クマ坊の日記

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【マネジメント】三現主義と昭和上司とマネジメント

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政府はリモートワークを進めていますが、企業によって進捗は変わります。先日、あるメーカーの管理職研修を担当した際に感じたことを書いてみたいと思います。

 

 

三現主義とリモートワーク

大手企業でも、仕事によってリモートワークのしやすい部門、しにくい部門が存在します。特に難易度が高いのが、ものづくりの現場です。ものづくりの現場では、大切にされているキーワードがあります。例えば三現主義です。三現主義とは、「現地」「現物」「現実」の頭文字三つを示しています。ものづくりの現場は、設計図通り、手順通り進めても、図面通りの製品ができるわけではありません。設備や材料や習熟度の問題で上手くいかないことがあります。日本の製造業が世界に優れた高品質を実現できるのは、製造現場の改善力、すり合わせ力わ含めた卓越したオペレーション力があってこそです。そのオペレーション力の基礎となっているのが三現主義です。企業によっては五現主義とかいう場合もあります。また、現の意味が現場、原則、原理を示す企業もあります。

この三現主義は、乱暴に申し上げれば、「事件は会議室で起こっているんじゃない。現場で起こっているんだ!」が出発点になります。直ちに現地に向かい、直ちに現物を見て、直ちに現実に向き合うことが問題解決の基本になるからです。その大原則がリモートワークによって危機を迎えています。

 

現場力の力強さ

コロナによる出社制限、リモートワークにより現場に行けない。そんな過酷な職場環境でも三現主義を実現するために様々な工夫を現場の社員は試みています。計画的に現場に集まる日時を決めたり、映像を活用したり。詳しいことは書けませんが。日本のものづくりは自分達が支えているんだという、いい意味でのプライドと強烈な使命感を受講者の発言から感じました。いや、感じるなんていうレベルではなくて感動しました。

 

昭和上司

その一方で、残念な話も聞きました。会社が出社制限をしているのに、部門長の中には「毎日、出社しろ」「管理職か自ら三現主義を実践しなくてどうする!」とアプローチをかけてくる役職者も結構いるそうです。受講者はそんな上司を昭和上司と呼んでいました。

私が感動した若手管理職も、受講者から不平不満が出た昭和上司も三現主義に関してはどちらも大切にしています。違うのは、現実に柔軟に対応するか、従来のやり方に固執するかの違いです。三現主義の本質を捉えているのは前者だと思います。

 

レッテルを貼らない

そんな優秀な受講者でしたが、一点だけ苦言を申し上げました。それは、昭和というザックリした単位で人を決めつけてはいけないと言う事です。受講者には、昭和生まれの年上部下もいるわけです。無意識のうちに、昭和だから、ベテランだからと決めつけていないか?1人ひとりをしっかり見ていかないと、良いマネジメントは出来ないとお伝えしました。

 マネジメントも三現主義でやらないと駄目だと言う事です。

 

しかし、私も昭和のおじさんなんですが💦