クマ坊の日記

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【マネジメント】チームワークには衝突が不可欠

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前回、職場でチームワークを醸成するには信頼関係の構築が最初の一歩であることをお伝えしました。一歩目があるということは二歩目もあります。それは、「衝突」です。今回は職場のチームワーク形成と衝突について考えてみたいと思います。

 

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衝突にも意味がある

少年マンガの世界では、ライバルだった2人が衝突を経て強力な信頼関係を築くケースがよく描かれます。ドラゴンボール孫悟空ベジータなんて典型的ですよね。しかし、これはマンガの世界だけの話ではありません。子供の頃からの親友とは、過去、前向きな衝突があったのではないでしょうか?パートナーとも衝突しながら、信頼関係が深まっていくという経験をされている人も多いと思います。

ところが、職場だとこの衝突というのはタブーです。メンバー同士が衝突する場面には管理職としては、遭遇したくないのが本音です。しかし、ここで避けたい衝突とは破壊的な争いや個人間の政治争い、縄張り争いの類いです。生産的な意見の衝突は寧ろ大歓迎です。悩ましいのは、生産的な意見の衝突も、不毛な衝突も、側から見れば同じに見えてしまう点です。激しい口調、感情的な発言、不満、不平など、部外者からは不毛な争いと誤解されやすいです。

 

コンサルタントの衝突

我が社は大きなプロジェクトになると、複数のコンサルタントを招集して意見交換を行います。毎回、喧々諤々です。寧ろそのような場で自分のポジションを取れない(自分の意見を主張できないこと)コンサルタントは力がないとみなされます。喧々諤々の議論を行うのは、短時間で徹底的に話し合う方が早く解決策を導き出せると実感しているからです。しかし、この話合いに開発スタッフや営業が同席すると恐れ慄きます。「こんなにまとまっていなくてプロジェクト大丈夫だろうか?」

逆に私たちは、メンバーの感情を傷つけないために衝突を避けた結果、かえって無用なメンバー間の緊張を高めてしまう方がタチが悪いと考えます。無駄な議論は時間とエネルギーの浪費です。

ただ、衝突するには前提としてメンバー間の信頼関係がないとできません。

 

混沌を放置する

ではどうしたら、衝突を恐れない職場は形成できるのでしょうか?コンサルタントは長年培われてきた文化、習慣の中で体得していきます。同じ事を、普通のビジネスパーソンは体得できるのでしょうか?結論から言うと勿論可能です。私自身も営業マネジメントを担当していた時にそのようなチームを作ることができました。手順としては下記のように進めました。

  1. 衝突を歓迎することを伝える
  2. 問題を掘り起こす&掘り起こし役を指名する
  3. 衝突を後押しする
  4. 混沌を放置する

まずは、多くの人が衝突を避けたがる事実を認めることです。その上で、何故、自分は衝突を歓迎するのか説明を行います。次にいくつかのプロジェクトを発足させました。不平不満は燻っているが、それを掘り起こすと衝突が起こるので放置されてきたような問題をプロジェクトで担当させます。営業と事務スタッフの間に落ちている仕事や、営業同士のノウハウの共有の問題など。その時に問題意識が高いメンバーをプロジェクトのリーダーに据えるのがポイントです。実際プロジェクトが始まると、総論賛成各論反対の場面が出てきます。当然、対立が起こり気まずい雰囲気にもなります。その時に、管理職は再度、衝突を推奨する声がけが必要です。意見の対立は問題を解決するにおいて避けてはいけないこと。中途半端な結論で状況が変わらないことが最も避けるべきこと。チャレンジしての失敗は問題ないこと。新たな試みに必要なリソースは可能な限り支援すること。などを伝えなければいけません。

また、衝突が起こった時に管理職は早く衝突を解決したいという衝動にかられます。管理職自らが、解決策に助力したい気持ちも分かります。しかし、そこはグッと堪えて混沌を放置しましょう。混沌を注意深く観察しておく必要はありますが基本は中立なスタンスです。管理職が介入すると、メンバーの衝突への対応能力を育てる貴重な場を奪うことになります。メンバーを信頼することが求められます。悶々としますがそこは辛抱です。

当然、失敗するプロジェクトも出てきますが、人材育成の機会だと考えれば安いものです。

 

松田直樹

私が応援する、横浜F・マリノス には永久欠番の背番号があります。その背番号をつけていたのは故松田直樹さんです。サッカー大好き小僧がそのまま大人になったような選手でした2003年 2004年の連覇した時の中心選手であり、日本代表でもありました。当時ねチームはヤンチャで、グランド内では選手同士で怒号が飛び交っていました。勝利の為に要求し合う、衝突し合うのが当たり前だったんですよね。松田さんは日本代表監督とも試合中に衝突して、試合中に家に帰ってしまったという伝説も作った選手でもあります。強いチーム、心に残るチームというのには、衝突は不可欠なんだと感じます。

 

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【マネジメント】職場のチームワークを築くのが難しい理由

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チームワークの重要性は多くの人が賛同しますが、職場において本物のチームワークほど実現するのが難しいものはありません。企業が他社との競争に打ち勝つには、戦略、技術、財務など様々な要素がありますが、とりわけ人、そしてチームほど強力で稀有なものはないように感じています。今日はチームワークについて考えてみたいと思います。

プロスポーツチームでも難しい

チームワークというのは、プロスポーツチームでも形成するのは難しいように思います。私はJリーグをよく観戦しますが、外からチームワークの良さを感じるのは、横浜F・マリノス川崎フロンターレの2チームです。奇しくも現在の上位チームですが、この2チームは外国人も含めて要求し合っているように見えます。フロント、スタッフ、サポーターまで含めると横浜F・マリノスが断トツですが💦 

チームワークがプロチームでも築くのが難しいのは、プロだからでもあります。個人事業主の集まりでもあるので、自分の弱みは見せれません。チームメイトでもあり、ポジションを争うライバルでもあります。自分の弱みを出してもその事が自分に不利にならないと信じることが出来るのが前提です。チームとして戦い方のフォーマットが決まっており、その中で個人の持ち味も活かせるようにもなっていなければなりません。その上で、フロントは現場が求める人材を獲得してくる。チームワークを発揮するためには、環境も含めて多くの関係者の努力が必要なわけです。  

翻って私たちビジネスパーソンの職場を考えると、さらに信頼を構築するのは難しくなります。何故ならプロフットボーラーよりも実力が分かりにくいためです。社内ポジション的には上でも、何でこんな人が責任者務めているの?と思う時もあるでしょう。さらに厄介なことは、成功している人のほとんどは、キャリアアップの過程で、同僚と競争したり、自分の評価を守ったりする術を学んできます。

チームが信頼を築く初めの一歩

自分の弱みをさらけ出すような信頼を一夜で築くことはできません。長期に渡って経験を共有し、何度も約束を守って信用を高め、職場メンバー個々の特徴を十分把握する必要があります。ただそんなに堅苦しく考える必要はありません。私がお勧めするのは、チームで個々人のヒストリーを語る時間を会議の冒頭とかで時間をとってみることです。事前に質問を用意しといてそれに答えることで、メンバー間の個人的な結びつきを深めることができます。出身や趣味、家族構成、子供時代の習い事、最高な仕事、最悪な仕事経験など答えやすい質問が良いでしょう。ちょっとした個人的な情報を知っていることで、上司、部下、同僚ではなく○○さんと1人の人間として相手に関心を持つ事できるようになります。これはとても大切な事です。相手に関心を持たなけば信頼も何も始まりません。ちょっとお互いを知っている事だけで信頼関係を構築するのが楽になることがあります。最初の一歩としてはお勧めです。

【マネジメント】管理職の聴き方と声のかけ方

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マネジメントを行う上で職場のコミュニケーションはとても重要です。そんなことは、働いた経験がある方は誰でも分かっている話です。しかし、実際にはコミュニケーション上手な管理職とそうでない人で分かれます。その差は、ほんのちょっとした聴き方の差だったりします。今日は管理職の傾聴について考えてみます。

聴くとは心に寄り添うこと

九州の営業責任者をしていた事がありました。エリアは九州・沖縄地域の全域です。当然、メンバーは月に何回か担当地域に出張に向かいます。出張の前にメンバーは、上司の私に目的や訪問先を報告してくれます。その時に意識していたのが、「聴く」ことです。話の内容だけでなく、メンバーの表情に注目していました。報告の際にメンバーが浮かない表情をしていると、「あれ?いつもと表情が違うな。何か不安な事があるのだろうか?」とか勘繰ってしまいます。そんな時は、メンバーによって声がけの仕方を変えていました。例えば「出張は移動だけでも大変で憂鬱になるよね。今回の出張で不安なことある?」相手の心に寄り添うことを意識していました。聴くは、話の内容だけでなく、相手の表情、仕草、アイコンタクトを含めて見ることで、相手の状況を掴み、出来うれば相手の心に寄り添うことだからです。

 

管理職の傾聴の目的

  1. 信頼関係の構築
  2. 業務の質の向上
  3. メンバーの成長

管理職が傾聴する目的さ3つです。人は話す人より、自分の話を聴いてくれる人に信頼を寄せるものです。「私のことを分かってくれている」「私に関心を持ってくれている」とメンバーが実感できば、信頼して一緒に行動してくれます。管理職はメンバーより実績や経験があるケースが多いのですし、自分が職場をリードしなければと気負いがちなため、つい自分の話を優先しがちになるので注意が必要です。

 

傾聴の仕方

  1. 共感し受け止める
  2. 自分の心を整える
  3. アイコンタクト
  4. うなずき、しぐさ、あいづち
  5. 繰り返し
  6. 話の要約

まず基本姿勢として共感し受け止める姿勢を大切にしてください。共感とは相手の喜怒哀楽の感情を共有することであり、相手の言いたい事、感じて欲しいありのままに理解することです。管理職は忙しいので、そんな悠長な時間など取れないという方もいると思います。「うだうだ言ってないで、仕事なのだからしのごの言わずにやれ!」と言いたくなる気持ちも分かります。でも、それではメンバーの力を引き出すことはできません。一見遠回りのようですが、共感する姿勢を持っているか否かで、メンバーのパフォーマンスは変わってきます。そのためには、自分の心を整えていくことが必要です。自分に余裕がないと傾聴はできません。アイコンタクトも管理職は忘れがちです。例えば、メンバーから話をしている時にパソコンで作業をしながら話を聞くとか。メンバーからすれば、自分の話よりこちらの作業の優先度が高いと言われているように見えてしまいます。

頷きや前に乗り出す姿勢は、「あなたの事を私は尊重してますよ」というサインになります。せっかくメンバーの話を聴く機会を設けても、聴き方が上から目線だと、残念な結果になるので、しぐさや相槌、声のトーンやテンポの引き出しを増やすようトレーニングすることです。一番のトレーニング方法は、パートナーの話を聴くことです。

 

【マネジメント】何でも言い合える職場は素晴らしいのか?

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昨今、マネジメント界隈でバズワードとなっている言葉の一つに、「心理的安全性」があります。今日はこの言葉について考えてみます。

心理的安全性

心理的安全性とは、ハーバード・ビジネススクールの組織研究の第一人者、エイミー・C・エドモンドソン教授が作った言葉です。「自分のアイデアや質問、懸念、間違いを話すことで、罰せられたり、恥ずかしい思いをさせられたりすることはないという信念」を意味します。

 

何でも話し合える職場?

先日、営業マネジャーと雑談をしていました。彼は現在のチームは何でも話し合える雰囲気であることを嬉しそうに語ってくれました。管理職自身が自分のマネジメントに手答えを感じていることは素晴らしいと感じました。ただ、老婆心ながら「管理職自身が、何でも話し合える雰囲気と言わない方がいいと思うよ」と冷や水をあびせてしまいました💦 職場は様々な人間関係や役割立場があります。何でも話し合えるているように見えるのは、一部分に過ぎないように思います。特に部下は上司の事を信頼していたとしても、信頼しているからこそ話せないこともあるかもしれません。

 

心理的安全性は信念がキーワード

エドモンドソン教授は前述した心理的安全性の最後に信念という言葉を使っています。これは非常に重要なキーワードです。心理的安全性がバズワードになってから、話しやすい=心理的安全性と誤って認識してる人もいるように感じています。心理的安全性は決して仲良しクラブではありません。お互いのミスは積極的に指摘しあえるような状態です。実際に、心理的安全性の高いチームは、低いチームと比較するとミスが多いという傾向も見られます。ガンガンお互いにフィードバックするから、小さなミスを見逃さないわけです。出て来たミスを改善して大きなミスに繋がらないようにしたり、逆に成功に導いたりできます。

その為には、メンバー1人ひとりが心理的安全性を信じ込めるかどうかが重要になります。「何でも質問できる」「弱さや間違いを曝け出せる」「どんな意見を言ってもいい」「現状の批判も歓迎される」これらを信じ込めるかどうかです。

本音で自分らしく表現したり、場の空気を読まない発言であっても人間関係が悪化しないと信じられる状態を作り出すには相当な覚悟がいります。管理職の考え方、所作、言葉にメンバーは影響を受けることを肝に命じなければいけません。

私自身はそのような事を大事にしつつも、メンバーが話せないこともあるというスタンスでマネジメントしています。人間は不完全な生き物だから💦 

【ビジネススキル】あなたの職場は「声かでてますか?」

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ちょっと前のサンデースポーツで、巨人のヘッドコーチの元木さんと、元阪神藤川球児スペシャル対談が放送されました。普段は野球に興味ないのですが、内容が面白く見入ってしまいました。今日はその時に感じたお話です。

10連敗のベンチ

昨年、巨人はシーズン終盤の優勝争いの最中に10連敗しました。その10連敗中、守備から戻る坂本選手から「ベンチ暗い!」の指摘があったそうです。その指摘を受けて、元木ヘッドコーチは心の中で「坂本すまない!」と思ったそうです。外からベンチがどのように見えていたかまで意識が回らなかったそうです。

 

強かった時代のホークス

そのエピソードから話題は「声出しの重要性」に移ります。元木ヘッドコーチが解説者時代に度々訪れたホークスの練習場での出来事について話されていました。2011年前後の話です。当時のホークスは野球界を牽引していました。打者では内川選手や松田選手が牽引。投げてはエースの摂津や抑えのサファテが活躍していた時代です。練習場で松田選手を中心に、選手からよく声が出ていたのを見て、チームが何故強いか理解できたというのです。元木ヘッドコーチは集中していないと、あそこまで練習から声は出ないといいます。本人が現役時代は、「声出し」の重要性は理解していなかったそうです。むしろプロ野球なんだから、いまさら学生の部活のような声出しなんか関係ないと思っていたそうです。聞き手の解説者の藤本さんも、現役時代は同じ考えだったと話されていました。現役を引退した2人が、声出しの重要性について語っている点がとても興味深かったです。

 

横浜F・マリノスも声がよく出る

私が応援している、Jリーグ横浜F・マリノスも練習でも試合でもよく声が出ています。コロナで無観客の試合をDAZNで見るようになってから、余計にそのように感じます。しかし、声が出るようになったのは優勝した前年ぐらいからです。それまでは、割とおとなしい雰囲気でした。

 

職場も同じ

声出しが大切なのは、我々の職場も同じです。普段から声かけできていない職場はミスやトラブルが多くなりがちです。声がけはお互いを承認する第一歩です。結構、初歩的なことができている、できていないを見るだけで職場やチームの状態は測れるものです。家庭も一緒ですね。