- 作者: トミー=アンゲラー,いまえよしとも
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1969/12/16
- メディア: 単行本
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今日ご紹介するのは、絵が秀逸な絵本です。「すてきな三人ぐみ」です。この絵本は青と黒と赤の色使いが抜群です。
お話の内容はちょっと複雑です。表紙を飾る不気味な三人ぐみの強盗が主人公。暗闇に映える赤い斧とラッパ銃を使って手際よく金銀財宝を奪っていきます。
でも、そんな三人ぐみが、ティファニーちゃんという孤児の少女と出会ってから変わっていきます。ティファニーちゃんから「集めた宝を何に使うの?」と質問されたのですが、三人ぐみは宝を集めることが目的であり、集めた宝で何をするかなんて目的は持っていませんでした。
それから、三人ぐみは奪った財宝でお城を建て、お城を中心に村を作っていきます。そのお城や村に住むのは孤児たちです。三人ぐみは結果的に孤児達を救済する世直し泥棒となり、素敵な三人ぐみになったというお話です。
この絵本は、作者のトミー・アンゲラーさんが生まれきた娘の為に書いた絵本だそうです。娘が生まれて心境が変化したことを絵本にしたのかもしれません。
私も娘が誕生して、だいぶ考え方や生き方が変わってきました。心理学的には人の価値観は中々変わらないものと考えられています。しかし、子供が生まれることは個人の価値観に影響を与える程の素晴らしい出来事なんだと私は思います。
すてきな三人ぐみはオープニングが不気味ですが、話が進むに連れて三人ぐみの気持ちと周囲が変化していく素敵なお話です。オススメの一冊です。