クマ坊の日記

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【マネジメント】人を動かすには、共感から始まる

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管理職の役割は、乱暴に申し上げると「自分の考えを人を動かして実現する」ことです。昨今はプレイングマネジャーが全盛の時代なので、自分で動く、動かざる得ない人の方が多いと思いますが💦 しかし、1人でやるには限界があります。結局、周りの人を動かす必要が出てきます。でも、人を動かすというのは難しいですよね。今日はそんなお話です。

 

強く握った拳は力ずくでは開かない

我が家には小学4年生の娘がいます。その娘に利き手で力強く拳を握ってもらいます。私がそれを力ずくで無理矢理開かそうと思っても、完全に開かせるのは難しいものです。まして、相手が大人であれば開くのは難しいです。拳を開かせることさえ、こんなに難儀するわけですから、他人の意志を外部から働きかけて変えるのは難しいです。仕事を進める上では、メンバーが嫌々着手するような内容もあります。嫌だから出来ませんでは仕事はいつまで経っても終わりません。かくして管理職は、飴や鞭を使ったり、なだめすかしながらメンバーを動くよう働きかけます。でも、拳の話と同じで、本当に動かせすのはかなり難しいものです。

 

急がば回れ

前回の記事で、声を聴くことの重要性を書きました。人を動かすにも、この聴くが大切になります。話し方やどんな言葉を使うのかも重要ですが、それらが効果的になるためにもメンバーの話を聴くことが人を動かす土台になります。何故なら人は誰もが自分のことに、最も関心があるのですから。そこからスタートしなければ、他人のために本気で動いてくれることはありません。いくら正論でも、いくら論理的に正しくとも人は感情の生き物ですから。そのためには、メンバーが相談しやすい雰囲気をまずは醸成する事です。テレワークだとこの点が難しいのですが、工夫できることはあります。オンラインで会議をする時、少し早めに入室するとか。逆に最後に退出するとか。そんな僅かな時間を捻出するだけで、雑談する時間が取れます。日頃から雑談してハードル下げて置かないと、相談の際もメンバーは本音を出せないでしょう。もちろん雑談してても、メンバーと上司という立場だけで埋めれない溝はあるのですが、多少なりとも距離感を縮められる余地はあります。そしてこの数センチの距離感が、相談事が厄介な時ほど役に立ちます。

 

自分の考えは一旦脇に置く

メンバーから相談を受けた時は、一旦自分の考えは脇に置きます。相談内容によってはすぐに結論を言いたい時もあると思いますが。相手の話を受容しなくてはいけません。しかし、受容するだけでもいけません。問題を解決したいと思ってメンバーは上司に相談するわけですから。話聞いてもらうらだけなら、占い師の方がよっぽどためになります。受容した後に管理職はメンバーに対して働きかけをすることが求められます。私がよく使うのは、「でっ、Aさんはどうしたらいいと考えてるの?」と尋ねることです。もちろん相談内容が技術的な問題であり、上司が答えを持っている内容であれば答えればいいのですが、そんな相談は少ないですよね。答えがないから迷うわけで、相談するわけです。

ここで大事なのは、相手の考えを尋ねる前に、話をじっくり聴くことです。願わくばメンバーが「この上司は私の話をよく聴いてくれる」と感じさせるぐらいです。共感を感じない上司にいくら働きかけられても、メンバーの心は動かないし行動も変わりません。逆を言えば共感さえできれば、効果的な働きかけが出来なかったとしてもメンバーが動いてくれたり、勝手に行動を変えてくれたりする事もあります。

 

それだけ、共感する力は人を動かす際に強力だという事です。