クマ坊の日記

人材育成と本とサッカーが中心のブログです

微差は大差につながります

大企業では、階層別教育やスキル教育とは別に、キャリア研修というものを開催している会社があります。30歳、40歳、50歳という区切りの歳に開催されます。年齢で選抜されるので、役職や職種もバラバラです。企業でキャリア研修が開催されるようになったのは、2000年代の初頭です。企画された背景としては、終身雇用制度が維持できなくなったことが大きいです。「定年まで面倒みれないから、自分のキャリアは自分で考えてね。」ということです。

 

その後、経済環境も持ち直してきたのでキャリア研修は一旦下火になりました。しかし、年金支給の開始時期が伸び、2013年に60歳を過ぎての再雇用が義務化されると、またキャリア研修が復活してきました。企業としては、65歳までは希望者は雇用しなくてはいけません。そこで、キャリア研修の企画の背景を一言で言えば「生涯現役!60歳過ぎてもバリバリ働いて!」です。

 

経済が右肩上がりの時代なら、企業も余裕があるのでいいのですが。今の時代、明日の経営環境は不透明です。雇い続ける以上、それなりのパフォーマンスを求めようと考えるのは経営としては当たり前です。

 

ビジネスパーソンのキャリア論は、様々な考え方があります。しかし、多くのキャリア研修で使われている考え方は、must・can・willの3つの視点から考えましょうです。mustは会社や職場からの期待。canは能力やスキル。willは自分がやりたいこと。この3つが重なるようなキャリアが望ましいことと説明します。

 若手には役割期待理解を、中堅・シニアには活躍領域の確立を促す

 

ただ普通、この3つの輪が始めから重なっていることは稀です。会社からは、一見つまらない仕事や無理難題がmustとして降ってきます。ビジネスパーソンのキャリア初期は当然できることも少ない。自分が何がやりたいかも分からない。。。

 

ビジネスパーソンのキャリア初期で重要なのは、canです。できること、すなわちスキルや能力を高めることでmustやwillと重なる部分を作ることができます。すると新しいwillを発見することができたりします。

 

私自身も、今の仕事で飯が食べていけそうだと感じるのに3年間。天職だと感じるようになるのに7年かかりました。入社当時はいつまでこの仕事続くだろうと考えていました。人間って現金で、出来ることが増えて自信がつくと、仕事にやり甲斐とか感じてしまうんですね。

 

では、ビジネスパーソンのキャリア初期で伸ばすべきcanとは何でしょうか?専門スキルや技術を高めておくことは重要です。しかし、専門スキルよりもさらに重要なスキルはポータブルスキルと呼ばれるものです。ポータブルスキルとは乱暴に申せば「コンセプチャルスキル」と「ヒューマンスキル」の二つです。コンセプチャルとは問題解決に必要な考える力。ヒューマンスキルはコミュニケーションスキルですね。これを鍛えておくとどんな仕事でも使えます。このスキルが厄介なのは一見見えないところです。でもみなさんの職場を見回すと、仕事ができると呼ばれている人の多くはこの2つのスキルを持っていることがほとんどです。ポータブルスキルを有しながら、専門スキルを持っている人はとても貴重な存在です。

 

是非、若いビジネスパーソンはご自身のキャリアを考えるときに、will must canのバランスで考えてみてください。特にcanの輪を広げることが得策です。そしてcanを検討する際は、専門知識や専門スキルだけでなくコンセプチャルスキルとヒューマンスキルを伸ばすことを意識するといいと思います。この二つのスキルを伸ばすには、自分に与えられた仕事より少しストレッチした仕事をすることです。つまり上司から指示された仕事に一手間加えた仕事をすることを常に意識することです。あとはどれだけその経験を積み重ねたかが重要です。入社したときにどんなに立派な学歴があっても、経験を積まねばポータブルスキルは獲得できません。毎日の少しの差が気づいたら大きな差になるものです。微差は大差につながります。