やっと映画BLUE GIANTを観ることが出来ました。公開してもう1年経ちますから、だいぶ遅いですが💦今日はそのお話です。
BLUE GIANTとは
ジャズに魅せられた主人公の宮本大が世界一のジャズプレイヤーを目指す物語です。石塚真一先生の原作漫画が映画化されました。
今回の映画は、宮本大が宮城県から上京し、バンドを結成、日本最高峰のジャズクラブでの演奏までの日々を映画化しました。
個人的には、原作のBLUE GIANT は7年前の単身赴任の時に読み漁りました。漫画なのに、音楽が聞こえてくるような迫力と、繰り広げられる人間模様か大好きでした。石塚先生の作品は「岳みんなの山」も独身時代、夢中になって読みました。山もジャズも個人的に好きだし、両作品の主人公の生き方も好きでした。
感想
評判に違わぬ素晴らしい映画でした。家で号泣しながら観ていました。原作の漫画に忠実に、さらに編集と表現に工夫し、素晴らしい音楽も作品に深みを与えます。この作品に関わった全ての人々が、原作をリスペクトしているのが伝わってきました。漫画をアニメ化や映画化すると多くの場合は悪くなるのですが、この作品は素晴らしかった。
表現者はさらけ出す
印象深いエピソードの多い物語でしたが、とても心の琴線にひっかかったのが、ピアニストの雪祈がダメ出しのフィードバックを貰っているシーンです。「テクニックばかりで、自分を曝け出していない」音楽以前に、人間性の部分を他者から指摘されます。
私は表現者とは全く異なる講師をしていますが、同じような場面に出くわすことがあります。講師・コンサルタントの場合は、「学習テーマ」を受講者にいかに習得させるかが目的なので、自分をさらけ出し過ぎても良くないのでが、それでもテクニックだけで誤魔化しても、受講者の心を動かすことはできません。いくら良い情報や知識を伝えても、受講者の心が動いて、職場で実践できなければ意味がありません。その受講者の心を動かすのが、講師自らの経験や、経験に基づいた考え方や価値観だったりします。ビジネスで濃密な経験をしてきた人は自然とそこが滲み出てくるのですが、キャリアの浅い講師や、ビジネスと割り切って研修を提供する人は、テクニックで押し切ってしまうことがあります。でも、それは受講者や依頼主である人事担当者に見透かされてしまいます。自分を出す、自分の人間性を出すのは大切だよなと共感しました。
ダメ出しを出された雪祈は自分と向き合い、乗り越えていくのですが、これ乗り越えられる人は優秀な人です。自己認知の問題ですし、もっと言うと自己否定、これまでの生き方を振り返る作業が伴うためです。技術はトレーニングで上達させることが比較的容易ですが、認知を変えるのは難しい作業です。映画の中では、若者が成長して姿も描かれています。人が困難にぶつかり、乗り越えていく姿は、いつの時代も人の心を打ちますね。
たくさん泣いてスッキリしました。今日からお仕事頑張ろう。