クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】振り返りは、いきなりストライクを狙わない

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昨日は失敗体験の振り返りについて考えて見ました。主体に取り組んだ失敗であれば成長に繋がるし、上司が振り返りを支援する時は、部下と並んで同じ目線で問いかけることが重要だと書きました。今日はもう少し技術的なことについて考えてみたいと思います。

いきなり革新を振り返らない

部下育成に意欲があり、人の成長には経験と振り返りが重要であることも理解し、部下と並んで同じ目線で問いかけようとも考えている。これで完璧な部下育成ができそうですが、最後のピースはどのように振り返るかです。いきなりどストライクで、「何が原因だったと思う?」「次はどうする?」なんて聞いたらもったいないですよ。深く振り返るには、準備がそれなりに必要です。

 

事実から振り返る

まず問いかけるべきは、「どのような時系列で、どのような考えで、どのように活動したか?」「その時、どう感じた?」などまずは、事実を確認しながら、次に部下の感情に共感し、そこまでできたら原因分析と対策について振り返ります。成功体験でも失敗体験でも本人は冷静に状況を整理できていないのが普通です。人は自分の見たいもの、聞きたいもの、だけを無意識に選んで解釈する生き物です💦

また、「自分が駄目なんだ」と否定的な感情に支配されていると、意思決定が歪められたり、リフレクションを妨げることもあるからです。

つまり、「事実を確認する」→「部下と共感する」→「経験を評価し対策を考える」という手順を踏むとより効果的な育成に繋がります。

【人材育成】失敗体験から成長するために必要なたった一つのこと

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以前、このブログで失敗体験より成功体験こそ振り返るべきという記事を書きました。では失敗体験からは成長するためには何が必要でしょうか?読者の皆さんも、「あの失敗があったから今の自分がある!」という人もいるかと思います。今日は失敗体験から成長するために必要なことについて考えてみます。

 

 

失敗体験から成長するために必要なたった一つのこと

結論から言うと、すごく単純な話ですが、失敗体験で「主体的に行動したか否か」の1点につきます。自ら挑戦して失敗した経験は成長に繋がりやすいです。裏を返せば、主体性がない失敗は成長の糧とはなりづらいです。先日はキングオブコント空気階段が優秀しましたね。

どんな売れっ子のお笑い芸人も、下積み時代のエピソードって聞きますよね。ライブ開いたら客が1人とか。本人的にも、側から見ても下積み時代の辛い経験は、その時点では、成功か失敗かと問われれば失敗に見えると思います。しかし、同じような苦い経験をしていても、その後、売れっ子になる芸人とそのまま沈んでいく芸人がいます。彼らの違いはなんでしょう?経験学習理論的な視点でいうと、主体的に取り組んでいたか否かの違いですし、もう一つは失敗から学んで、その学びを成功に繋げているかになります。つまり、経験は点で捉えてはいけないということです。連続した線で捉えないと見誤るということです。

 

上司ができること

部下が失敗体験から学ぶ時に、上司ができることはあるのでしょうか?仕事で失敗するということは、部門の成果を預かる管理職としては避けたいシチュエーションです。業績に大きく影響を与えるような失敗であれば、上司の血圧も上がり、怒鳴りたくなる気持ちも分かります。でも成長の側面で考えるとこれらのリアクションはNGです。大切なのは部下と同じ目線で問いかけることです。怒りを鎮めて、冷静に何が原因だったのかを共に振り返ることです。部下に正対して振り返りを促すのではなく、部下と並んで横に座りながら話をする感じです。相手の立場に立って、一緒に考える時に人は育ちます。

 

 

【マネジメント】1度はしっかり教える

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今日は部下育成の話をしたいと思います。このブログでも何度もお伝えしていることですが、人の成長の7割は経験が影響します。そのため、管理職は「部下にどんな経験をさせるか?」「経験した時に振り返りを支援することも大切」と書いてきました。今日は後者の振り返りの時の詳細について考えて見たいと思います。

 

先を見せる

部下との信頼関係ができているのが大前提ですが、部下の強みを把握し、部下に期待して、この仕事が部下のキャリアにとってどんな意味があるのかを伝えた後にしなくてはいけないことは、「先を見せる」ことです。これから部下が担当するストレッチな仕事の進め方やポイントを伝えることです。特にここは外してはいけないとい勘所については丁寧に説明すべきです。ポイントを伝えても本人的にはその場はイメージがわかないかと思いますが、仕事を進めていく中で、そう言えば上司が○○には気をつけろと言っていたなと思い出す時が来ますから。

 

シミュレーションを怠らない

部下に未知の仕事の見通しを伝えたら、具体的な仕事の「方法」や「やり方」をしっかりと教えてください。経験を積むだけでなく、できれば成功体験を積んでもらった方が成長には役立ちます。そのためにはインプットを1度はしっかり行うことです。私がよくやるのはシミュレーションです。営業時代であれば商談ロープレやプレゼンテーションを事前に部下にやらせて細かい部分をフィードバックしました。コンサルタントであれば企画書やレッスンプランを書いてもらって説明してもらうようにします。スポーツの世界でもよく言われることですが、練習のプレー以上の内容は、アウトプットできないのはビジネスでも共通です。部下が若手だときっちり指導しますが、中堅以上になると仕事のポイントだけ伝えて終えてしまう管理職は多くいます。でも、未知の仕事という点では若手も中堅も変わらないんですよね。「やり方は任せた」とか迂闊に言ってしまうと、部下本人も困りますし、せっかくの経験を積んでも浅い部分でしか振り返りができなくなります。しっかり1度は教えることで基準点が出来上がります。経験を積む時にこの基準点をどこに置くかで、振り返りを行う際の気づきも大きく変わって来ます。管理職は忙しいので、そこまで時間を避けないと思うでしょうが、大きな玉を転がすのをイメージしてください。一番最初が一番エネルギーを使います。それと同じで、未知の仕事の最初の経験サイクルを回すのが一番難儀します。でも回り出すと後は、軌道修正してあげるだけになります。

【マネジメント】部下の強みの見つけ方

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部下育成は管理職の重要な仕事です。以前、育成のコツは本人の強みを伸ばすこととお伝えしました。強みが分かりやすい部下ばかりであれば楽ですが、実際はその逆の分かりづらい部下の方が多いかもしれません。今日は部下の強みの見つけ方を考えてみたいと思います。

アセスメントを使う

1番のお勧めは、個人の特性をみるアセスメントを使うことです。DiSC診断やMBTI、strength finderなどの診断は驚くほど特性を明らかにします。これからの時代は、このような診断ツールを使って、部下の特性を把握するのが当たり前の時代になります。私は人材育成に精通している職業をしていますが、いまだに人の特性を見極めるのは難しいと感じます。だから診断を使うことをお勧めします。そのほうが部下を理解する時間をショートカットし、育成に時間をかけれますしね。

 

雑談から探る

アセスメントのような飛び道具は使えないケースが多いでしょうから、もう少し実践的な方法をお伝えします。私がお勧めするのは雑談です。部下と雑談しながら、プライベートの話から強みを探ります。趣味とか、休日の過ごし方とか。また、雑談は本人だけでなく部下の同僚や元上司、他部門の人間とも話をします。自分には見えていない、部下の強みは他者からはよく見えることもあるからです。まあ、雑談するにはお互いの信頼関係が土台にあってこそですが。

 

観察する

部下の仕事ぶりを観察し、良い働きをした場面を振り返り、そこから強みを把握する方法を探るのも有効です。私は部下との同行やプロジェクトを一緒にやる時が観察のチャンスでした。

 

レポートから振り返る

私は月一回、部下との1on1の機会を作ります。その際、部下に用意してもらう資料があります。A4用紙1枚に1ヶ月の活動の振り返りを記入してもらいます。出来たこと、出来なかったことを振り返って頂き、その要因まで記入してもらいます。そんな材料を元に面談することで強みを把握していきます。

 

様々な方法を駆使して、部下の強みを把握することが育成を考える上で外せない点です。

 

 

 

 

 

 

【マネジメント】仕事アサインする時は、一言添えよう

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9月ももうすぐ終わってしまいますね。月日が経つのはあっという間ですね。さて、今日は管理職が部下に仕事をアサインする時の一言について考えてみます。

 

仕事にどのような意味づけをするか

上司が部下に仕事をアサインするのは、職場の日常風景です。メンバーが固定化されている職場の管理職は、特段アサインの指示もしていないかもしれません💦 平均的な管理職であれば、部下の動機づけを考えて「この仕事は我が社の重点製品だから力を入れてください」とか、「会社の業績を牽引するこの部門の仕事は重要だから頑張っていこう!」とか、「この取り組みは、部門改革の一環だから成功させよう!」とか一言添えると思います。一言添えるだけでも立派なのですが。。。

部下育成の観点からすると勿体無いなと感じます。どうせ仕事をアサインするのであれば、会社や組織における意味だけでなく、本人の成長との関係性も説明できると完璧です。例えば、「この仕事は君が将来希望している部署で求められている企画力を伸ばすには良い機会だと思う。少し負荷がかかると思うがチャレンジしてやってみないか?」とか。誰もが最も関心があるのは自分の事です。部下は上司が自分の成長と紐づけて仕事のアサインを語ってくれたら嬉しいですよね。全ての仕事でこんな意味の紐付けはできませんが、毎年一つか二つは部下の成長を考えて、仕事をアサインすべきです。上司的には部下に毎年同じ仕事させた方が、管理の側面では楽なんでしょうが。管理職としては、存在価値がありません。

 

社会との繋がりを語る

これはかなり照れ臭いですが、我々の仕事が社会にとってどんなに役立つことかを伝えることも重要です。私がその事を実感したのは、死体安置所で働いた経験がある友人との会話でした。彼は学生時代に死体安置所でアルバイトをしていました。最初は時給の高さと、怖いもの見たさで応募したそうです。ただ、実際働いてみると大変なわけです。身寄りのない孤独死で、何日も放置されてきたような死体も運ばれてくるそうです。ある日、いつものようにご遺体をデッキブラシで洗っていると、ご遺体の顔から涙が流れたように見えたそうです。その出来事を同居していたお婆ちゃんに話したそうです。すると、「それは良い仕事をしているね。きっと仏様も喜んでいたんだよ。あんたは、仏様に功徳を施しているんだよ」と言われたそうです。そんな風に考えたことなかったので、その言葉が深く印象に残ったそうです。結局、お婆ちゃんの言葉があって一週間で辞めようとと思っていたバイトを一年間続けたそうです。仕事を意味づけするというのは、成長の側面でもモチベーションの側面でも大切なのだと思います。