クマ坊の日記

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【マネジメント】 風が吹いても桶屋は儲かりませんから

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多くの企業はもうすぐ年度末。ラストスパートと共に、そろそろ次年度の計画策定を立案している時期かと思います。今日は計画を立てる際に陥りがちな罠について考えてみたいと思います。

 

 

重要業績指標(KPI)とは

来年度の計画策定の真っ最中かと思います。当然、社長から出てくるお題は抽象度の高い方針になります。大企業になればなるほど、この傾向は高まります。なんたって社員が多いから抽象度が高くないと、伝わらないんですよね。しかし、当然、階層の下に方針が降りてくるほどより具体的な目標値に置き換わってきます。管理職がマネジメントするにしても指標がないと、計画通り活動できているのか、できていないのか判断できませんから。車でいう各種計器ですね。スピードメーターやら燃料計やら。ビジネスの世界では、その重要な指標のことを重要業績指標といいます。Key Performance Indicatorsと書いて通称KPIと呼ばれます。経営計画を策定するときに、必ずこのKPIは設定されます。組織目標を達成するために、その目標達成に必要となるプロセスを具体化するのが目的ですしかし、実際の現場では残念なKPIが設定されているケースが意外と多いようにも見えます。

 

残念なKPIあるある

  1. それKPIじゃなくて結果指標では
  2. 対策が打てないなKPIを設定されても
  3. 風が吹いても桶屋は儲かりませんから

 

それKPIじゃなくて結果指標では

 KPIは前述したように、組織目標を達成するために、その目標達成に必要となるプロセスを具体化するのが目的です。でもいきなりKPIが「売上」「コストダウン」という企業もあります💦。事業部の売上達成のためには 「A製品、B製品、C製品の売上が全て目標達成することだ!だからKPIは各製品の売上達成だ!」なんてことを言い出す職場はあります。いやーそれは全然KPIじゃないですから。

 

対策がうてないなKPIを設定されても

例えば、「我が社はネット販売を強化する。だから今年はホームページの訪問者数をKPIにする!」ブログをしている読者は経験的に理解できるかと思いますが、訪問者数をKPIにされても、大雑把な目標なので対策のたてようがありません💦 どんなルートから流入しているのか、どんな人が訪問しているのかが分からないと効果的な施策を打ちようがありません。でも、意外に企業内ではこのような現象が起こっているようにみえます。雲をつかむようなお題をだされて、延々と会議をして、手応えの全くない施策の実行を命じられる。。。

 

風が吹いても桶屋はもうかりませんから 

日本のことわざに「風が吹けば桶屋が儲かる」があります。「風が吹くと土ぼこりがたって目に入り盲人が増える。盲人は三味線で生計をたてようとするから、三味線の胴を張る猫の皮の需要が増える。猫が減るとネズミが増える。ネズミが桶をかじるので、桶屋が儲かる」という理屈です。因果関係があるようで全くないですよね。

しかし、同じようなことが企業のKPI策定時にも起こります。一見相関性があるように見えるだけの指標をKPIに設定してしまうのです。例えば営業部門では訪問件数がKPIになったりします。確かに高成長の時代であれば、訪問することで売上が増えていた時代はあったかもしれません。しかし、成熟している分野では訪問件数=売上増に明確な因果関係を見みだすのは難しいように感じます。

 

なんで残念なKPIが設定されるのか?

KPIを設定する立場の人が現場をよく理解していない。過去の成功体験に囚われているのが多くの理由です。本人たちは、いたって真面目に残念なKPIを設定してしまいます。残念なKPIを設定しないためには、経営に近い立場の人が現場に頻繁にでることです。ポイントは頻繁&実際に自らやってみることです。年数回、現場を巡回することで現場を知ったような気になる人は多いもんです。巡回なんか意味ないですから。幹部が現場を巡回する際は、現場がお膳立てします。現場も幹部からいらぬ指摘を受けたくないですからね。自ら仕事してみる、顧客の声を聞く体験までしないと私は駄目だと思います。それができないなら、現場の近いところにKPIの設定を委ねたほうがいいでしょう。