今まで、部下として多くの部長の元でクマ坊は働きました。また顧客として多くの企業の部長さんにもお会いしてきました。憧れるような人物もいましたが、多くは残念な部長でした。そして、残念な部長の部長を振り返ると大きく3パターンぐらいに分類できるなと考えています。今日は残念な部長の3類型について書いてみたいと思います。
いるだけ部長
いつも席に腰を下ろし、悠然と構えて部下からの提案を待つ部長です。仕事は、部下の提案を「YES」か「No」もしくは「保留」に分けるだけ。自分の主張もはっきりせず、ただただ受け身で待ちの姿勢。受け身なだけに当然、責任を取らされそうな決定事項には近づかない。部下からしたら、「部長は何しているんだろう?」「査定だけする人?」という存在です。
横並び部長
社内外の動きには敏感で、日経新聞や週刊ダイヤモンド、東洋経済をこよなく愛読しています。アンテナを高くあげていて一見良さそうなのですが、とにかく新しい動きがあるとすぐ右へならえをします。何もしない部長よりはいいのですが、部下は引っ掻き回されます。事業的にも他社の真似ばかりではトップランナーにはなれません。横並びの悪いところは、他社の新しい施策がそのまま自社にあてはまるとは限らないことです。リソースも歴史も文化も違います。そもそも他社の優先課題と自社の優先課題が同じであるはずがありません。他社の真似ごとをしているうちに、自社の優先課題をおろそかにしてしまうことにもつながりません。
先送り部長
言葉の通りで、懸案事項を決めないで、できればそれを未決のまま後任者に申し送って、責任逃れをする部長です。このタイプは会議好きな人に多いように感じます。会議に時間ばかりかけて、なかなか結論を出しません。もっと始末が悪いのが良かれと思って会議をしてしまうところです。徹底的に議論することで、全員の合意を得たいと考えます。しかし、万事スピードが問われる時代で、意思決定しないことは部長として仕事をしていないことと同義です。意思決定することで現場でアクションがおき、そこから修正を図っていくことができます。でも、決めないと何も起こりません。
部長は分岐点のポスト
上記のような部長が出てくるのにも理由があります。それは自己保存の意識です。部長の仕事は正解がありません。またキャリアの分岐点でもあります。経営層に上り詰める人もいれば、部長を最後に退職する人、事件や事故の責任を取らされて厳しい立場に立たされる人。実に様々な運命が待ち構えています。故により守りの意識が働き、「いるだけ」「横並び」「先送り」という行動を選択するのだと思います。そういう意味では、能力やスキルより人間性がより部長は問われるような気がします。