担当しているプロジェクトの一つに新商品開発があります。今日は商品開発におけるピボットターンの重要性について考えてみたいと思います。
ピボットターンとは
ピボットターンとはバスケットボールで使う技術です。片足を軸としてフロアに固定し、もう一方の足を動かすことです。バスケではボールを持って歩けません。トラベリングの反則をとられます。ドリブルでボールを運べない時にピボットすることで自分のボールを保持します。攻撃する際もフェイントとして使える技術です。体育の授業で1度は誰もが見たことあるのではないでしょうか?
商品開発におけるピボットターン
顧客価値を考えて、そのソリューションを考えるのが商品開発です。モノでもサービスでも基本は全て同じです。顧客が求める利便性を考えて、考えて、考えて、商品開発を行います。しかし、そんなに簡単に事は進みません。「想定していた顧客の反応が違う!」「想定外の技術的な障害が現れた」「需要があると思ったけど、ふたを開けたらそれほど需要はなかった」理由はそれぞれありますが、当初想定していた設計仕様を変えなくてはならない事態に1度は陥ります。そこで、思い切ってピボットターンができるか否かが極めて重要となります。大抵は、考え抜かれた商品開発計画なので変更したくありません。ある程度、時間と資金と労力をかけていたら尚更です。
またピボットターンするにしても、パニックに陥って今までの蓄積を放り投げるのも得策ではありません。軸足を固定しながら、新たな方向性を模索していく姿勢が求められます。
私はサッカーが好きですが、プロサッカーチームでもパニックに陥ることがあります。敗戦が続いて、パニックに陥って監督をクビにしたり、チームの方向性と違う選手を補強してしまったり。自分の軸を全部捨ててしまうと事態がより悪化するように思います。
だから、商品開発もプロサッカーチームもピボットしながら粘り強く方向転換していくことが大切です。
ピボットターンの見極め
しかし、商品開発においてピボットターンは何回も使えません。メンバーの立場からすると、軸足は変えないといえど、大きく方向性を変えるのは辛いものです。心理的にも肉体的にも。費やした労力を捨てることになりますから。資金的な側面でも厳しいです。どこも商品開発で使える予算枠はありますから。ピボットターンはしたがいいが資金ショートで失敗するなんてこともあります。スタートアップの企業は常に資金と時間切れの恐怖と戦っているようなものです。
教科書的にはピボットターンは、早い段階で見極めることが重要だと言われます。そのためには、新商品のプロトタイプを作って顧客からの評価を受けることです。でも画期的な商品になればなるほど、その判断は難しいです。顧客が見たことのない商品やサービスですから。ロジカルに考えながら、最後は思いきってピボットするしかないんですよね。胆力という極めて属人的なセンスが必要なように思います。
と自分に言い聞かせながら、ピボットすることに決めました。さあ、成功するかいなか。数ヶ月後には結果がでるでしょう。