今週は「交渉」に関する記事をご紹介しています。これまでの内容を振り返ると、交渉の大原則は、「自分の土俵で戦うこと。すなわち交渉の場でいかに有利な立場に立つこと」である。そして立場を有利にするには、以下の3つを活用すると有効であると説明しました。
- 希少性を活用する
- 時間制限のプレッシャーを活用する
- 最終権限を持つ存在を活用する
今日はもう少し具体的なノウハウをお伝えしていきます。
交渉する際に必ず必要なもの
いきなり結論を述べますが、交渉する際に必ず準備しなければいけないものがあります。それは、「最良の代替案」です。交渉が合意に達しない場合の次善の案ですね。当たり前じゃないか!と読者の皆様から突っ込まれそうですが、これが用意されていないと交渉は上手くいきません。何故なら「最良の代替案」を持っていると言う事は、目の前の交渉の重要度が下がることになるからです。「なんとしてもこの交渉をまとめねば!」と臨むのと、「駄目でも大丈夫」と交渉に臨むのでは天と地ほどの差があります。「最良の代替案」を用意している時点で、自分の有利なポジションを獲得していることになります。このことを専門用語ではBATNAと言います。Best Alternative To A Negotiated Agreement の頭文字とっただけですが。
ポイントは「最良」の2文字です。できるだけ高い条件の代替案を準備しておくことです。交渉時の選択の幅が全く異なってきますから。
とは言え、交渉時までに代替案を用意できない場合もあるでしょう。そんな時は、代替案に当たりをつけておくことです。スマホがあれば大抵のことは調べられます。調べた中から最良の選択肢を用意しておけばいいでしょう。
明確な目標を持つ
「最良の代替案」が準備できたら、次に明確な目標を設定します。目標は二つ設定します。非現実にならない程度の高い目標と、最低基準です。金額等、数値で測れるものは書き出しましょう。目標がないのに、交渉で有利な条件を引き出すことは不可能です。そして、交渉するときの照準は、高い目標になります。個人の買い物であれば目標はつくりやすいですが、組織だとそうはいきません。それぞれの役割で、目標が違うケースはよくあります💦
次回はさらに詳細なテクニックについて考えてみたいと思います。