。

個人別の感謝の言葉

年内最後の会議でのハイライトは、メンバー毎に私から仕事ぶりに対して感謝の言葉を伝えることです。メンバーは13人いるので、1人ずつコメントを書くので結構大変です。「ありがとう」や「頑張った」などありきたりの言葉を伝えられてもシラけるだけなので、ディテールをどこまで伝えれるかです。分かりやすい成果を上げているメンバーへのコメントは思いつきやすいですが、ルーティン業務を担当しているメンバーのコメントは苦労します。普段から仕事ぶりを観察していないと書けません。感謝の言葉を画面に映しだして、声に出してお伝えしました。みんな喜んでくれたようで良かったです。

一人ひとりの振り返りコメント

私からメンバーへの感謝のコメントは会議のハイライトですが、真の目的は一人ひとりから、自分の今年一年の仕事ぶりに関して振り返りのコメントをしてもらうことです。上司からの感謝の言葉を受けて感情も高揚しています。そんな状態でコメントしてもらうので、温かく、真摯な雰囲気のコメント大会となりました。おかげで良い感じで年を越せそうです。

 

 

【ビジネススキル】報告が出来ない若手社員

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私の生業は企業の人材育成支援です。イメージしやすいのは、企業で実施される管理職研修や新入社員研修の企画運営になります。年末から年始にかけては、新入社員のフォロー研修や2年~3年目社員の研修のご相談が増えます。研修を企画するにあたって、人事部からの要望でよく伺うのが、「報告ができない若手が多い」です。今日はこの話題について考えます。

いつの時代も共通の課題

「報告が上手く出来ない若手問題」は今に始まった事ではなく、昔から相談の多いテーマです。20年前から研修テーマとして扱うように記憶しています。ただ問題の中身が少し変化してきているような肌感は感じています。それは、報告に関する技術的な問題から、上司と部下の関係性に関わる問題の方が根深くなってきたという感覚です。

報告に関する技術的な問題

これは一言で申せば、「ちょっと何言っているか分からないんですけど?」です。大きくは2つの技術的問題が起因しています。一つは、ロジカルに構造化できていない。もう一つは表現方法です。どちらとも、学生時代に馴染みが薄いので、上手くいかないのは仕方ないようにも思います。もっとも、最近の若手は学生時代からプレゼンテーションにも慣れているので、20年前の若手よりは遥かにレベルが高いようにも見えます。

関係性の問題

より新人、若手を悩ましているのが上司や先輩との関係性を構築することにあるように見えます。例えば、上司な先輩が忙しそうにしていると、報告するタイミングを逸してしまう。些細に思える報告ほど気軽に報告できない。関係性が出来ていないので、緊張して上手く話せない。上司先輩の立場からすると、そんな様子を見ると、タイミングも悪く、話の要領も得ない新人後輩のように映ります。また、報告はビジネスの基本中の基本なので、上司先輩からすると「そんな事も出来ないのか」と落胆します。

組織の問題としても捉える

コロナ以後、リモートワークも増えて職場での関係性を構築するのが、新人若手にとって難しくなっています。職場内で意図的にメンバーの関係性を作る時間を作ることが大切になります。例えば、私自身は毎週のミーティングの前に雑談の時間を取るようにしています。「週末の出来事」「寒さ対策」「秋に訪れたい場所」毎回、テーマを変えて、時にはフリーテーマで雑談します。このような時間を取るだけでも、メンバー相互の理解が進み、関係性も構築しやすくなります。

報告が出来ない、報告が苦手な若手社員として捉えると、問題は個人のスキル不足になります。しかし、よく観察してみると組織内の関係性にも問題が内包されている場合もあります。個人と組織、両方に着目しなくてはなりません。