GWを挟んで、これまで全10回に渡って新規事業の立ち上げについて書いてきました。新規事業を検討する際のツールとしてビジネスモデルキャンパスをご紹介しています。今回はビジネスモデルキャンパスの一番左側にあたるキーパートナーの考えたについて説明したいと思います。
両目を開い何を見るのか?
イギリスの神学者であるトーマス・フラーはパートナーを選ぶ際に、「結婚前には両目を大きく開いて見よ。結婚してからは片目を閉じよ」という名言を残しています。ビジネスにおいては、パートナーになる前はもちろん、パートナーになってからも両目を大きく開いて相手を見なければいけません。大事なのはどんな視点を持って選ぶかです。
- 新しい価値を創り出すための視点
- 価値を創り出すための供給先としての視点
- コストを削減するための視点
1は自社が提供できる価値と他社が提供する価値を新しく掛け合わせて新たな価値を生み出す視点でパートナーを選ぶ視点です。私も大好きなLEGO社がLEGO IDEASという取り組みを展開しています。LEGO大好きな素人がつくったLEGO作品を公開するサイトです。公開するだけではなくて、投票を行い、最も人気があった作品を商品化するという取り組みです。自社ブランドと外部のファンのアイデアをつなげた立派なオープンイノベーションです。ちなみに初めて製品化されたのは日本人の作品なんですよ。
2の価値を創り出すための供給先の視点は、ビジネス継続に関してとても重要になります。なぜなら、供給先の交渉力の脅威にさらされると主導権を相手に握られてしまうからです。もちろん実績や技術力の評価も大事ですよね。3のコスト削減の視点からパートナーを選ぶこともあります。他社と共同で設備やインフラを使用することでコスト負担を減らすなんていうのが、よく見られるパターンです。例えば、味の素、カゴメ、日清オイリオグループ、ハウス食品グループがF Lineという会社を合同で設立して共同配送をしています。もともとは各社が北海道の物流で困っていました。マーケットが小さい割に、エリアは広いので1社では物流がまとまりにくかったのですね。だったら同じような悩みを持っている会社と協力すればいいんじゃないという考え方です。
パートナーは自らの手で探しだせ
有難いことに我が社にも、金融機関を通して提携話がよく持ち込まれます。その際、意見を求められるわけですが、私は基本的には反対します。多くは、「技術や顧客層が我が社の足りないものを補完しあうのでどうでしょう?会ってみませんか?」という説明が多いです。でも、そんな話で成功した事例を私は知りません。「こんな価値を提供したいから、こんな技術を保有している企業はないのだろうか?」自分発の企てがあって初めて、いやそんなものがあっても上手くいく保証はないのですが。。。ただそんな考えもなしにコラボレーションは成功しません。冷静に客観的に相手先を評価した上で、最後は相手が一緒にやっている人物かを両目を開けてしっかり見るようにしています。そこは超主観が入っているので矛盾しているのですが💦 こちらからお願いするぐらいの相手がちょうどいいようにも思います。