コロナによってビジネスを取り巻く環境は大きく変化しました。経営も大きく変化します。当然、求められる能力や人材像も変わってきています。今日はこれからのビジネスパーソンに求められる能力について考えてみたいと思います。
要素還元に加えて、問題の全体を捉える力
このブログでも、ロジカルシンキングや問題解決について繰り返し解説してきました。なぜ?なぜ?なぜ?を繰り返すことで、問題を分解し原因を分かりやすくする要素還元の考え方です、今後もこれらのスキル・能力は大切ですが、それに加えて問題を全体として捉える力、システムシンキングと呼ばれるスキルも求められるように思います。何故なら対峙する問題が複雑化しているからです。例えば日本では、カーボンフリーやグリーンエネルギーなどが叫ばれています。ガソリン車の代わりに電気自動車を増やすとします。しかし、今度は電気が足りなくなります。我が国の電力は火力の割合が大きいので、現在の仕組みでは逆に炭素を排出することに繋がります。このように、問題は相互に影響しあっており、ある問題解決が他の問題にプラスにもマイナスにも作用する事を理解しながら、問題を捉える力が求められると思われます。従来の要素還元型は、AIにとって変われる可能性が高いですしね。
ありたい姿だけでなく、ありうる未来も考える力
これまでの企業は、ありたい姿を描きそれに向かって猪突猛進して事業を進めてきました。しかし、コロナで明らかになったように未来を正解に予測することは不可能です。未来に対する多様なシナリオを準備して、リスクやチャンスを考える力がより求められるでしょう。そのためにも、問題意識を高く広く掲げながら情報収集することが大事になります。
損得だけでなく、好き嫌い
資本主義は利益を最大化することで発展してきました。しかし、その行き過ぎが、貧富の格差や地球環境問題を引き起こしています。働く個人を捉えても、企業勤めのビジネスパーソンは収入を確保するために、嫌な仕事も引き受け、辞令一つで転勤や異動にも従ってきました。しかし、経済合理性を優先するのも無理が出てきています。働きての価値観も働き方も多様化しているわけですから。リモートワークでその勢いは加速しています。企業も個人も自分はどうしたいか?何が好きで何が嫌いかは問い続けていないと、時代に取り残されるように思います。
競争から共創に
ライバルに打ち勝つための競争戦略が企業では求められてきました。しかし、競争戦略の終焉という主張もあるように、テーマによってはライバルとも手を組む、一緒になって新しいものを生み出すことの方がこれからは求められるように思います。