クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【マネジメント】メンバーのやる気を引き出す5つのコツ

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いくら素晴らしい事業計画があっても、職場のメンバーが動いてくれないと計画達成は出来ません。しかし、メンバーをその気にさせるのに管理職は苦労します。仕事に対する価値観や経験、動機も違うわけですから。今日はメンバーのやる気を引き出すコツについて考えてみたいと思います。

承認欲求の重要性

管理職がメンバーのマネジメントを行う際に有効なねが相手の承認欲求を満たすことです。人は誰でも自分自身に最も関心を持ちます。しかし、管理職は職場だとその事を忘れがちです。仕事なんだから当たり前という感覚を抱くのは仕方ありません。仕事柄、様々な企業の管理職と会う機会が私は多いです。その会社でマネジメント上手と言われる管理職のほとんどがこの欲求承認を満たしているように見えます。欲求承認は単に誉めるということだけではありません。例えばこんな行為を指します。

  1. 働きぶりを評価する
  2. 苦情に対応する
  3. 励ます
  4. 意見を求める
  5. 情報を開示する

 

働きぶりを評価する

結果を誉めるだけの管理職はちょっと残念です。結果とあわせて、プロセスをしっかり評価してあげることです。プロセスのディテールを把握して具体的に評価してあげるとメンバーのモチベーションは高まります。「そこまで私の仕事を見ててくれたんだ!」と感じるだけで嬉し悔しいなります。また、本人が気づいていない視点、多くは自分でさ当たり前だと思っていたプロセスも評価してあげると本人の気づきにもつながりさらに効果があります。これを行うには、観察眼と国語力が問われます。

 

苦情に対応する

職場では毎日、些細な苦情が発生します。側から見ると、取るに足らないように聞こえるかもしれませんが、メンバーの動機づけが上手い管理職はちゃんと対応しています。対応する=あなたを大切にしていますよ。というメッセージになることを理解しているからです。

 

励ます

単に頑張れでは芸がありませんし、良かれと思ってアドバイスしてしまうのもお勧めしません。まずは、メンバーの想いを聞いてあげること。想いを聞いた上で、できる限りの支援することを伝えるのがお勧めです。

 

意見を求める

普段からメンバーに意見を求めることも大切です。最終的には管理職が意思決定しなくてはいけませんが、メンバーから意見を求めることで参画意識が高まります。

 

情報を開示する

仕事に関する情報は、早い段階で開示しておく方が良いです。自分の仕事と全体との関連性が見えると、仕事に意義づけがしやすいからです。もちろん、全て開示すれば良いという単純なものでもありません。今、その話を聞かされてもと戸惑う情報もありますから。

どれも些細な事ですが、こういうことが習慣化されているかいないかだけで、メンバーのモチベーション管理はだいぶ変わってきます。

【マネジメント】きちんと測ろうとすればするほど、社員の不満は高まる

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人事制度構築の依頼が急増しています。メンバーシップ型からジョブ型への相談が多いです。今日は企業の人事制度、とりわけ評価について考えてみたいと思います。

人事制度改革の背景

DXに代表されるように、事業改革の必要性が増した事、コロナによるリモートワークの増加、個人の働き方の多様化などが背景にあります。人事制度は評価、賃金、処遇、育成等から構成されます。全て重要ですが、特に評価に関しては重要になります。社員にどのような成果を上げて欲しいか、その為にはどんな行動をとってもらいたいかなどのメッセージを伝えることになるからです。企業風土や企業文化に大きな影響を与えます。

 

評価への不満

人事制度を構築する際は、必ず社員へのインタビューを行います。現在の働き方や、成果の出し方、マネジメントの実態等々。多岐に渡る質問をします。質問項目の一つに現在の人事制度についても質問をします。すると、回答の多くは評価に対する不満。部門間、個人間の不公平に関する事柄があがってきます。評価が処遇に紐付いているため当然です。

 

きちんと測ろうとすることの弊害

公平性は人事制度を検討する際の論点に必ずなります。当然、人事部は「評価の公平性を高めねば!」という発想になります。そして公平性を高めるためには、評価における数値化を高めて成果を明確にしようと考えます。数値化つまり成果にフォーカスをするということです。論理的に考えれば筋が通っているように見えます。しかし、実際に成果偏重にすると社員の不満は高まります。成果をきちんと測ろうとすればする程、社員はきちんと測れていないことに苛立ちを感じます。成果を重視すればするほど、公平性への要求が高まるという皮肉な結果になるわけです。

 

ノーレーティングが一つのヒント

では、どうすれば良いのから?ヒントはノーレーティング(評価しない)にあります。ノーレーティングとはMicrosoftやGE社など米国の大手企業で導入されて注目をされるようになりました。評価しないと書いてありますが、評価はします💦 パフォーマンスの結果を等級づけしないだけで、一人ひとりの業績や行動の評価は当然行い、処遇や能力開発目標などはきめ細かく設定します。ポイントは他の人と比較しない。あくまで個々に向き合って個別評価することになります。通常は等級の箱の中で管理されます。10人部下がいれば、1人はS評価。1人がA評価、5人がB評価で3人がC評価と言った具合です。もっとも大前提として、管理職のマネジメント力がかなり優れていないと成立しませんし、事業自体が成長しないと十分な処遇も用意することができません。つまり、ノーレーティングの仕組みを導入できる企業は限られます。

ただ、日本企業の多く前述した通り、処遇の為に成果の公平性を重視する傾向が強いです。そして、測ろうとし過ぎてかえって社員の不満を高めています。むしろ、社員の成長にフォーカスした方が個人も組織も上手くいくように思います。

 

【マネジメント】チームワークと人事制度

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職場のチームワークについて、先週から4回に分けて考えてきました。まずは信頼が土台として築けており、その上で生産的な意見の衝突を歓迎し、意思決定を恐れず、メンバー間で高い水準での行動基準を要求し合う。最後のワンピースは、チームの結果への責任感です。ここは、実はかなり難しいハードルです。

個人の利益に注目しがち

私が好きなプロサッカーチームを想像すると、その難しさがよくイメージできると思います。サッカー選手は個々がプロフェッショナルな存在です。チームのタイトルに貢献することが、自分の価値に繋がることを最初は理解、合意できています。しかし、リーグ戦も終盤になると優勝争いしているチーム、残留争いしているチーム、どちらも関係ないチームと取り巻く環境は変わってきます。チームワークは大事なことは理解していますが、同じように個人キャリアを高めたいと考えるのも当たり前です。パスの選択肢もあったが、強引にシュートを打っていくなんてことは普通にあります。でも、チームが機能するためには個人の目標よりグループ全体の結果を優先しなければいけません。しかし、プロフェッショナルの集まりだからこそ、チームワークを築き維持するのが難しいのが実際です。毎年、優勝争いに絡むチームは個々のチームへの貢献が周り回って自分の価値を高めることを信じて疑わない選手が揃っているチームです。これが勝利のメンタリティと呼ばれる一つかなと私は考えます。

評価制度を再設計する

個人の利益に目が行きがちなのは、ビジネスパーソンも同じです。個人の生活がかかっているわけですから当然です。それを是正するためには、報酬制度や評価制度をどのようにデザインするかが重要になります。チームワークが重要だと掲げていても、評価項目が個人別を重視していればメンバーは困惑します。管理職もマネジメントがしづらくなります。人事制度、評価制度は社員にどんな行動を促すかの羅針盤です。どのような行動を取って、どのような成果を上げれば、どのように評価されるかが分かるかが理想です。人は評価されたから行動する訳ではなく、評価されると分かっているから行動します。全ての仕事に万能な人事制度はありません。どんな人事制度でも最後は現場のマネジメント力が問われます。とは言え、会社や人事部が、社員に対してどのような働き方を期待するのかデザインしなければ、現場の管理職も思いきってマネジメントできません。現場でチームワークの発揮を期待するのであれば、人事制度、評価制度を整えることも非常に重要な要素です。

【マネジメント】優れたチームは互いに要求し合う

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先週から、職場で優れたチームワークを発揮すれための方法について考えてきました。ベースになるのは信頼関係であり、アウトプットを出すためには衝突も厭わない。さらに意思決定を恐れずアクションを起こすことの重要性を書いてきました。ここまで出来ればかなり優秀なチームです。しかし、まだ足りない要素があります。それがお互いに要求し合うことです。

ボールの置き場所

私はサッカーが大好きです。特にJリーグ横浜F・マリノスを応援しています。プロの試合はプレッシャーとスピードが半端ありません。数十センチのボールの置き場所や、身体の向きが違うだけで局面に与える影響は変わります。だから強いチームほど、味方選手への要求は高くなります。「左足の数センチ先にバスが欲しい!」「このタイミングでこの位置に走り込んでくれ」「守備位置はあと1メートル高く設定しよう」ピッチ内外で要求し合えるのが強いチームです。でも、ビジネスパーソンは職場内で要求し合うのは難しいです。対人関係が悪くなりますし、難しい会話は避けようとするのが人間の性質だからです。

 

昔のコンサルタント

人材育成のコンサルタントになった時は、この要求し合う文化には馴染めませんでした。例えば、仕事が成功して大きな受注が取れた時のことです。先輩コンサルタントが祝勝会を開いてくれたのですが、最初は楽しく飲んでいたのですが、後半はもの凄い勢いで説教されました💦説教になった理由は、一つの受注で私が満足しているのが気になったためです。それぐらいで喜ぶな!もっとお客様の立場で考えろ!もっとよくするためにはどうしたらいいか考えろ!まあ、酒の席で説教し始めるのはどうかと思いますが、当時はメンバー同士の期待水準が高く、いい合うのが当たり前でした。不思議なことに翌日は、何事もなかったように笑顔で話かけられます。この切り替えの早さ何⁈でしたが、お互い尊敬しているから、相手の仕事ぶりに期待を寄せているからこそのリアクションだったと思います。精神的なプレッシャーは大変でしたが、お互い切磋琢磨できますし、期待は裏切れないといい仕事をしようという意欲にも繋がりました。

 

普通の職場で、要求し合うには

サッカー選手やコンサルタントはプロフェッショナルな意識が高いので、要求し合う文化に馴染みやすいですが、普通の職場だと難しい面もあります。メンバーが互いに要求しやすくなる方法の一つは、目標と基準を明らかにすることです。成功するためにはチーム全員がどのように行動する必要があるかを明確にすることです。私が営業マネジメントを担当していた時は、お客様からのメール、電話は24時間以内に打ち返す。宿題を頂いたら3日以内、提案の機会を頂いたら1週間以内に提案するなどの基準を作ってそこだけは口酸っぱく指摘していました。まあ、私がフィードバックするだけでは効果ないので、定期的にメンバー間でフィードバックする機会もつくりました。寧ろメンバー同士でフィードバックすることを大切にしました。上司が指摘してくれると思っているチームは主体性が育ちません。お互い要求し合う文化を形成するのはかなり難しいですが、築けたらどんな戦略よりも力を発揮します。ポイントは基準を明らかにするだけでなき、相互でフィードバックする機会を設けることです。個人任せだとフィードバックしませんから。

 

個人よりチーム業績を意識させる

もう一つ些細な事ですが、個人の業績ではなくチームの業績にフォーカスさせることも重要です。ちょっとしたことなのですが、メンバーの責任感にも大きな影響を与えることになります。これはまた次回お話します。

【マネジメント】職場で全員一致を求めるのは愚策

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職場のチームワークを築くのが難しい理由と、そんな中でもチームワーク形成するための方法論について考えてきました。信頼関係で結ばれたメンバーと衝突も厭わず意見をぶつけ合う。かなりイケてる職場に見えますが、まだチームワークが機能するにはいくつか留意するポイントがあります。今日はその辺りについて考えてみたいと思います。

職場で全員一致を求めるのは愚策

チームワーク=一致団結をイメージしやすいですが、職場で全員一致を求めるのは愚策です。大事なのは完全な合意に達しなくても、メンバーから支持を得られる方法を考えるべきです。理性的な人であれば、例え自分の意見と異なった結論だとしても、自分の意見が聞かれ、十分考慮されたことが分かれば納得するものです。そういう姿勢が、職場で決めた最終決定を支持しようと思わせます。決して悪いジャイアンのように「のび太〜分かっているよなー!」を全員一致を共有するこは全く意味ありませんし、皆んなが賛成しているのだからと同調圧力をかけるのも無駄なアクションです。

意思決定のタイミングを逸しない

優れたチームワークを発揮できる職場は、何も決めないよりも何か意思決定して行動した方が良いことを理解しています。動いて違っていたら修正すれば良いだけですから。駄目な職場は、決定が正しいという確証が持てるまで先延ばしします。そうこうしている間に、職場に無気力と自信の無さげな雰囲気を生み出してしまう危険性が高いです。いくら信頼関係が構築され、生産的な衝突が起こる職場であっても、意思決定のタイミングを逸すると機能しません。タイミングを逸しないためには、単純ですが意思決定の期限を定めることです。お尻を決めておくと、それに向かって動きだしますから。もしくは、誤った意思決定してもダメージが少ないように、直ぐ着手するかです。

失敗しても管理職は動じない

ただ、早く動いたことが結果的に誤った意思決定に繋がることもあります。そんな時、大切なのは意思決定を下した管理職が動じないことです。多くの真面目で人のいい管理職は、誤った意思決定したことに狼狽してしまいます。でも、そこでリーダーがぶれるとメンバーはもっと動揺します。そんな時は、「失敗しちゃった」と笑ってやり過ごしてください。