ビジネスモデルキャンパスの詳細について今日も説明していきたいと思います。しかし、かなりマニアな世界なので恐縮です💦前回は顧客セグメントについて書きました。本日説明するのは「提供価値」についてです。では行ってみましょう。
そのビジネスは顧客にどんな価値を提供しますか?
ビジモデルキャンパスの中で、提供価値はちょうど真ん中に位置します。当然、意味があります。顧客にどんな価値を提供するかが最も重要ということを示しています。他のブロックはこの価値を創造するために存在するものと言っても過言ではありません。
価値=購入する理由
価値というと大仰な印象を持つかもしれませんが、要するにその製品やサービスを顧客が購入する理由です。例えば同じハンバーガーを販売していても提供する価値は「マクドナルド」と「モスバーガー」では若干異なります。マクドナルドが提供している価値は「早い!」です。すぐ出てくるのが最大の価値になります。一方、モスバーガーは「美味しさ」です。もちろんこれは創業当時の価値であり、マクドナルドもモスバーガーも新たな価値を拡張し続けています。同じことをしていたら飽きられますしね。ただ、軸足というかそれぞれが成功を収めるにいたった価値というのは基本的に変わりません。
価値を検討する際の3つの視点
- 顧客が抱えている問題を解決できる
- 誰も提供していない
- 自社の強みが生かせる
顧客が抱えている問題を解決できるは当たり前ですが、「誰でもなく、我が社だから提供できる」という新規事業が理想的ではあります。ただ多くのビジネスはライバルがいるわけです。だから価値の魅せ方が競争力の差につながります。この価値というのは不思議なもので、新たな価値をプラスすればいいというものではありません。「あれもできます」「これもできます」だと価値が混乱してしまいます。最近のヒット商品を見ていると、価値を引き算できる企業が成功を収めています。メジャーな所であれば、掃除機のダイソン。「吸引力!」重たくたって、音がうるさくたって、抜群の吸引力がありますよで、まずは価値を訴求しました。使用してみると顧客は新たな問題を抱えるので、バッテリーの持ちが短い、やっぱり重たい、音も静かがいいな。ということで改善が加わります。ダイソンは次の展開が難しそうです。改善を続けることで平凡な掃除機になるのか、ブランドを維持できるか。次の展開は自動掃除機しかないような気もしますが。。。
ビジネスモデルキャンパスは、前回紹介した「顧客セグメント」と今回の「提供価値」この2つが肝となります。この2つのブロックがしっかり書ければ、イケてるビジネスモデルになる可能性があるということです。一番重要なブロックではありますが、一番最初に書かなくてはいけないということではありません。そこは勘違いしないでくださいね。過去の記事で、シーズから始まることもある。日本企業、特にメーカーはシーズから始まるケースが多いと書きました。「こんな技術があるんだけど?」それはそれでいいんです。シーズ起点の新規事業はニーズとアイデアを固めなくてはいけません。それが、「顧客セグメント」と「提供価値」ということです。