クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

働き方改革に感じる違和感

 

 

仕事は悪?

国が推し進めている働き方改革。お客様へ伺うと残業問題が昨今は必ず話題になります。でも、この働き方改革って好きじゃありません。なんか、仕事=悪。プライベート=善みたいな論調が私は嫌なんですよね。

 

楽しい仕事もある

仕事って楽しいこともあります。楽しくて寝食忘れて没頭するなんてこともあります。そういう風に仕事にのめり込んでいる時、人は成長します。能力を上げる1番の近道は仕事の中に楽しみを見つけることです。だって、自分の趣味を考えてみれば明白です。何時間でも好きなことだったら続けていられますから。

 

単純な労働に面白さを見つけのは難しいという意見も聞きます。でも、一見単純に見える作業でも働く人の工夫次第で仕事は楽しくもなります。以前、ある食品工場に伺った時の体験です。ベルトコンベアから流れてきた箱にひたすらある食品を詰める仕事がありました。かなりの重労働です。作業している人はほとんど女性でした。その中の一人の年輩の女性が目に留まりました。作業しながら何かブツブツ話しています。近寄って見ると笑顔です。そして製品を詰める作業をしながら「美味しくできあがったね!」とか「あなたは○○の土地へ出荷されるよ」と話しかけています。後で話を伺うと「大変な仕事だけど、お客さまに食べていただけるのが嬉しい。製品に愛情を持っているので、言葉を自然とかけるようになった。それに笑顔で仕事していた方が楽しいでしょう」とサラッと話されていました。それを聞いて単純に凄い!と私は感動しました。

 

今、日本の働き方で問題なのは、自分の仕事を好きな人、自分の仕事を誇れる人が少なくなっていること。だから、単純に労働時間の長さだけで働き方を見直そうとする。管理する側は楽だろうけど、肝心の生産性はあがるのだろうか?

 

終わりのない長時間労働はアウト、でも仕事の熟達化には時間が必要

もちろん長時間労働を支持しているわけではありません。ずーっと長時間労働から抜け出せない働き方を強要する企業はアウト。でも、若い時期のある一定期間とかにハードワークしなきゃいけない、長時間労働せざる得ないのは問題ないと思います。その経験を通して成長し、余人に変えがたい付加価値を獲得することできるからです。どんな仕事でも熟達するのに1万時間かかるといわれています。単純に1日8時間働いたとして、年間250日出社したとして5年ですね。仕事を習熟する良質な経験だけだと仮定した場合の話です。実際は7〜8年かかるのではないでしょうか?若いときに良質な経験を得られないと、成長スピードは鈍化しいつまでたっても付加価値の仕事ができず、結果的に賃金もあがらないなんてことにもなりかねません。

 

 

仕事の生産性はアウトプットで測る

私は人材開発に関わるコンサルティングファームに勤めています。コンサルティングファームはプロジェクトを取って来ないと評価されません。どんなに専門知識や専門スキルを持っていても、その技術を使ってプロジェクトを獲得しなければ仕事がなくなります。他のコンサルタントのプロジェクトの補佐的な仕事をして食いつないでいくしかありません。何時間働いたかなんてことは評価されない組織です。ただ実際は、プロジェクトを獲得し続けるために、猛烈に働くのですが。(汗) バーチャルでもいいから、働く人の給料と間接費から時間当たりのコストを算出して、この人を何時間拘束するとどれだけのコスト増になるとかを明らかにするともっと生産性に意識がいくかもしれないと思います。